でもやっぱり、学歴が高くないと厳しいのかな。中卒とかだと年収も下がっちゃうのかな?
中卒者だったとしても、サラリーマン全体の平均年収を超えることもできるんです。
この記事では、中卒の平均年収がどのくらいか、そして年収を上げるにはどうすればいいかを解説していきます。
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中卒の平均年収は約270万円
厚生労働省が平成18年に調査したデータによると、中卒男性の平均月収は約28万円で、中卒女性の平均月収は約17万円とのことです。
単純計算ですが、男女を足し合わせて12ヶ月分にすると、中卒の平均年収は約270万円ほどであることが分かります。
この計算では賞与を加味していないため、実際はもう少し年収金額は上がります。
しかし、仮に賞与分が足されたとしても、サラリーマン全体の平均年収が約400万円前後といわれているため、それよりも低い金額になるといえるのです。
参考:厚生労働省「平成18年賃金構造基本統計調査(全国)結果の概況:学歴別」
他の学歴よりも低い傾向がある
前述の調査で、同様の平均年収の計算を他の学歴にも当てはめてみました。
その結果、以下のような数値を得られました。
【学歴別の平均年収】
中卒 | 約270万円 |
高卒 | 約300万円 |
高専・短大卒 | 約330万円 |
大学・大学院卒 | 約408万円 |
この計算では賞与は加味していませんが、賞与は基本給を元に決められることが多いため、金額は上がるとしても順位が変わることはないでしょう。
学歴別の平均年収比較からも分かるように、学歴が上がるほど平均年収が上がっており、中卒はもっとも低い金額でした。
生涯賃金では明確に差がつく
ここまでは、学歴全体で平均年収を比べて考えてきました。
ですが、生涯で受け取る賃金がいくらになるかという「生涯賃金」の考え方を当てはめても、やはり順位は変わりません。
仮に65歳まで働くとして、単純計算すると以下のような数値となります。
【学歴別の生涯賃金】
中卒 | 1億3千万円 |
高卒 | 1億4千万円 |
高専・短大卒 | 1億5千万円 |
大学・大学院卒 | 1億7千万円 |
中卒はもっとも早く働き始めているのですが、それらを加味したとしても平均年収に差があるため、他の学歴よりも生涯賃金も低くなっています。
これらの結果をもって悲観的になる必要はありませんが「学歴と年収には関係がある」という現状は覚えておきましょう。
押さえておきたい! 中卒でも年収を上げる方法
確かに関係性はありますが、他の要素も大きく影響してくるんです。
だから、中卒だとしても他の学歴の人たちより年収を上げる方法が、いくらでもあるんですよ!
ここからは、中卒でも年収を上げるための方法を、いくつかポイントを絞ってご紹介していきます。
実力主義の業界・職種を選ぶ
会社によっては、学歴で「ここまでしか昇給できない」とされていたり、学歴によって昇進できるかどうかが決まったりしていることもあります。
例えば「大手金融は高学歴層が入社しがちである」といった業界による影響もありますが、どちらかというと会社の方針が大きく影響しています。
一方で、実力が給料に反映される企業であれば、学歴が低くても結果を出していけば高い収入を得ることができるのです。
中卒で年収を上げたいなら、まずは学歴が重視される業界や職種を避けて企業を探し、その後、特に実力主義の会社を選んで就職するようにしましょう。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
中卒で活躍している社会人の情報を収集してみよう
中卒で活躍している社会人や経営者についてのインタビュー記事などを、インターネット上で探せばいくつも見つけることができます。
その中に、あなたのなりたいイメージの人はいるでしょうか?
そしてその人は、今までどのような道を歩んできたのでしょうか?
彼らの姿は、自分にとっての3年後、5年後、10年後……でもあるのです。
自分と経験が近い人や、目指したいと思えるキャリアイメージを描いている人がやったことなどを参考に、勉強したり挑戦したりすることも考えてみましょう。
資格を取得してキャリアアップする
学歴を見るときに人事が気にしているのは、能力の有無です。
「高い学歴の人のほうが能力がありそう」という先入観をもってしまうので、中卒だと他の学歴に比べて能力が足りないのではないかと思われてしまいます。
そんなときに武器になるのが、資格による実力の証明です。
何か特定の業務に関する資格を持っているということは、第三者があなたのスキルを証明してくれているということ。
中には「業務独占資格」や「名称独占資格」と呼ばれるような、その資格を持っていないと業務に携わることができなかったり、その名称を名乗ることを禁じられている資格もあります。
替えが効かない重要な人材になれば、年収も上がっていくでしょう。
中卒に強いエージェントに優良企業を紹介してもらう
世の中には、隠れた優良企業がいくつもあります。
応募する段階では企業の内部まで知ることができないため、ある意味では、応募した企業が優良企業であるかどうかは運まかせです。
ですが、企業の内部事情に詳しい就職エージェントや転職エージェントを利用すれば、詳しい実情を知った上で就職できるため、運要素を減らすことができます。
中卒で年収を上げたい方に特におすすめしたいのが、中卒向けの企業を豊富に抱えているエージェントを利用することです。
大手就職エージェントが持っている求人は、その多くが四年制大学を卒業していることが応募条件になっています。
そのため、そもそも応募要件を満たしていないことも多いのです。
一方で中卒向けの求人に強いエージェントを使えば「中卒ならではの働きやすさ」などにも配慮した求人を紹介してくれるでしょう。
独立・起業・フリーランスも視野に入れる
「実力主義の業界や職種であれば、学歴による不利益を得ることは少ない」というのは前述したとおりです。
