実際のところ、どうなんだろう。
ですが、それは、何もキャリアプランを考えなかった場合の話です。
この記事では、高卒就職がなぜ「やめとけ」と言われるのか、その理由を確認しつつ、それでも高卒就活で後悔しないためのコツもお伝えしていきます。
高卒就活のメリットも解説しているので、気になる方はぜひ確認してみてくださいね。
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高卒就活は「やめとけ」と言われがちな理由
ここでは、まず高卒就活が「やめとけ」と言われがちな理由について、代表的な5つを確認していきましょう。
就職先の選択肢が少ない
高校就職が「やめとけ」と言われる理由の1つは、就職先の選択肢が高卒の就職以外と比べて、少なくなってしまうためです。
たとえば応募条件を「四年制の大学卒業以上」としている企業や職種は多々ありますし、なかには新卒採用で学歴を重視している企業があるのも事実。
高卒で就職しようとすると就職先の選択肢が少なくなってしまうため、「やめとけ」と言われることがあります。
出世しにくい
高卒だと、大卒者と比較して出世しにくい可能性があります。
大卒の新卒社員は会社の中核を担っていく幹部人材の候補として教育していくものの、高卒社員にはそういった出世コースが用意されていない、というケースです。
会社によっては、学歴によってその後の育成ルートを分けている場合があり、高卒ではどんなに成果を残しても、ある程度の職位までしか上がれないということもあります。
生涯賃金が低くなる傾向がある
高卒は、高卒以外と比較して生涯賃金が低くなってしまう傾向があります。
以下は、全年齢を合計した学歴別の平均月収です。
高卒 | 27万3千円 |
専門卒 | 29万4千円 |
高専・短大卒 | 29万2千円 |
大卒 | 36万2千円 |
この学歴の中では高卒がもっとも平均月収が低く、大卒と比較するとおよそ9万円の差がついています。
これは月収だけ見たものなので、ここに賞与などが加算されていけば、さらに差は開いていきます。
このように、生涯を通して得られる賃金が低くなってしまう傾向があるため、高卒就職は「やめとけ」と言われることがあるのです。
参考:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査:学歴別」
単純労働で仕事にやりがいを見出せない
高卒で就職すると、単純労働を行うことが多く、そのため仕事にやりがいを感じられない可能性があります。
たとえば高卒の社員は、製造工場で1日中同じ部品を組み立てたり、ベルトコンベアで流れてくる商品を並べたり、といった単純労働を任される傾向にあるからです。
その仕事に没頭できるなら気にならないかもしれませんが、毎日同じ作業ばかりしているとモチベーションが下がってしまう方もいますよね。
自分で工夫して成果を上げたり、業績に貢献して賞与アップしたり、といった積極的な働き方が難しいとなると、どうしてもやりがいを感じられない方が増えてしまうでしょう。
転職する際の選択肢が少ない
高卒で就職すると、就職する際の選択肢が少ないだけでなく、転職する際の選択肢も少なくなってしまうかもしれません。
転職しようとしたとき、社会人になってから3年目程度までであれば、最終学歴が採用時の参考にされることがあるためです。
また、もっと社歴を積んだベテランになってから転職する際は特に前職の経験やどんなスキルがあるか見られますが、単純労働に従事していると評価されにくい場合もあります。
高卒のため単純労働に従事し、単純労働の経験とスキルしかないため転職しても同じような単純労働を任される、というループに陥ってしまうのです。
その他、高卒就活を「やめとけ」と言われる理由になる、高卒と大卒との違いについて知りたい方は以下も確認してみてください。
高卒で就職する4つのメリット
高卒で就職することにもメリットがあるんです。
高卒就職は「やめとけ」と言われがちですが、それでも高卒就職をする方がいます。
そして高卒で就職することには、高卒就職することでしか得られない利点もあるのです。
それでは、ここからは代表的な高卒就職のメリットを4つ見ていきましょう。
学費がかからない
進学しないということは、当然ながらそれ以上の学費がかかりません。
誰もが学費を比較的抑えられる国公立大学に合格できるわけではないですし、奨学金をもらえない場合もあります。
また家庭の状況から、経済的にやむをえず進学しない、という場合もあるでしょう。
4年間で考えれば、私立大学の学費平均はおよそ500万円に近い金額であり、簡単に誰でも出せるものではありません。
高卒で就職すれば、この学費がかからないというのはメリットの一つです。
同世代よりも早く社会人経験を積める
