でも、どうして高卒の方が高いのかな?
高卒で就職を希望しているけど、続けられるか不安という人もいるのではないでしょうか。
本記事では高卒の離職率の現状や離職の理由について解説します。
高卒で離職を防ぐためにできる取り組みについても解説しますので、高卒で就職を希望している人や悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。
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高卒の離職率の現状
では、高卒の離職率についてより詳しく解説していきます。
高卒の3年以内の離職率は37%
厚生労働省の「新規高卒就職者の離職状況」調査によると、高校を卒業した人の3年以内の離職率は37.0%。
約3人に1人が3年以内に離職しているのが現状です。
離職率を年次別で見てみると、1年目が15.1%、2年目が11.7%、3年目が10.2%と、とくに1年目で離職する人が多いようです。
過去10年の高校卒の3年以内の離職率を振り返ると、大体40%前後で推移していることが分かります。
参考:厚生労働省「新規高卒就職者の離職状況」
他学歴の離職率との比較
厚生労働省の「新規学卒就職者の離職率」の調査によると3年以内の離職者は、学歴別に以下の通り。
中卒は、どの学歴と比較しても大幅に離職率が高いといえます。
一方で、高卒は意外にも短大卒より離職率が低い結果になっている点は興味深いでしょう。
高卒の離職率は一定高めであるとはいえ、中卒・短大卒と比較すると離職率の高さは高卒特有の悩みではないことが伺えますね。
参考:厚生労働省「新規高卒就職者の離職状況」
高卒の産業別の離職率
高卒において産業別にみた離職率(3年以内)のうち、離職率の高い産業は以下の通り。
- 1位:宿泊業・飲食サービス業(62.6%)
- 2位:生活関連サービス業・娯楽業(57.0%)
- 3位:小売業(48.3%)
- 4位:教育・学習支援業(48.1%)
- 5位:医療・福祉(46.4%)
離職率上位となっている産業は、サービス業が多くシフト制などで休みや勤務時間が不規則であることから、生活のリズムが上手く取れないことが原因の一つと考えられます。
また、サービス業は立ち仕事も多く、体力的に負担の大きい仕事であることも離職の理由と考えられるでしょう。
参考:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)を公表します」
高卒の事業規模別の離職率
高卒の離職率を事業規模別に見てみると、5人未満の事業所は60.7%、5~29人の事業所は51.3%、30~99人の事業所は43.6%となっています。
規模が小さい事業所ほど、3年以内の離職率が高くなっている傾向にあるようです。
規模の小さい事業の離職率が高い原因は、教育支援制度が十分でなかったり、人間関係が難しかったりすることなどが考えられるでしょう。
参考:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)を公表します」
高卒者が離職する3つの主な理由
高卒者が離職する3つの主な理由は以下の通り。
- 入社後のミスマッチ
- 人間関係が合わない
- 労働条件が合わない
事前に離職してしまうよくある原因を知っておくことで、対策をすることができるようになるので参考にしてみてくださいね。
1.入社後のミスマッチ
多くの高卒者は、就職活動時に自分に合った仕事や職場の雰囲気を理解する経験が少ないため、実際に働き始めてから「自分に合わない」と感じることが多いです。
特に、期待して会社に就職したものの、働き始めてみると実際の仕事内容や環境が大きく異なる場合は、早期離職の原因になります。
アルバイトの経験なども少なく、社会経験もほとんどない状態での就職は、精神的にも負担が大きく、仕事になかなかうまく馴染めないと離職の可能性が高くなってしまうのです。
2.人間関係が合わない
職場での人間関係の問題も早期離職の大きな要因です。
職場の上司や同僚とのコミュニケーションがうまくいかない、孤立してしまうといったことがあると、職場に居続けることが難しく感じることがあります。
小規模な職場では特に人間関係の影響が大きく、チーム内の摩擦が起こると、離職理由に直結することがあります。
3.労働条件が合わない
労働時間や休日・休暇の条件を踏まえて入社したとしても、実際に働いてみると体力的な負担が大きく、続けるのが難しくなる場合もあるでしょう。
初めての仕事で過重な労働や長時間勤務に直面すると、ストレスを感じやすくなります。
労働時間が長く、休暇も取りづらい状況であるうえ、賃金が思っていたより少ないと感じると、やる気を失ってしまうものです。
高卒でも勝ち組になるための方法について以下の記事で解説していますので、参考にしてくださいね。
高卒の離職率が高くなってしまう3つの原因
どうして離職率に違いがあるんだろう。なにか原因があるのかな?
ここからは、高卒の離職率が高くなってしまう3つの原因を知って事前に対策できるよう備えていきましょう!
