もくじ
漠然と「新しいことに挑戦したい」というだけでは、面接官にマイナスの印象を与える恐れがあります。
そもそも、20代や若い人材の中途採用を行う企業は、ある程度の社会人・実務経験があり、ポテンシャルを見込みながらも早期に活躍してくれる人材を求めています。
求職者に成長機会を提供するために、中途採用を行っているわけではありません。
そのため、「新しいことに挑戦」という転職理由は、伝え方に工夫が必要なのです。
そこで、本記事では転職理由で「新しいことに挑戦」と伝えるメリット・デメリットを整理した上で例文を取り上げながら、好印象を与えるためのポイントについて解説します。
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「新しいことに挑戦」の転職理由が与えるマイナスの印象
「新しいことに挑戦したい」という転職理由は、どのようなマイナスの印象を与えるのでしょうか。
転職の動機が今の仕事への不満の場合、そのニュアンスが伝わりやすくなるため注意が必要です。
現職の上司に与える印象
現職の上司に転職希望を告げた場合、待遇や職場環境に不満があるのかと、気を悪くされてしまうかもしれません。
これまでの仕事で挑戦する姿勢を見せていなければ、なおのことでしょう。
改善を提案され、引き止めにあうかもしれません。
あるいは、転属などにより新たなキャリアを提案され、転職の意思が揺らいでしまうことも考えられます。
漠然と「新しいことに挑戦」というだけでは、転職理由として弱いといえます。
応募企業の採用担当者に与える印象
応募企業の採用担当者には、「飽きっぽい性格なのではないか」という印象を持たれるかもしれません。
気に入らないことや上手くいかないことがあると、すぐに投げ出してしまう「粘り強さのない人」と思われる恐れもあります。
特に20代や若い世代の場合、勤続年数が浅いほどそのような印象を与える可能性があります。
そのため、あくまでチャレンジのため、現職で働いた中で自身の適性を考えた上での「チャレンジ」であるということを伝えると良いでしょう。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
なぜ採用担当者は転職理由を確認するのか
採用担当者が転職理由を確認するのには、もちろん理由があります。
採用にはそれなりのコストがかかるため、「早期退職するかもしれない人」はできるだけ避けたいのが本音です。
そのため転職理由を聞くことで、同じ理由で辞める可能性がないか確認したいのです。
また、転職理由には応募者の働き方への理想が反映されます。
自社で実現できる内容であれば相性が良いといえますが、ズレていれば離職の可能性が高まります。
とにかく採用担当者が確認したいのは、「入社後の活躍が見込める人材か」という点です。
転職の理由は面接で必ず確認されるので、しっかり練り上げて曖昧さを残さないようにしておきましょう。
未経験職種への転職事情はどうなってる?
転職により、新しい職場で新しいことに挑戦したいと考える人は、前職の仕事内容に不満があったのかもしれません。
ここで、厚生労働省の資料から「若年層の転職事情」について確認していきましょう。
以下は、離職理由に「満足のいく仕事内容ではなかった」と挙げた人の割合です。
- 20~24歳 25.2% (人間関係38.4%に次いで2位)
- 25~29歳 31.4% (2位の賃金31.3%をわずかに上回り1位)
参考:厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況(p18)」
今の仕事内容に疑問を持って、転職を決意した人が20代後半のほうが多い状況が見て取れます。
30歳を目前にして「このままでいいのか」という気持ちが強くなり新しいことに挑戦したくなるのかもしれません。
また、以下のデータは転職を成功させた人のうち、前職と違う職種のみを希望した人と、前職と同一の職種も候補に加えた人の転職成功者の割合を示したものです。
転職成功者 | 前職と異なる職種のみ希望 | 前職と同一の職種も希望 |
---|---|---|
2022年度転職者全体 | 29.3% | 70.7% |
20代男性 | 41.0% | 59.0% |
20代女性 | 34.2% | 65.8% |
参考:株式会社マイナビ「転職動向調査 2023年版(2022年実績)(p37)」
20代の転職成功者全体で、約3割が「未経験職種のみを希望」して、転職に成功しています。
しかし、同一職種を選択肢に加えた人は7割以上で成功しており、新しいことに挑戦しようとした場合、より厳しい就活であったことが推察できます。
25歳以上のみで統計をとれば、もっと厳しい数字であったかもしれません。
やはり、未経験職種への転職は、不利であることは否めないようです。
転職により未経験の職種に挑戦する場合「新しいことに挑戦したい」というだけでは、やはり志望動機としては弱いといわざるを得ません。
なぜ未経験の仕事に挑戦したいのか、明確な動機を強く伝える必要があるのかもしれませんね。
「新しいことに挑戦」の転職理由で好印象を与えるには?
