就職活動で大手企業の子会社を検討しているとき、「大手子会社はやめとけ」という言葉を耳にするかもしれません。
そのような言葉を聞くと不安になったり、「大手子会社への入社はデメリットばかりなのでは……」と考えてしまったりするかもしれません。
この記事では、人材支援会社UZUZの代表、岡本啓毅氏による解説動画を元に「大手子会社はやめとけ」といわれる真偽や、向いている人などについて詳しく解説していきます。
大手子会社への就職や転職を考えている人は、きっと疑問や不安を晴らすきっかけになるはずなので、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。
▼この記事の元になった動画はこちら
この記事の監修者

岡本啓毅
株式会社UZUZ 代表取締役
1986年生まれ、北海道出身。第二の就活を運営する「株式会社UZUZ」を立ち上げ、数多くの就職サポートを実施してきた。“自らと若者がウズウズ働ける世の中をつくる。”をミッションに、Twitterで「仕事をウズウズ楽しむ情報」を、YouTubeで「就職・転職で使える面接ノウハウ」を発信。SNSの累計フォロワー数は9万人を超える。
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「大手子会社はやめとけ」といわれる理由|デメリットを解説
まずは「大手子会社はやめとけ」といわれる具体的な理由を見ていきましょう。
よくいわれるデメリットには、主に以下の4つの内容があります。
- 親会社から幹部が降りてくるためキャリアアップに限界がある
- 親会社と比較して給与水準が低い
- モチベーションの低い社員が多い
- 出向や転勤のリスクがある
なぜ「大手子会社はやめとけ」といわれる理由として上記が挙げられるのか。
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
親会社から幹部が降りてくるためキャリアアップに限界がある

大手子会社では、親会社から幹部候補が転籍してくるケースがよくあります(子会社の要職に就くことは、よくある)。
そのため子会社の社員は、どれだけ成果を出したとしても「経営に携われない」「幹部になれない」と、上のポジションに就くのが難しくなってしまう可能性があるためデメリットに挙げられるのです。
出世の道が閉ざされている点や、キャリアアップに限界がある点はデメリットといわれてもおかしくありません。
親会社と比較して給与水準が低い

一般的に、大手子会社の給与テーブルは親会社と比較すると低い傾向にあります。
親会社がグループ全体の収益を管理し、子会社は特定の事業部門を担うことが多いため、給与や賞与の面で差が生まれることが多いのです。
同じグループ会社で働いていても、親会社の社員と比べて給与が低いという事実はデメリットとしてよく挙げられます。
モチベーションの低い社員が多い

大手子会社では、親会社の意向で事業方針や業務内容が決められることがよくあります。
そのため「どうせ自分たちには最終決定権がない」と考える社員が多く、全体的に仕事へのモチベーションが低い人が集まりやすいといわれることもあります。
また親会社から出向してきた社員は子会社での仕事に積極的でないケースも見られ、職場全体にやる気のない雰囲気が漂ってしまうのはデメリットになり得るでしょう。
出向や転勤のリスクがある

大手子会社に入社すると、将来的にグループ内での出向や転籍を命じられることがあります。
親会社を含めたグループ全体の人事戦略として様々な経験を積ませるという目的で、異動を命じられることがあるためです。
特定の場所で腰を据えて働きたいと考える人にとっては、出向や転勤の可能性がある点はデメリットになるでしょう。
「大手子会社はやめとけ」といわれる理由は本当か?
ここまで、以下4つの「大手子会社はやめとけ」といわれる理由について解説してきました。
- 親会社から幹部が降りてくるためキャリアアップに限界がある
- 親会社と比較して給与水準が低い
- モチベーションの低い社員が多い
- 出向や転勤のリスクがある
とはいえ、上記の大手子会社のデメリットはすべてが事実というわけではありません。
企業によって方針は異なるうえ、個人の考え方や価値観も様々であるため、あくまでも一例として頭の隅においておくことが大切です。
そもそも人によっては、「転勤や出向はデメリットに感じない!」のように、プラスに捉えられる要素である可能性もあります。
なので、ここからは「大手子会社はやめとけ」といわれる理由は本当なのかどうか、考えていきましょう。
キャリアアップの限界はすぐには来ない

働いているすべての人が、幹部を目指しているわけではありません。
役職に就かずにずっと第一線の現場で働きたい人、経営幹部を支える側のポジションで働きたい人、仕事よりもプライベートに重きをおいて働きたい人など、考え方や価値観は様々です。
そのため、自分が会社に何を求めているのか、何を得たいのかといった目標やメリット・デメリットを比較して考えることが大切です。
そもそも、キャリアの天井を感じるのは40代や50代になってからが多いです。
その段階で、例えば「子会社では部長までが限界か」といったキャリアの天井を感じやすくなるのです。
キャリアの天井を感じる前に転職する可能性もありますし、、自分自身が幹部を目指すわけではない限り、この観点はあまりデメリットにならないといえるでしょう。
給与水準はほかの会社より高いことも多い