高卒で就職すれば、同世代よりも早く社会人経験を積める点もメリットです。
高卒で就職すると、大学に進学する同級生たちよりも、4年早く社会に出て働いていることになります。
社会人経験は、だいたい3年目頃から一人前だと見なされる風潮があります。
進学した同級生たちがようやく新人としての扱いを受けている頃には、高卒で就職した人はもう社会人として4年の経験があり、社会人5年目に突入した中堅になっているのです。
若いうちから経済的に自立できる
早くから社会に出られるという点と似ていますが、高卒で就職すれば若いうちから経済的に独立できます。
18歳から「自分の給料」をもらえるのです。
一人暮らしを始めるだけでなく、完全に家族から自立して生活することもできるかもしれません。
経済的に独立して自立するというのは、思った以上の自由と責任があり、一人の人間として成長するには十分な経験となるでしょう。
それを10代のうちに経験できるのは、高卒就職のメリットです。
比較的手厚く教育してもらえる
高卒で就職した人は、比較的手厚く教育してもらえる可能性があります。
特に最初の数年は、OJTなどで丁寧に教育してもらえます。
たとえば大卒で幹部候補のような責任の重いポジションで就職した場合、「早く一人前になれ」というプレッシャーを感じることもあるかもしれませんが、高卒で就職する人は、入社した時点でまだ10代です。
周囲も「早く一人前になること」は難しいと理解しているので、それほどプレッシャーをかけずに、むしろ「早く一人前になれるようしっかり育てよう!」という気概で教育してくれます。
高卒で就職すると若くして社会に出ることになりますが、「社会に出ることの不安」はそれほど感じなくてもいいのです。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
肉体労働や単純労働の価値が上がっている
近年、円安や情勢不安によって海外工場を作って海外の労働力を活かすというメリットが薄れてきています。
それにともなって、国内での単純労働や肉体労働の価値が高まっているといえます。
かつては中国などの低賃金の地域に外注することで工業製品の製造費を抑えていましたが、そういった地域の賃金水準が上がり、国内生産に戻っているところもあるのです。
例えば、以下は肉体労働(ブルーカラー)に属する産業と事務作業(ホワイトカラー)に属する産業の平均月収です。
ブルーカラー | 鉱業、採石業、砂利採取業 | 34万7円 |
ブルーカラー | 建設業 | 33万5千円 |
ブルーカラー | 製造業 | 30万1千円 |
ホワイトカラー | 不動産業、物品賃貸業 | 33万9円 |
ホワイトカラー | 医療、福祉 | 29万6円 |
これを見ると、意外と肉体労働に属する仕事の給与も悪くないことが分かるのではないでしょうか。
敬遠されがちですが、実は肉体労働や単純労働には無視できないだけの魅力があることは、覚えておいてください。
参考:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査:産業別」
高卒就職で後悔しないためのコツ
ここからは、高卒就活で後悔しないためのコツを解説していきます。
後悔しないコツを知って高卒の就活に取り入れていけば、「やめとけ」と言われる理由を取り除きながら、メリットを最大限に受けられるのではないでしょうか。
さっそく確認していきましょう。
実力で出世できる仕事を選ぶ
現代においても、学歴重視の業界や企業は存在しています。
高卒で就職する場合は、そのような業界や企業ではなく、しっかりと実力や成果を評価してもらえるような仕事を選ぶようにしましょう。
- 出来高制で給与や賞与が上がる
- 成果報酬型の賃金体系
- 自分の仕事の結果が数値として分かりやすい
上記のような性質がある企業だと、実力で勝負できると感じるのではないでしょうか。
なお、高卒での就職におすすめの業界や仕事については後述しているので、そちらも確認してみてくださいね。
常に自己学習をする
結局、何歳になっても、たとえ社会人になっても勉強しつづけなければなりません。
むしろ学生時代よりも社会に出てからのほうが、学ばなければならないことが増えていくほどです。
高卒で就職するのであれば、ただ言われた仕事や作業をこなすだけでなく、資格を取得するなど自己学習をおすすめします。
社内で設定された、企業内独自の資格に関する勉強でもOKです。
勉強してスキルアップし、その実力で成果を出せば、たとえ学歴にこだわる会社であっても評価せざるを得ない状況になります。
また、資格を増やしていけば転職先の選択肢も広がっていくので、高卒就活によるデメリットを減らせるという点もおすすめポイントです。
キャリアプランを立てて計画的にキャリアアップする