「新しいことに挑戦したい」という退職理由は、一見ポジティブな動機のようにも感じられるものです。
しかし、なぜ新しいことに挑戦したいのか?挑戦してどのように成長し、転職先の企業に貢献できるのか?内容がともなわなければ、マイナスの印象をもたれてしまいます。
そうならないためには、いくつかのポイントをおさえておかなくてはなりません。
前職の不満をいわない
面接で「新しいことに挑戦したい」といっておきながら、前職の不満をいってしまうと、マイナスな印象を与えてしまいます。
ちょっとでも不満があると、すぐに投げ出して新しいことに目がいったり「我慢が足りない人」と思われてしまうからです。
前職の不満を面接で口にすることは、絶対に避けてください。
良い印象を持たれることは、ほとんどないといっても過言ではありません。
口にしないことはもちろん、なんとなくそういった雰囲気を醸し出してしまう言動も避けましょう。
不満があると、すぐに環境を変えたくなる人物と思われてしまうのは損ですよ!
「チャレンジできる環境で成長したい」だけではNG
伸びしろやポテンシャルをアピールしようとして「チャレンジできる環境で成長したい」という発言をする人もいるかもしれません。
つい前向きな印象を与えると勘違いしがちなNGフレーズですので、注意しましょう。
企業が人材を採用するのは、利益を追求し、事業を発展させるためです。
面接官によっては「うちの会社はあなたのチャレンジや成長のためにあるのではない」と思う人もいます。
面接官が知りたいのは、この人を採用すれば「会社にどのようなメリットをもたらすか」です。
好印象を持ってもらうためには、今まで培ったスキルを新たな環境に身を置くことによるチャレンジで、どのように発展させるのか具体的なイメージを語りましょう。
成長した上で、どのように恩返しができるのかまでセットで伝えるのです。
転職先の仕事に関わるアピールポイントを盛り込む
前職で培ったスキルをアピールすることも大切ですが、未経験の職種ではこれまでの経験が役に立たないこともあります。
目指している職種と関連性が低いスキルや経験であれば、熱心に「前職の経験を活かしたい」とアピールすると逆効果です。
応募している職種のことを「理解していないのでは?」と、良い印象を持ってもらえません。
応募している企業が、求める要素をアピールしなくては意味がないのです。
こうした場合は、コミュニケーションなど、どのような仕事でも必要なスキルをアピールすると良いでしょう。
20代の転職においても、企業はある程度の社会人としての基礎的なスキルを求めてきます。
こうした応用の効くスキルを新しい仕事にどのように活かし、アレンジできるのかをエピソードを交えて話せると良いでしょう。
転職で新しいことに挑戦する(キャリアチェンジ)のメリット
次に転職で新しいことに挑戦すること、キャリアチェンジについて伝えるメリットについてご紹介します。
面接で効果的な理由を伝える上でおさえておくべきポイントとなるので、主な以下のメリットとあわせて確認しておきましょう。
- 新たな人脈ができる
- 自己成長につながる
- 新たなスキルが身に付けられる
- 前職の経験が活かせることもある
新たな人脈ができる
違う企業に入社することは、新たな人間関係を作っていくことでもあります。
これまでとは違う業界や職種に飛び込むことで、前職では関わることのなかった取引先など、新たな人脈が形成できるでしょう。
キャリアチェンジによる新たな出会いは、良い刺激となり、新たな視点や気付きをもたらしてくれるかもしれません。
自己成長につながる
希望する業界や職種への転職がかなえば、モチベーションにもよい影響をもたらします。
新しい仕事に必要なスキルの習得にも、高い意欲で熱心に取り組めるでしょう。
新たな環境でのチャレンジは、未経験の出来事の連続です。
こうした環境に身を置き、対応することで刺激を受け、成長スピードも加速します。
新たなスキルが身に付けられる
自分になかった、新しいスキルを身に付け、成長できることもキャリアチェンジの大きなメリットです。
これまで経験してこなかった分野の仕事にチャレンジするには、当然その分野で必要な知識やスキルを習得しなくてはなりません。
業種によっては、専門的な知識やスキルが必要となることもあるでしょう。
新たな仕事に挑戦することで、自分の「できること」が増えれば、自身の成長を実感できモチベーションのアップにもつながります。
前職の経験が活かせることもある
キャリアチェンジにおいても、前職の経験やスキルが活かせることもあります。
例えば、サービス業において豊富な接客の経験があれば、笑顔や感じの良い話し方など、人に好印象を与える接し方が身に付いているでしょう。
これは、営業職としてクライアントに接する時にも、役に立つスキルです。
このように、前職で当たり前のようにできていたことが、新たな仕事でも十分に活かせる武器になることもあります。
自身が前職で培った強みは何か?今一度考えてみることで、活かせるスキルがきっと見つけられるはずです。
転職で新しいことに挑戦する(キャリアチェンジ)のデメリット
一方で、キャリアチェンジには、デメリットがあることも覚悟しておく必要があります。
新しいことに挑戦する以上、最初のうちは経験不足に悩むかもしれません。
