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【イベントレポート】東洋経済副編集長に聞いてみた。思わず連絡を取りたくなる広報担当者とは

2020/07/20(Mon) EVENT
【イベントレポート】東洋経済副編集長に聞いてみた。思わず連絡を取りたくなる広報担当者とは

株式会社UZUZでは、中小企業やスタートアップの広報担当者が集まり、お互いにつながり、協力し合うコミュニティづくりを目的とした広報勉強会を定期開催しています。

第4弾となる今回のテーマは「実は最も重要な広報ターゲット”Webメディア”」。ビジネスマン必読メディアのひとつである東洋経済副編集長の宇都宮さんをお招きし、広報担当者の知りたかった「Webメディアの裏側」についてお話いただきました(聞き手はUZUZ専務取締役 川畑翔太郎)。



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■講師プロフィール

宇都宮 徹氏(写真上段、左から3番目)
東洋経済 記者 週刊東洋経済副編集長兼就職四季報プラスワン編集長
1974年生まれ。機械業界を担当。『会社四季報未上場版』編集部、決算短信担当、『週刊東洋経済』編集部(連載、エンタメ、就職、大学などの編集担当)、『会社四季報プロ500』副編集長を経て、2019年4月から現職。

Web記事が自社の資産になっていると気づいた

川畑:まず今回のテーマを設定した理由をお話しします。UZUZのこれまでの新聞やテレビ露出を振り返ると、多くは「Web記事を読みました」という問合せからだったんです。ですので、「過去のWeb記事が確実にUZUZの資産になっている」と考え、であれば「最も重要な広報ターゲットはWebメディアなのでは?」と思うようになりました。

実は私は2017年10月から東洋経済オンラインで寄稿記事を執筆していまして、その担当編集者が宇都宮さんだったんです。これはちょうど良いと思い、今回のご登壇をお願いしました。

(出典:東洋経済オンライン)
川畑:改めて東洋経済オンラインについて教えていただけますか?

宇都宮:当社は「週刊東洋経済」という日本最古(1895年創刊)の雑誌を発行する出版社です。2003年に開設されたニュースサイトが「東洋経済オンライン」で、経済活動の中で起こっているビジネスやお金、生活などをテーマに取り上げています。

川畑:東洋経済オンラインの月間PV数はどのくらいでしょうか?

宇都宮:月間PV数は3億ほどで、2020年5月には過去最高のPV数になりました。外部配信先の閲覧数を加えると月間5億近い総PV数になりますね。

川畑:すごいですね!オンラインで成功した理由にはどんなことが?

宇都宮:オンラインは雑誌とはまったく別の作りにしました。出版社が運営するWebメディアは有料会員でないと読めないことが多いのですが、東洋経済オンラインは誰でも無料で読めることにこだわりました。

そしてWebメディアでは、速報よりも様々なテーマを深掘りした記事の方が支持されるので、解説記事や分析記事へと舵を切ったのが成功した理由だと思っています。

「賛否両論分かれた方が良い!?」寄稿記事の極意とは

川畑:東洋経済オンラインは寄稿記事が多い印象ですが、いま寄稿者は何名くらいいるのでしょうか?

宇都宮:幅広い分野の専門家500人ほどに寄稿記事を書いていただいています。

川畑:寄稿者の選定基準はあるのでしょうか?

宇都宮:それがですね、明確な選定基準はなくて、「この人に書いてもらいたい」と編集担当が思うかどうかです(笑)。最初から寄稿をお願いすることはほぼないので、一度は取材をしたことのある人に寄稿を依頼しています。

川畑:では、よく読まれる寄稿記事のポイントを教えてください。

宇都宮:よく読まれる記事は主張がはっきりしています。あれもこれも詰め込まず、1記事で伝えたいメッセージは1個に絞っていますね。結論が散漫で、何が言いたいのか分からない記事は読まれません。

そして、「自分たちの得意なこと」からブレないことが大切です。賛否両論分かれるとを恐れず、その分野の専門家だからこそ知っている業界の裏側や大切なポイントを書いてほしいですね。

取材後の原稿チェックはNo!広報担当者が気をつけるべきポイントとは

川畑:宇都宮さんはどんな企業やサービスに注目していますか?

宇都宮:私が担当するテーマは雇用や採用がメインになるのですが、今までにないユニークなサービスを打ち出している企業に注目しています。
目新しいもの、時代を変える可能性があるものは取材対象になりやすいですね。

川畑:では、毎回定番の質問になりますが、プレスリリースは見ていますか?

宇都宮:会社宛の問合せメールやFAXはまず見ないですが、自分宛にメールできたプレスリリースは見ています。その時はタイミングが合わず取材に至らなくても、別のタイミングで「そういえば〇×に関する情報提供があったな」と思い出し、メールBOXを検索してプレスリリースから取材を申し込むこともありますよ。

川畑:プレスリリースを送るのは無駄かもと思わず、めげずにリリースを送り続けるも大切ですね。では、取材に関してなのですが、原稿チェックはできるのでしょうか?

宇都宮:基本的に原稿チェックはできません。我々が取材を申し込む際は、必ず取材テーマと企画概要を説明する企画書を提出しており、その内容にご同意いただいたものとして取材しています。ですので、仕上がった原稿は基本的には企画書に沿ったものになっていますので、原稿チェックはお断りしているのです。

とは言え、書面だけだとうまく伝わらない部分もあると思うので、その場合は遠慮なくご質問ください。どんなニュアンスかを口頭で確認し合えた方がお互い安心なので、電話も歓迎ですよ。

川畑:確かにそうですね。では、「この発言はマズイぞ」と感じたら、どのタイミングで言えば良いでしょうか?

宇都宮:取材中は話の流れや話者のリズムもあるので、そのまま話を続けるケースもありますが、不安を感じたらすぐに教えて欲しいです。

また、取材後の雑談で「どんな切り口で考えていますか?」と聞く方もいらっしゃいますよ。「いいお話が聞けたので、○×風な論調で掲載しようと思います」という風にお伝えすると、インタビューの中で使われる場所のおおよその目安ができるので、こうしたやりとりでリスクヘッジされる方もいらっしゃいます。

川畑:そうなると広報担当者のコミュニケーションスキルも大事になってきますね。宇都宮さんにとって、思わず連絡したくなる広報担当者はどんな人ですか?

宇都宮:自社の話だけではなく、自社を取り巻く業界の最新の状況などをざっくばらんに話せる人です。そういう人と良い関係性を築けるとお互いにメリットがあるので、相手がそういった方なのかどうかは重要視していますね。

川畑:まず自分自身に興味を持ってもらえるよう、日々の情報収集・自社の業界調査などに磨きをかけないといけないですね。

『東洋経済副編集長と考える UZUZ広報勉強会』を終えて

歴史ある雑誌を持つ東洋経済が、雑誌の成功の秘訣を捨て、独自のスタイルでWebメディアを確立したエピソードが印象的でした。その一方で、読まれる記事に必要なものは雑誌・Webを問わず、強い主張・メッセージが大事なんだなという学びがありました。

広報担当者であれば、絶対に掲載を狙いたい反響の大きいメディアを運営されている方と繋がるには、まず自分自身が興味を持ってもらえるよう、日々の情報収集・自社の業界調査などに磨きをかけないといけないですね。

この広報勉強会は皆さんの交流を深め、お互いに助け合う関係づくりを目的とした参加者限定のFacebookグループを用意しています。今後は他社広報担当者さんとのコラボ企画も計画していますので、ぜひお気軽にご参加ください。

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