もくじ


じゃあ、高卒で公務員だと生活は厳しいかな?
では、本記事で高卒公務員が抱える生活面での不安や課題についてと、その対策について解説します。
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高卒公務員の給与は本当に少ないのか?

まず、高卒公務員の給与について解説しましょう。
高卒の公務員の初任給
人事院の令和5年国家公務員給与等実態調査によると、高卒の国家公務員の初任給は157,907円です。(行政職俸給表(一))
また、総務省令和4年地方公務員給与の実態によると地方公務員の初任給は都道府県一般行政職(試験)が149,603円です。
ただし、地域手当の影響で、都道府県によって平均年収は変わります。
さらに指定都市の全国平均は147,187円、市の一般行政職全国平均は148,592円、町・村の一般行政職全国平均は147,011円となっています。
公務員の種類 | 高卒者の初任給額 |
---|---|
国家公務員 | 157,907円 |
都道府県一般行政職(試験) | 149,603円 |
指定都市の一般行政職(試験) | 147,187円 |
市の一般行政職(試験) | 148,592円 |
町・村の一般行政職 | 147,011円 |
大卒公務員との比較
人事院の令和5年国家公務員給与等実態調査によると、大学卒の国家公務員の初任給は191,663円となっており、高卒者と約3万4,000円の差があります。(行政職俸給表(一))
また総務省令和4年地方公務員給与の実態によると地方公務員は都道府県一般行政職(試験)が183,554円でこちらも約3万4,000円の差です。
さらに指定都市の全国平均は179,720円、市の一般行政職全国平均は180,637円、町・村の一般行政職全国平均は178,312円となっています。
いずれも約3万1,000円~3万5,000円大卒者の方が月収が高くなっているのが現状です。

参考資料:人事院の令和5年国家公務員給与等実態調査
※行政職俸給表(一)の給与決定上の学歴別(高校卒・大学卒)、経験年数階層別、級別平均俸給額
参考資料:総務省令和4年地方公務員給与の実態
民間企業(高卒)との比較
厚生労働省の令和5年賃金構造基本統計調査によると全産業の高卒者の初任給の平均は191,500円です。
高卒で公務員になった時の初任給と比較すると約3万3,000円~4万4,000の差があります。
この現状から、高卒で公務員になった時の月給は決して高いとはいえないでしょう。
しかし令和5年分民間給与実態統計調査によると給与所得者の平均年収が460万円であるのに対し、国家公務員の平均年収は約681万円、地方公務員で667万円です。
このことから高卒で公務員になる場合、長期的に働くことで民間企業よりも高水準の給与となるといえます。
参考資料:厚生労働省令和5年賃金構造基本統計調査
参考資料:国税庁令和5年分民間給与実態統計調査
参考資料:人事院国家公務員給与等実態調査結果
高卒で公務員だと「生活できない」と感じる3つの理由

そのため、その人の状況によっては、生活できないと感じてしまうのです。

ここでは、3つの理由について解説しましょう。
1.昇給ペースが遅い
公務員の給与は年功序列が基本です。
高卒で公務員になる場合、大卒者と比べて昇給のペースが遅いと言われる背景には、公務員の給与体系や昇進制度が関係しています。
公務員の給与は「給与表」と呼ばれる基準に基づいて決まるのが基本です。
この給与表は、学歴ごとに初任給が異なる設定がされていることが多く、高卒者、大卒者、院卒者などでスタート地点が変わります。
同じ職種に就いても、大卒者が高い等級からスタートする場合があり、その差が昇給のペースや額にも影響するのです。
また、公務員の昇進には、職務経験や試験の合格が求められる場合があります。
しかし、大卒者がより上級職(技術職、行政職上級など)で採用されることが多いのに対し、高卒者は初級職(技能職、行政職初級など)から始まるケースが一般的です。
その結果、昇進のタイミングや到達できるポジションが異なり、長期的な給与の伸びに差が生じます。
さらに、給与表に基づく昇給は、基本的に「定期昇給(毎年のベースアップ)」が行われますが、等級や職務内容に応じて昇給額が変わります。
大卒者が早い段階で上位等級に達する一方、高卒者は上位等級に達するまでに時間がかかるため、同じ年数を勤めても給与に差が出ることがあるのです。
2.生活費とのギャップ
高卒で公務員になった場合の初任給は約14~15万円ですが、実際の手取りはもっと少なくなります。
公務員の職場である官公庁や都道府県庁、市役所などは都市部に存在するため、職場に近い場所に住むとなると、家賃や生活費が高く、初任給だけでは賄いきれないこともあります。
特に一人暮らしをする場合、経済的な余裕がほとんどないと感じるでしょう。
同じ年齢で民間企業に就職した大卒者や、手取りが高い職種で働く友人と比べると、収入面での差を実感しやすいため「生活できない」と感じる場合があるのです。
3.副業が制限される
副業が制限されていることも、高卒で公務員は生活が厳しいと感じる理由の一つです。
公務員には法律で副業禁止が定められており、原則として本業以外で収入を得ることができません。
なぜなら、本職に専念しなければならない職務専念の義務があるからです。
国民のために奉仕する立場にあるため、特定の業種に利益を与えていると見られる行為は望ましくないのです。
これにより、給与が低いと感じても他の収入源を確保する手段が限られてしまい、生活費や将来の貯蓄に不安を感じる場合があります。
「生活できない」とは言い切れない!高卒公務員のメリット4選