その「実力主義」を極めた先にあるのが、起業したりフリーランスになること。
自分でやればすべて自分の責任ではあるものの、仕事をした分だけ自分の収入が増えます。
加えて「成果を出しているのに学歴で評価されてしまう」といった理不尽な扱いも受けません。
当然「仕事を常に獲得できるとは限らない」といったリスクはありますが、それを知った上で挑戦してみるのも手段の一つではないでしょうか。
起業についてもっとしっかりと考えてみたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
副業などで本業以外の収入を得る
「収入が少ないから年収を上げたい」と考えるのであれば、収入源を増やすという方法もあります。
副業を行って自分のスキルの幅を増やせば、思わぬ成長につながり、スキルアップして本業でも年収が上がるというケースもあるでしょう。
ただし、副業を行う場合は以下のポイントに注意しておきましょう。
- 本業で副業することが許可されているか確認しておく
- 守秘義務違反や競合違反をしてしまわないようにする
- 副業に力を入れるあまり、本業がおろそかにならないようにする
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
高卒認定試験や大卒編入で選択肢を広げるのも手段の一つ
学歴により平均年収に差が生じてしまっている現状は、冒頭でお伝えしたとおり。
中卒のままでも年収を上げることは可能なものの、実は学歴そのものを上げることも可能です。
通信制高校や定時制高校で働きながら勉強したり、長期休暇や休職を利用して大学に編入するなどして、社会に出た後に学歴を上げる方法があります。
実は、このように社会に出た後に学歴を上げるのはアメリカなどではよくあることなのです。
中卒で働くことにはメリットもあればデメリットもあります。
それらを加味した上で、再度学び直し、学歴を上げて年収を上げるというのも手段の一つではないでしょうか。
なお、中卒で働くことのメリットやデメリットについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事も確認してみてくださいね。
中卒で年収を上げたい方に特におすすめの仕事
でも、具体的にどんな仕事がいいの?
それではここからは、中卒で年収を上げたい方に特におすすめの仕事を紹介していきます。
営業職
営業職はまさに実力主義の世界であり、結果が全てです。
学歴がどうであろうと関係なく、しっかりと目標やノルマを達成できていれば評価されますし、大きく上回って達成していればインセンティブがもらえる場合もあります。
がんばって成果を上げればそれだけ年収アップにつながるため、おすすめできる仕事だといえるのです。
ITエンジニア
ITエンジニアも実力主義の世界であり、スキル次第で高い評価を受けることができます。
専門家としてスキルアップしていけば、自分の人材価値を高めてなくてはならない人材として重宝されるようになっていけるでしょう。
さらに専門性を高めていけば、難しい仕事を請け負うフリーランスになることもできます。
あるいは、ITエンジニアとして経験を積んでいけば、チームの管理者として昇進していけるかもしれません。
工場作業員
工場作業員は、ライン作業のオペレーターなどであれば学歴や資格が不要で就職できます。
しかも、その後はライン管理者や開発・設計、人員管理などキャリアパスが広がっていることも魅力的です。
また、フォークリフト免許や玉掛け、危険物取扱者など、持っていればどんな現場でも重宝する資格を、働きながら取得させてもらえるというのもおすすめポイントです。
建築作業員
建設作業員も、最初のうちに任されるのは基本的に単純作業であるため、学歴や経験に関係なく就職できます。
さらに建築関係にも国家資格が数多く存在しているため、働きながら資格を取得してスキルアップし、キャリアアップしていくことが可能です。
独立して個人事務所を開いている人も多くいるため、キャリアの参考になる前例を見つけやすい点も魅力的なのではないでしょうか。
介護職
介護職は、現在人手不足のため就職しやすい仕事です。
その一方で専門性が高い仕事がいくつもあり、例えば介護福祉士という仕事は国家資格である「介護福祉士」の資格を持っている人しか就くことができません。
介護福祉士は平均年収約400万円ほどですし、仮に施設長などに任命されれば年収800万円程度を得ることも可能です。
これからも高齢化社会が続くため介護職はなくならない仕事であり、加えてキャリアアップの選択肢が広がっているのが魅力的といえるでしょう。
飲食
飲食店も、学歴や経歴に関係なく就職できる仕事です。
また、チェーン店であれば品質を一定に保つために接客資格や調理資格などの社内資格を設けている会社もあります。
多くの社内資格を設けている企業では、資格を持っているほど評価が上がり給与アップしやすいという給与体系になっています。
そのため、自分の実力がどのくらいなのかを知ることにも使えますし、スキルアップが給与アップに直結しているのでやりがいにもつながるでしょう。
また、飲食店は「独立して自分の店を持つ」という完全実力主義の世界に近く、独立して成功したという前例がいくつもあります。
大きな会社内で会社の仕組みを利用して年収を上げたい方も、実力主義の世界に飛び込んで年収を上げたい方も、どちらにもおすすめです。
まとめ
中卒の平均年収は、中卒、高卒、高専・短大卒、大学・大学院卒の学歴別で見ると、最も低いという結果でした。
ですが、だからといって必ずしも全体の平均年収よりも低い年収になるとは限りません。
- 実力主義の会社で働く
- 資格を取得してキャリアアップする
- 中卒に強いエージェントを使って就職・転職する
上記のようなポイントを押さえて仕事をすることで、年収アップが狙える可能性が高まります。
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