理系出身者の場合は、面接の際に自分がこれまでやってきた研究内容について説明することが少なくありません。
しかし、自分は必死に研究内容の素晴らしさを伝えようとしているのに、面接官のリアクションはイマイチ、といったことも……。
そこで今回は、
- 面接で求められる研究内容の“わかりやすい”説明
- 研究内容を面接でわかりやすく伝える極意
- 研究内容を整理するステップ
など、どんな企業の面接官にもあなたの研究内容が魅了的に伝わる方法についてご紹介します!
今回は、株式会社UZUZの専務取締役であり、理系出身かつ大手住宅設備メーカーINAX(現:LIXIL)にて商品開発に携わった経験も持つ川畑も一緒にあなたの面接準備をお手伝いします!
これから面接を控えている方は是非チェックしてみてくださいね!
UZUZが徹底サポート!
面接で求められる研究内容の“わかりやすい”説明とは
学会発表では、研究者などの専門的な知識を持っている人たちに対して説明をし、「研究の成果」や「より専門性の高い説明」が求められます。
一方、面接ではどうでしょうか?
説明をする相手は面接官、つまり人事担当者。
求められていることも、研究の成果ではなく「あなたがどんな人間かを伝える」という点ですよね。
一見ごく当たり前のことのようにも思いますが、この違いを意識していない人って実は意外と多いんです。
まずは学会発表と面接の「わかりやすさ」の違いという視点から考えてみましょう!
高校生でも理解できるくらいの“わかりやすさ”が目安
理系出身者の場合、理系分野に関連した企業への就職を目指す人も多いかと思います。
しかし、そのような企業の人事担当者であっても、必ずしも理系出身者であるとは限りませんし、自社の研究内容のコアな部分や専門用語まで理解していない可能性も十分に考えられます。
仮に研究職に就いている社員が選考に関わっていたとしても、彼らが選考後にひとつずつ研究内容をかみ砕いて人事担当者に説明する……ということはほとんどないでしょう。
そのため、いくらあなたが自分の研究内容に魅力や将来性を感じていたとしても、研究者目線での説明では相手には「なんのこっちゃ?」と思われてしまいかねません。
面接における研究内容の説明とは、高校生でも無理なく理解できる内容のものであることをまずは理解しておきましょう。
採用面接官は「研究成果」を見たいわけではない
先ほど、面接官は理系出身者ではない可能性もあることをお伝えましたが、そうすると浮かんでくるのは「じゃあわざわざ説明する必要ってある?」という疑問ではないでしょうか。
言うまでもなく、研究によって良い成果を残すことは素晴らしいことです。
しかし、実は、面接官が知りたいのは「どれだけ良い成果が残せたのか」ということよりも、
- どんな姿勢で研究に取り組んできたのか
- 研究を通して何を学んだのか
- 説明する能力
といったことだったりするのです。
研究そのものの内容というよりも、研究を通して見える「人物像」が求められている、と考えてみると良いかもしれません。
採用面接官は「採用のプロ」であって「研究のプロ」ではない
「高校生に伝わるレベルって言っても、研究内容の説明なんだから専門用語を使うのは当然!」と考える人もいるかもしれませんが、それは大きな間違い。
面接担当者は「研究のプロ」ではなく「採用のプロ」。
「組織として仕事ができる人かどうか」を見ています。
例えば企業内での研究職として働く場合、研究だけをしていればいいというわけではなく、社内外の専門知識を持たない人たちに対しても研究内容の説明をする機会が出てきます。
そういった際に「わかりやすく」「魅力的に」伝えることができるプレゼン能力を持っているかどうかを、面接官は面接を通して判断しているのです。
そんな疑問にお答えすべく、次の項目では「わかりやすく伝える極意」についてご紹介していきたいと思います!
研究内容を面接でわかりやすく伝える極意
これまでは自分が研究する分野の知識がある人に対して「研究内容を伝えること」を目的とした説明を行ってきたかと思います。
しかし、これからは就活にモードを切り替えて「内容よりも伝え方」を意識した説明を心がけてみましょう。
ここからは、「研究内容を面接でわかりやすく伝える極意」として、
- 専門用語は、基本使わない
- 不安になるくらい簡単にまとめる
- 面接官を惹きつける“殺し文句”を用意する
の3つのポイントについて詳しく解説していきます!
専門用語は、基本使わない
理系の場合、研究内容を説明しようとすると、かなりの確率で専門用語が出てくることになるかと思います。
わかりやすい説明の目安として「高校生でも理解できるくらいに」ということを前の項目でお伝えしましたが、専門用語についても基本的には使わないことが理想的です。
例えば、テレビなどでお馴染みの池上彰さん。
社会情勢などの一般的に難しいとされる内容も、わかりやすく解説されていますよね。
なかには「こんなことまで説明しなくてもわかるのに」と感じることもあるかもしれませんが、そう思うか思わないかは人それぞれであり、それは面接でも同じことが言えます。
イメージとしては、池上さんのように、難しいことを知っていても、伝える時はあくまでも易しく。
専門用語を使うことを避け、他に言い換えられる言葉がないかを常に意識してみましょう。
不安になるくらい簡単にまとめる
人事担当者に説明する内容は、あなたが不安になるくらい簡単にまとめましょう。
理系の人というのは、どうしても「より専門的に」「より根拠のある内容を踏まえて」説明したくなるもの。
しかし、専門的な内容も、研究の妥当性を示す根拠も、人事担当者には響きません。
なぜなら、人事担当者は専門用語や根拠の意味を知らないからです。
意味の分からない内容を、意味の分からない言葉でこんこんと説明されても、ピンとこないのは誰だって同じですよね?