高卒だからといって、必ずしも大卒よりも出世できず、生涯賃金が低いものになるというわけではありません。
高卒の平均生涯賃金は大卒と比べて低くデータもありますが、あくまで平均であって、「あなた個人」がそうであるとは限らないのです。
実力で評価してくれる企業はいくらでもありますし、そういった会社へ就職したり転職したりすれば年収アップはいくらでもできます。
重要なのはキャリアプランを立てて、計画的にキャリアアップしていくことです。
もしキャリアプランを立てるのが難しいようなら、転職のプロであるエージェントに相談してみてください。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
明確に夢や目標があるなら高卒就職が有利になる場合も
- 飲食店などの店舗経営がしたい
- 実家を継ぐために早く社会に出たい
- 独立して起業したい
上記のように、明確な夢や目標があるなら高卒就職のほうが有利になる場合もあります。
目標がある人にとっては、「早くに手に職をつけられる」「若いうちに社会に出て経験を積める」というメリットが、ほかのデメリットを圧倒するほど大きいためです。
大卒以上が有利になるのは、一般的な日本企業に新卒社員として入社する場合がほとんど。
「一般の会社員」ではない道を歩みたいのであれば、高卒で就職することも十分に検討の余地があると考えていいでしょう。
高卒就活生におすすめの就職先
ここまでは、高卒で就職して後悔しないためのコツを見てきました。
コツの一つとして実力で出世できる仕事がおすすめであることはお伝えしましたが、それも加味したうえで、高卒の就活生におすすめの就職先がいくつかあります。
それぞれ確認して、就活の際に参考にしてみてくださいね。
サービス業
接客業や飲食業などのサービス業は、手に職をつけることができ、なおかつ業界内で潰しが効くためおすすめです。
また、「自分のお店をもちたい」「資格をもって店長になりたい」など夢や目標がある人にも向いています。
スキルアップしていくことで社内資格を取得したり、調理師免許や衛生管理者などの資格を取ってキャリアアップしていったりすることもできるでしょう。
製造業・建設業
製造業や建設業も、高卒就職におすすめです。
最初のうちは肉体労働や単純労働が多いでしょう。
しかし様々な資格があるため、働きながら資格を取得していき、製造や建設の専門家としてキャリアアップできる可能性があります。
ものづくりが日本国内の工場に戻ってきているという現状もありますし、建設はインフラにも関わるのでなくならない仕事だと考えられています。
将来性もあるので、そういった意味でもおすすめできる業界といえるのです。
介護業界
介護業界は人材不足のため、就職しやすいという点が利点です。
また、働きながら国家資格も取れるためキャリアアップにつながることもおすすめの理由です。
加えて、単純労働ではなく人と接する仕事で、人の役に立っているというやりがいがモチベーションになる可能性もあります。
人と接する仕事がしたい方にもおすすめできるといえるでしょう。
IT業界
IT業界は、年齢に関係なくスキル次第で活躍できるため、高卒就職におすすめです。
IT業界も近年の急激な拡大に伴って比較的人手不足になっている業界であり、求人数が多いのも魅力的でしょう。
加えて、開発環境や言語などは常に最新にアップデートされているため、長く業界に勤めているからスキルがあるというものでもなく、初めてでも勉強して入りやすい業界でもあります。
フリーランスになってバリバリ稼ぐことも、在宅ワークでプライベートを優先したワークライフバランスにすることもでき、働き方の選択肢に多様性があるのもおすすめの理由です。
また高卒就職におすすめの職業について、さらに詳しく知りたい方は以下の記事も合わせてご確認ください。
まとめ
高卒就活は「やめとけ」と言われることがありますが、それは高卒とそれ以外の学歴の間に様々な差が生じているためです。
一方で、学歴によらない働き方をするのであれば、早く社会にでて自立できるなどのメリットも得ることができます。
高卒で就職するなら、この記事で紹介したような後悔しないコツを押さえ、メリットを最大に受け取りながら働けるようにしていきましょう。
大切なのは、現状を知りつつ将来的なキャリアプランを設計していくことです。
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そのため、高卒で就職するというみなさんの悩みに寄り添ったアドバイスができるのではないでしょうか。
気になった方は、ぜひ一度ご連絡ください。
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