もくじ
皆さんは「物流業界」と聞いて、何をイメージしますか?
もちろん全て正解です!
「物流」というのは、その言葉通り「モノを運ぶ」プロセスのことを指します。
工場から小売店まで製品を輸送する作業や、引越しの際に家電製品を新居に移す作業など、形態はさまざま。
B地点からC地点まで何かのモノを運ぶ行為は、基本的に全て「物流」と呼ばれます。
でもそれ以外、具体的にどんなことをしているのかと聞かれるとなかなか答えられない!
そんな人も多いんじゃないでしょうか?
なので、ここでは知っていそうで意外とと知らない
- 物流業界の仕組み
- 物流業界の仕事内容
これらを詳しく解説していきます!
物流業界とは?会社は「6つ」の機能から成り立っている!
それではまず「物流」を扱う会社、すなわち「物流会社」が何をやっているのか見ていきましょう!
「物流会社」はどんなことをやっている会社だと思いますか?
しかしそれだけだと、答えとしてはちょっと惜しいんです!
物流会社の仕事内容は、単なる「輸送」だけではありません。
このような仕事を行っているんです!
物流業界の仕事内容
- 保管
- 荷役
- 流通加工
- 包装
- 輸送
- 情報管理
これら計6つの業務が行われています(詳細は後ほど記載)
確かにややこしく思いますよね!
しかし考えてみてください。
もし物流会社が「保管機能」を持っていなかったとしたら、どうなるでしょうか?
仮に、輸送先で荷物の受け入れができなかったとします(営業時間外、空きスペース不足など)。
でも輸送先が荷物を受け入れてくれなかったからといって、そのまま商品を放り出すなんてことはできませんよね?
こんな時保管機能がないと、荷物はどこにも運べない「宙に浮いた状態」になってしまいます。
だから「保管」のような、一見物流に関係なさそうな機能が必要なのです!
ちなみに「保管」部分の流れは以下の通りです!
- 物流会社が輸送業務を受託
- いったん物流センター(倉庫)に商品を保管
※倉庫業者に委託する場合もあり - 適切な「時間」と「条件」が整ったら輸送開始
物流業界は「ただ運ぶ」のではなく「どう運ぶか」の仕組みが重要
物流会社はただ単に「モノを運ぶ会社」と考えられがちですが、決してそうではありません。
物流会社は「どう運ぶのか」という運び方についても考え、そのために先ほど挙げた「多機能」を駆使します。
そうやって送り先にすばやく届ける必要があるのです。
2011年に発生した東日本大震災。
記憶に残っている人も多いですよね。
この震災時、被災地周辺の物流はほぼ機能しなくなりました。
そして生活必需品がコンビニからなくなるという非常事態が長く続いたのです。
この出来事からも
「物流が正しく機能しなければ、私たちは日常生活を送れない」
このことが再確認できたと思います。
少し話が逸れましたね。
さて、ここからは人々の生活を支えている「物流業界」についてさらに詳しく見ていきます!
次から下の項目に沿って話を進めていきますね!
- 物流業界の仕組み
- 物流業界の分類分け
- 物流業界の主な仕事内容
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物流業界の仕組みと仕事内容
さてまずは物流業界の仕組みについて見ていきましょう!
「モノあるところに物流あり」と言われるように、荷物を「出す人」と「受け取る人」が存在する限り、物流業界は機能します。
なので物流業界は幅広いフィールドで活躍します。
例えば……
- 個人宅への配送
- 大型船舶いっぱいの貨物輸送
- はがき一枚の保管
- 数億円単位の大型工業装置の保管
これらすべてが「物流」です。
このように幅広い範囲で用いられている「物流」ですが、その仕組みは一体どうなっているのでしょうか?
前述のように物流とは
保管⇒荷役⇒流通加工⇒包装⇒輸送(配送)⇒情報から成り立っています。
工程を一つずつ見てみましょう!
物流業界の仕組みと仕事内容【1】:保管
運んだ荷物をいったん保管しておく業務です。
先述のように「輸送時期の調整」も物流会社の仕事範囲。
なので届ける時期の調整が完了するまで、荷物を厳重に保管しておく必要があります。
また食品などを扱う場合は、冷凍保存するなどして品質を高い状態で保つことも求められます。
送り先別にまとめるなどの「輸送調整」を行うのも、この保管業務にあたります。
物流業界の仕組みと仕事内容【2】:荷役
輸送機関からの荷物の積み下ろしと、倉庫への入出庫などを取り扱う業務です。
また、輸出入品等の通関手続きも荷役の業務に含まれます。
引越し業者が車両に家電製品を積み込むところをイメージしてもらえると、理解しやすいと思います!
物流業界の仕組みと仕事内容【3】:流通加工
送り主からの委託を受け、物流センターあるいは倉庫でラベル貼り、値札づけ、ないしは商品のセット組みなどを行う業務です。
加工業務が非常に多い場合、センター内の一部を工場化することで指定日時に間に合うようにしている例も見受けられます。
このように、物流には製品加工の機能も含まれるのです。
物流業界の仕組みと仕事内容【4】:包装
精密機器や陶器などわずかな傷が品質に大きく影響する荷物は、梱包材や包装材で包むことで保護しなければいけません。
この業務が包装です!