高卒で公務員になることは、経済的な負担を軽減しつつ、雇用が安定した職場に就けるということです。
高卒で公務員になる方法やそのポイント、メリットとデメリットについて解説したこちらの記事も参考に読んでみてください。
1.雇用の安定性と失業リスクの低さ
公務員は国や地方自治体が雇用主であるため、経済状況に左右されにくく、給与の遅延や解雇のリスクがほぼありません。
特に高卒で公務員になる場合、若いうちから安定した収入を得られるため、経済的な安心感が得られます。
給与は年功序列に基づいて昇給し、定期的なボーナスも支給されることがほとんどです。
2.福利厚生や年金制度の充実
公務員には手厚い福利厚生が用意されています。
例えば、健康保険や年金制度、住宅手当、育児休業制度などが充実しており、安心して生活を送ることができます。
また、退職後も公務員年金があるため、老後の生活設計がしやすいのも魅力です。
そのため不安を持つことなく長期間働くことが可能となります。
3.社会的信用がある
公務員は、その社会的立場が国や自治体によって補償されているため、一般的に高い社会的信用を得ることができます。
具体的には、以下のようなことが挙げられます。
- 経済的な信用:安定した収入と雇用があるため、住宅ローンやクレジットカードの審査などで有利になる場合がある。
- 職業的な信頼:公務員は公共の利益のために働く職業であり、誠実で信頼できる職種とみなされることが多い。
- 社会的な評価:公務員として働いていること自体が、周囲から「しっかりした職業に就いている」という評価を得やすい。
このように世間に評価さやすい職業に高卒から就くことができるということは、メリットの一つといえるでしょう。
4.大学等への進学費用がかからない
大学に進学する場合、授業料や入学金、教科書代など多くの費用がかかります。
一方、高卒で公務員になるとこれらの費用が不要になるため、家計にとって大きな負担軽減になります。
高卒後すぐに働き始めることで、大学進学に費やす時間を節約し、早期に安定した収入を得られるため、貯蓄やスキルアップに充てる余裕が生まれるでしょう。
高卒公務員でも生活を豊かにするための2つのコツ

そのため、昇給してある程度の収入になるまで、生活を安定させる方法を考えましょう。

1.家計管理や節約術の実践
まずは毎月の収入と支出を正確に把握することが、家計管理の第一歩です。
家計簿アプリやノートを使って、固定費(家賃や光熱費)と変動費(食費や娯楽費)を整理し、無駄な出費を見つけましょう。
家賃や保険料、通信費などの固定費を定期的に見直すことで、長期的に大きな節約効果が得られます。
例えば格安SIMへの変更や適切な保険の選択、家賃の安い物件への引っ越しなどが効果的です。
節約や家計管理は「我慢」ではなく「自分にとって本当に必要なものにお金を使う」という意識を持つことが重要です。
生活に優先順位をつけることで、少ない収入でも満足感や豊かさを感じられる生活が可能になります。
2.公務員特有の制度を活用する
高卒公務員が生活を豊かにするためには、公務員特有の制度を積極的に活用することが大きな助けになります。
賃貸住宅の家賃補助として支給される住宅手当などを活用することもできます。
また、公務員共済組合では、低金利で利用できる貸付制度が提供されています。
そのため活用することで急な出費や生活の安定化、マイホーム購入の際に活用でき、大きな支援となるでしょう。
監修者コメント
民間企業への転職も視野に入れよう
「高卒で公務員になったけど、どうしても生活ができない」と感じている人は、民間企業への転職を検討することも一つの方法です。
公務員の業務は事務処理が多いため、転職でアピールできるスキルがなく、転職が難しいという場合は興味がある業界で活かせる資格を取得しておくことがおすすめです。
そうすることで、スキルや知識をアピールするだけでなく、転職先の業務に対する関心度や熱意もアピールでき、採用につながりやすいでしょう。
また、将来独立したいと考えている人も民間企業での経験を積み、スキルを身に付けることは大きな助けになります。
公務員から転職して民間企業に就職する際に押さえておきたいポイントについては以下の記事を参考にしてください。
まとめ
難関を突破して高卒で公務員になったにも関わらず、初任給は決して高くないため、生活できないと感じてしまうこともあるかもしれません。
しかし、雇用や昇給の安定性、福利厚生の充実など様々なメリットもあるため、すぐに転職に踏み切るのではなく、長期的視点でキャリアプランニングすることが大切です。
勤続年数が増え、ある程度の収入になるまでは生活が苦しいと感じるかもしれませんが、その場合は、この記事で紹介したコツを実践してください。
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