1.高卒採用に関する独自ルールがある
高卒の採用には大学卒者と異なり、「学校斡旋」「一人一社制」「直接連絡の禁止」といった独自のルールがあります。
高卒者の就職活動では、学校が企業との連携を強く持ち、就職先を紹介する「学校斡旋」の制度が一般的です。
これにより、個人の意思よりも学校の推薦や企業側の受け入れ体制に依存した就職活動になりがちで、自分に合った職業選択が難しくなることがあります。
また、一人の高校生が応募できるのは1社のみとする「一人一社制」もあるため、多数の企業や業界を比較検討して、自分に合った仕事をじっくり探すことが難しい状況です。
そのうえ、内定が決まると学校によっては「原則、内定辞退をすることはできません」と規定している場合もあります。
そのため、自分のやりたいことと本当に合致しているかを深く考え、応募企業を理解するといったプロセスが不十分になってしまい、入社後のミスマッチが起こるのです。
2.選考スケジュールがタイトすぎる
高校生の就職活動は、7月に求人票解禁、8月に応募前職場見学、9月選考スタートと非常にタイトなスケジュールで行われます。
そのため、じっくりと業界や企業について研究したり、自分に合った仕事内容について考えたり、将来のキャリアについて十分に考える時間が限られています。
また、職業に関する情報も十分に得られていない状態で進路を決めなくてはならず、結果として入社後に仕事内容や労働条件に対する不満が起こりやすくなってしまうのです。
3.業種の選択肢が少ない
高卒者向けの求人は、大学卒業者に比べて求人数や業種が限られており、選択肢が少ないことも問題です。
そのうえ、高校の就職活動のルールもあり、いくつもの業種や企業に同時に応募して比較しながら、自分に合った企業を見極めることが難しくなっています。
自分の希望に完全に合致する職業を選ぶことができず、妥協して就職するケースが多くなってしまうでしょう。
すると、後に職場や業務への不満やモチベーションの低下に繋がり、早期離職の原因となります。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
高卒は超早期離職も多い
リクルートワークス研究所の調査によると、高卒者の3年以内の早期離職者のうち、30.1%は入社後半年以内に離職している早期離職者であることが分かっています。
これは短大卒の24.0%、大卒の24.3%と比較すると高い割合です。
6か月以内の離職は、まだ仕事に慣れていない状態で辞めてしまうことになります。
高校での就職は、業界・企業研究不足によるミスマッチの影響が大きく、入社後すぐの退職につながる傾向が多いと考えられますね。
高卒での就職活動は「まだまだ将来のことなんてわからないよ」と悩む機会も多いと思いますが、それでも“自分の未来のこと”ですからしっかり向き合っていきましょう!
参考:リクルートワークス研究所「データから見る高校卒就職者の課題と展望」
高卒者が離職をしないためにできること
じゃあさ、ミスマッチを減らすためにはどうしたらいいの?
就職する前に、自分に合った仕事を見つけるための方法を解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
1.自己分析を徹底する
まずは自己分析を徹底し、自分の性格を知るだけでなく、自分に合う業界や職種を判断することも大切です。
自分の興味・関心や得意なこと、将来のキャリアビジョンを明確にしてみましょう。
自己分析を通じて、自分がどのような職業に向いているのかを理解することで、より自分に合った職業選択ができます。
また、長く続けられる仕事や業界を見つけるためには、自分の価値観やライフスタイルに合った職業かどうかを考えることも重要です。
2.業界・企業研究を徹底する
自分に合う業界が分かったら、興味を持った職業や業界について、しっかりと情報収集を行い、仕事内容や働く環境を具体的に理解することが重要です。
インターネットや企業のパンフレットなどを隅々まで見て、業界の現状や将来性、求められるスキルや経験・資格などを調べましょう。
また、同じ職業に就いている人の経験談(口コミもOK)を聞くことも大切です。
さらに、労働環境や制度も事前にしっかり確認しておきましょう。
例えば労働時間・休日制度・福利厚生・キャリアアップの機会などを把握し、自分が働き続けやすい環境かどうかを把握することが大切です。
3.説明会や職場見学に参加する
採用選考の前に一度は応募先の企業に勤める人から直接話しを聞く機会があると、仕事内容や職場環境について理解を深めることができます。
そのために、インターンシップや職場見学を積極的に活用しましょう。
高卒者向けのインターンシップが増えてきているため、実際の仕事や職場環境を体験し、短期間でも実際の業務を経験することで、入社後のギャップを減らすことができます。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
自分が納得できる仕事を探すことが大切
高校の就職では、何を軸にして就職先を見つけたら良いのか分からないという人もいるのではないでしょうか。
給与や待遇など労働条件に注目しがちになってしまいますが、仕事を続けていくために必要なことは、仕事にやりがいを持てるかどうかです。
せっかく働くなら、自分が活き活きと楽しく働ける仕事のほうが人生も豊かになっていきそうに思いませんか?
そのため、自分の成長が感じられたり、面白いと感じられる仕事を探すことが大切です。
高卒就活を成功させるためのコツについては以下の記事も参考に読んでみてくださいね。
まとめ
高卒者の離職率が高い背景には、職業選択のミスマッチや仕事内容への理解不足、職場環境への適応が難しいといった要因があります。
これを防ぐためには、自己分析をしっかり行い、自分に合った職種や業界を見極めることが大切です。
また、事前に職場見学やインターンシップを通じて業務を体験することで、入社後のギャップを減らすことができます。
さらに、希望する企業の労働条件や働き方を確認し、自分の価値観やライフスタイルに合った職場を選ぶことも離職を防ぐポイントです。
この3つの準備を整えることで、長期的に満足できるキャリアを築くための基盤を作ることができるでしょう。
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