近年では、環境汚染対策のためリサイクルできる包装材を用いたり、繰り返し使える容器を採用するなどの工夫がとられているんですよ。
物流業界の仕組みと仕事内容【5】:輸送
自動車、鉄道、船舶、航空機などの輸送期間を使ってモノを運ぶ業務を指します。
まさに物流の表舞台ですよね!
最もイメージしやすい段階ではないでしょうか?
近年では環境負荷低減(CSR対策)のために、最も燃料効率が高い輸送手段を選ぶことや、アイドリングストップを採用するなどの工夫をとっています。
物流業界の仕組みと仕事内容【6】:情報管理
こちらはパッと聴いただけではイメージできないかもしれません。
コンピューターや通信回線を使うことによって「輸送中の荷物がどこにあるか」をトレースしたり、経路・温度・湿度などの輸送状況を確認・記録する業務のことを指します。
これらの輸送記録は日々蓄積されており、そのデータはより効率的な輸送経路や輸送環境の策定に役立てられています。
物流会社は上記の工程の一部分あるいはすべてを請け負うことで、日々顧客の要望に応えているのですね~!
物流業界を支える「3PL」とは?
一昔前までは、メーカーなどの「荷主となる側」もある程度の物流業務は行っていました。
しかし今はモノの種類や販売方法の幅が広がる時代。
さらに「なるべく早く製品を届けて欲しい」という顧客の願いもあります。
徐々に複雑に高度化する物流の課題と、メーカー本来の機能である「製品を造る」こと。
正直、この2つを両立させることはほぼ不可能です。
そこで近年になって生まれたのが、サードパーティーロジスティクス(3PL)という概念です。
3PLとは「企業の経営活動にまつわる物流の一切を一括して物流会社が請け負う」かたちのこと。
近年、急速に広まりつつあります。
荷物の配送・在庫管理、プランニングやシステム構築などの業務を一貫して長期間にわたり請け負うのです。
「3PL」活用するメリット
3PLを活用することで、メーカー(荷主側)からすれば倉庫や貨物自動車などの輸送期間に投資する必要もなくなります。
また物流会社側からみても、物流に特化した既存の資産を開放するだけで増益が見込めます。
メリットが大きいと言えますね!
こんな理由から近年では、大抵の物流会社が3PLサービスを収益基盤としているんです!
ちなみに、トラック輸送などの「陸運に特化した物流会社」が「空運業務を含む3PL事業」を受注した場合はどうなると思いますか?
それも一つの答えです!
が、上記のような場合は大抵企業間のアライアンス(提携)が組まれます。
陸運業を得意とする物流会社は航空会社などと提携し、自分に足りない分野を補完します。
以上のように各物流会社はアライアンスを組むことで、互いの弱点を補い合い、顧客に質の良いサービスを提供しているのです。
物流業界の課題
ネットショッピングの需要が広がる現代では、物流業界は大忙し。
深刻な人手不足が課題
物流業界では、「小口配送(=個人宅への配送)の増加」による「ドライバー不足」が大きな課題となっています。
ネットショッピングがどんどん便利になっていく現代。
スマホやタブレットで簡単に注文ができるため小口配送数が増えているものの、対応するドライバーの高齢化や労働時間の長さなどが問題視されているのです。
実際、国土交通省の『物流を取り巻く現状について』という調査でも「トラックドライバー不足を感じる企業」は2011年には不足・やや不足合わせて18%だったのに対して2017年には63%に増加。
その背景には、長時間労働・低賃金という実情も隠れています。
課題解決への取り組み
そこで政府は、トラックドライバーの労働環境をよくすることやCO2削減のため平成28年10月1日に『流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律』を施行しました。
この法案では、
- トラックによる輸送から船や鉄道による輸送に変える『モーダルシフトの加速』
- 複数の輸送業者が提携して一つの倉庫に集めたものを配送する『共同配送』
- 輸送自体も一緒に行う『輸送網の集約』
などが提案されています。
こうした提案を実際に行った企業には国から補助が出たり、税制が優遇されたりなどのメリットがあるため特に中小企業で取り入れ始められています。
ますます増加していくと考えられている小口配送は、ドローンを使い人手不足を解消するなども今後現実になる可能性も。
国土交通省『物流を取り巻く現状について』2018年10月11日
『流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律施行令』
「物流業界」は日々進化している!
原材料から最終消費者までの全ルートを一括して効率的に管理するサプライチェーン・マネジメント(SCM)などの手法も活用されるようになり、物流業界は現在まさに転換期に入っています。
このように日々変貌を遂げている物流業界。
将来的には「モノのリサイクル・再資源化」も管理する「循環型物流システム」にまで発展すると言われているんですよ!
また、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、今後はまた新たな課題やその課題を解決すべく技術革新などが期待できそうですね。
さて、次回は「物流業界の輸送方法の違い」について見ていきたいと思います!
そうなんです!
今回は物流業界について掘り下げてみましたが、他の仕事や業界も少し掘り下げてみると、意外な発見があり、面白いですよ。
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