子会社社員の給与が、親会社より給与も低い傾向にあるのは事実です。
ですが、世間一般から見ると、大手子会社は決して低い給与水準ではありません。
求人情報サイトdodaの調査によると、年代ごとの平均年収は以下の通りとなっています。
| 年代区分 | 平均年収 |
|---|---|
| 全年代 | 426万円 |
| 20代 | 360万円 |
| 30代 | 451万円 |
| 40代 | 519万円 |
| 50代以上 | 607万円 |
全年代の平均年収は426万円で、特に20代のみが全年代の平均年収よりも低い360万円でした。
いま自分が働いている子会社、または転職したいと思っている子会社の給与水準が気になるときには、上記のような日本の平均年収と比較してみましょう。
そうすれば、大手子会社であっても給与が高い実態が見えてくるかもしれません。
ただし重要なのは、親会社や年代別の平均年収と比較してどうかではなく「自分が求める給与水準と合っているかどうか」です。
自分の生活設計に合わせて、納得できるかどうかを判断してデメリットになるかどうかを考えることが大切です。
一般的な新卒の給与水準がどの程度か知りたい方は、以下の記事も確認してみてください。
参考:doda「平均年収ランキング(年代別・年齢別の年収情報) 【最新版】」
自分のモチベーションを高く保てば成果を出しやすい

大手子会社では、働くモチベーションが低い人がいるのは事実でしょう。
大手子会社に限らず、どんな企業であっても組織に一定そういった人が在籍してしまっているのは、よくあることです。
しかし、そのような環境に身を置きながらも、自分のモチベーションを高く保ち、意欲的に仕事に取り組むことができれば、頭一つ抜き出た成果を出せるチャンスになります。
果敢に仕事に取り組んで周囲との差が明確になれば、大型のプロジェクトを任せてもらえたり、早期に昇給・昇格できる可能性もあるでしょう。
また大手子会社で経験を積んで、キャリアの限界が見える前により良い環境の企業に転職することも可能です。
モチベーションが低い人が多いという点は見方を変えればメリットにも変えられるでしょう。
監修者コメント
モチベーションが低い社員に引っ張られないようにしよう
入社したときは高いモチベーションをもっていたとしても、周りのモチベーションが低い雰囲気に引っ張られてしまう可能性があります。
周囲のモチベーションが低い環境では、自分のやる気も次第に失われてしまうかもしれないのです。
常に高いモチベーションを保つためには、まずは周囲の環境に流されない強い意志を持ちましょう。
そして、「自分はこんなキャリアを築くんだ!」「こんな目的を達成するんだ!」といったキャリアに対する目的を掲げて、なんのために働くのかという明確な軸をもつことが大切です。
以下の記事では、仕事のモチベーションを高く保つ方法をより詳しく解説しているので、合わせて読んで参考にしてみてください。

岡本啓毅
出向・転籍のリスクはむしろ親会社のほうが高い

会社のグループ内で出向したり転籍したりするのは、実は大手子会社よりも「親会社」のほうがよくあります。
「幹部は親会社から降りてくるのでキャリアアップに限界がある」という話をしましたが、それはつまり、親会社の幹部クラスでも転籍を命じられることを示しています。
大手子会社だから出向・転籍のリスクがあるというわけではなく、大手企業グループ全体として一定のリスクがあるのです。
決して、「大手子会社だから」というわけではないので、デメリットと呼ぶには弱いかもしれません。
そもそも大手企業では、転勤のない地域を限定した採用を行っているケースもあるため、就職・転職する前に転職や出向の有無を確認しておくことが大切です。
大手子会社を選ぶメリットとは
ここまで大手子会社のデメリットとされる点やその真偽について詳しく紹介してきました。
マイナス面を紹介してきましたが、もちろん「大手子会社を選ぶメリット」も存在します!
なかでも大手子会社を選ぶことで得られる大きなメリットは以下2点。
- 福利厚生が親会社の水準であることが多い
- 経営基盤が安定している
これらのメリットは、とくに安定した環境でキャリアを築きたいと考える人にとって、魅力的な要素となります。
大手子会社を選ぶメリットについても確認していきましょう。
福利厚生が親会社の水準であることが多い

経験を積ませるなどの目的で、幹部に限らず親会社から子会社へ転籍する社員も多くいます。
グループ内で福利厚生が異なると人事異動の際に障壁となることもあるため、大手子会社でも親会社と同水準の福利厚生を受けられることが多いのです。
住宅手当や家族手当、育児・介護休業制度など、充実した福利厚生は安定した生活を支える上で大きなメリットとなります。
経営基盤が安定している

大手子会社は親会社の事業の一部を担うことがあります。
そのため、親会社がある限り仕事がなくなるリスクが少なく、経営が安定しているという点がメリットとして挙げられます。
親会社のブランド力や資本力のもとで事業を展開できるため、中小企業やベンチャー企業と比較して倒産のリスクや事業撤退の可能性が低いと言えるのです。
監修者コメント
メリットとデメリットを理解したうえで入るなら大手子会社もおすすめ
例えば、将来起業したいと考えている人がいたとして、「意思決定の経験を積みたい」と思う場合、親会社の意向で物事がすべて決まるような子会社は向いていないかもしれません。
一方で「大手グループのなかで人脈を築きたい」「大手の事業モデルを学びたい」などの目的なら、大手子会社は合っているといえるでしょう。
また、ホールディングスの子会社などの場合、意思決定権は子会社がもっていることもあり、その場合であれば前述の理由でも向いています。
メリットもデメリットも理解した上で、自分の目的や目標に合うかどうかで判断するようにしましょう。

岡本啓毅
まとめ
「大手子会社はやめとけ」という言葉を聞くことがたまにあるかもしれません。
ですが、その根拠となる「やめとけ」といわれる大手子会社のデメリットは必ずしも自分にとって不利になるとは限りません。
他者の声だけに惑わされず、自分にとって「良い環境かどうか」こそが大切です。
当記事で解説した内容を参考に、大手子会社への就職・転職活動を検討してみてください。
もし、「自分が大手子会社に向いているか分からない」「まだ不安や疑問がある……!」という場合は、様々な就活ノウハウを教えてくれる就職・転職エージェントに相談するのもおすすめです。
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