人事担当者に「なるほど、この人に来てほしい」と思わせるためには、
- 専門用語を一般的な言葉に置き換える
- その企業や業種に関連のある一般的な物事に置き換える
というステップを踏みながら、とにかく簡単に説明することに注力しましょう。
「アスタキサンチンをアヒルに摂取させることで、肉質や肉色を改善できるかを研究していました」
という説明と、
「食用アヒルの肉色を良くして、おいしそうにみせるための研究をしていました」
という説明では、どちらがわかりやすいでしょうか。
アスタキサンチンは、美容業界などでも使われていますが、あまり一般的な言葉とはいえないため、身の回りの事象に置き換えて話をした方がわかりやすいはずです。
ただし、ひとつ注意しておきたいのは、馬鹿にしたような説明は避けること!
あくまで高校生の理科レベルで例えることが大切です。
面接官を惹きつける“殺し文句”を用意する
他の就活生とは違う研究をしていたとしても、その内容を簡単な言葉でまとめようとすると、どうしても他の就活生の研究内容と似通ってしまうことがあります。
そんな時は、他の就活生との差別化を図るために、説明の中に一つだけ面接官が思わず注目してしまう「殺し文句」を入れてみましょう!
先ほどの「アスタキサンチン」の研究の話であれば「食用アヒルの肉色を良くして、おいしそうにみせるための研究をしていました」の「おいしそうにみせる」が殺し文句にあたります。
また、受ける業界によって「少し高くても買いたくなる」「わざわざ取り寄せたくなる」などに言い換えてみることも大切です。
さらに、美容業界であればそのまま「アスタキサンチン」を使うなど、専門用語が通じる業界であれば、時として専門用語を使う方が良い場合もあります。
大切なことは、説明じみたものにするのではなく、相手に「もっと聞いてみたい」と思わせる言葉や表現を選ぶことです。
ライバルに差をつけるためにも、是非積極的に取り入れてみましょう!
面接で研究内容を説明する前に、研究内容を整理しよう
先ほどから研究内容を説明する場合は「できるだけ簡単に」「わかりやすく」ということをお伝えしていますが、そうはいっても学会発表から面接向けにいきなりやり方を変えるのは簡単ではありませんよね。
そこで、まずは以下のリストに沿って、研究内容についての情報をひとつずつ整理してみましょう。
- 研究テーマは?
- 研究テーマについて説明してください
- この研究に興味・関心を持ったきっかけは?
- 研究のやりがい・面白さ・楽しさは?
- 研究を通して困難なこと・挫折しそうになった出来事は?
- 困難なこと・挫折しそうになったことをどのように乗り越えましたか?
- 研究を通じて身につけた能力・姿勢・考え方は何ですか?
- 研究で得たものを、将来どのように生かしていきますか?
ポイントはそれぞれの回答を「200文字以内」で簡潔にまとめること。
その理由としては、
- 話が長いと面接官の興味が薄れる
- 話が長くなることで要点がわかりづらくなる
- エントリーシートの作成時にも役立つ
といったことが挙げられます。
まず、説明したいことを文章に起こしてから「必要な部分」と「なくても良い部分」に分けていくと、コンパクトにまとめやすいですよ!
まとめ
採用面接官は「研究のプロ」ではなく「採用のプロ」であり、彼らが知りたいのは、あなたの研究の成果そのものではなく
- 研究に対する姿勢
- 研究を経て学んだこと
- プレゼン能力
など、研究を通して見えてくるあなたという人間です。
そのため、研究内容を説明する際には、
- 専門用語は、基本使わない
- 不安になるくらい簡単にまとめる
- 面接官を惹きつける“殺し文句”を用意する
という3つを意識しながら、研究内容ではなく、自分を表現することを心がけてみましょう。
面接は第三者を巻き込んで練習しないと「どこまで噛み砕けば相手に伝わるのかわからない」ですよね!
とはいえ、
- 自分の周りには理系の人しかいない
- 文系の友達はいるけど、相談し辛い
など、練習相手を探そうにもなかなか見つからない人も多いのではないでしょうか。
そんな時におすすめなのが、UZUZのような就職エージェントを利用する方法。
UZUZには今回お手伝いをさせていただいた川畑をはじめ、理系出身カウンセラーが在籍しているため、当時の経験から得た知識・対策をお伝えすることができます!
カウンセラーの指名も可能なので、もし“川畑”を希望する場合は、登録時にそのようにお伝えくださいね。
ちなみに、全てのサービスは無料でご利用いただけ、登録後に必ず企業面接をしたり、UZUZ経由で入社しなければいけない……といったこともありません!
ものは試し、是非この機会にUZUZを利用してみてくださいね!
UZUZが徹底サポート!