活躍できるまでには、相応の負荷がかかることは否めないでしょう。
- 収入が下がることもある
- 今までの立場がリセットされる
収入が下がることもある
キャリアチェンジでは、これまでの経験やスキルが活かせないことも想定されます。
転職先の企業にとっては、まったくの新人と同じ状態です。
特に採用する人材が20代の場合、新卒と同じ位置づけで「じっくり育てていこう」と考える企業も少なくありません。
そのため、新卒者と同じ水準の給与額を提示されることもあり、同年代と比較して年収が低くなるケースもあります。
今までの立場がリセットされる
未経験の分野に転職した場合、前職で気づいてきたスキルや経験、立場がリセットされてしまいます。
そのため、スキルを一から身に付けなくてはなりません。
まったくの新人として謙虚に学ぶ姿勢が必要であり、人によっては前職とのギャップに悩むことも想定されます。
いずれにせよ、新しい環境で周囲の人たちと上手くやっていくには、相応の工夫が必要です。
「新しいことに挑戦」の転職理由をポジティブに伝えるポイント【例文あり】
「新しいことに挑戦」の転職理由でポジティブな印象を持ってもらうには、伝え方に工夫が必要です。
なぜ、新しいことに挑戦しようと考えているのか、具体的かつ明確な理由で語れるようにしておきましょう。
これまでの経験やスキルをどう発展させ貢献できるかアピールする
これまでのスキル・経験が、新しい職場でどのように活かせるのか具体的な話ができれば「入社後も活躍してくれそう」と思ってもらえます。
この時「入社後どのように成長していきたいか」をアピールできると、なお良いでしょう。
ポイントは、自身の成長が会社への貢献につながる点を盛り込むことです。
自己成長ばかりを強調すると、「自分本位な転職理由」と思われてしまうかもしれないので、注意しましょう。
【例文】 前職では携帯の販売員として、顧客満足度を高め売り上げを出すことを目標にし、直近半年で200人中3位の数字を残すことができました。 しかし結果を出すにつれ、個人の方だけでなく法人の顧客に対しても商品を売る力を身に付けていきたいと考えるようになり、今回御社のポジションに応募させていただきました。 前職で培った「顧客満足度を高める力」を御社の営業活動でも活かしつつ、さらに提案力を磨き、御社の発展に貢献していきたいと思っています。 |
なぜ新しいことに挑戦したいのか具体的にアピールする
なぜ、新しいことに挑戦したいのか、明確な動機を語れることが必要です。
実体験や率直な思いを伝えられると、あなただけのオリジナルな動機となり、面接官にも好印象を持ってもらえるでしょう。
もちろん募集されているポジションや仕事内容とズレていないこと、貢献したい思いがあることも大前提です。
【例文】 エンジニアとしてのキャリアを歩みたいと考えています。 新卒時にもIT業界を希望していたものの残念ながら内定をいただけず、 前職では通信回線の営業として2年間勤務してきました。 入ったからには結果を出そうと目標に向けて取り組み、部下を持つこともできたのですが、エンジニアに挑戦したい気持ちは変わりませんでした。 「勢いで退職する前にまずは学んでみよう」と思い、1年ほど前からプログラミングの勉強を進め、現在もエンジニアへの想いは変わっていません。 実務未経験ではありますが、だからこそ誰よりも学び、御社の先輩方を追い越す勢いで業務に従事していきたいと思っています。 |
その会社でなければならない理由をアピールする
多くの採用担当者は、「なぜ他社ではなく、当社を選んだのか?」を知りたいものです。
職種や仕事内容ばかりに目を向けすぎると、この視点が抜け落ちてしまうので注意しましょう。
自身の目標が「その会社でなければ達成できない」という思いを伝えられるとベストです。
特徴的な制度がある場合は、転職理由に盛り込むと良いかもしれません。
企業研究を綿密に行うことで、説得力のある話ができるでしょう。
【例文】 御社の企業情報を拝見し、「消極的な成功より、積極的なチャレンジによる失敗を歓迎する社風」に、強い魅力を感じています。 特に「OO制度」は、若手人材のチャレンジを後押ししてくれるものです。 これまで培った自身のスキルを活かし、私もたくさんのチャレンジをすることで成長し、御社に貢献したいと考えました。 |
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
「新しいことに挑戦」を転職理由とする際のNGポイント
転職を考えた発端が、現職の不満であることは多いかもしれません。
しかしストレートに伝えることはもちろん、なんとなくネガティブな印象が漂ってしまう伝え方は避けるべきでしょう。
以下のような例がNGです。
【例文1】 前職は残業が多く心身に負荷がかかっていました。 御社は労働時間の削減に熱心に取り組んでいると聞き、こうした環境で新しくチャレンジしたいと思いました。 |
【例文2】 前職の上司は熱心に仕事を教えてくれるのですが、新しいことに挑戦する機会を与えてくれませんでした。 御社のチャレンジを歓迎する社風に共感しています。 |
【例文3】 前職では希望する部署への配属がかなわず「やりがい」を感じられませんでした。 募集内容を拝見し、まさに私がチャレンジしたい仕事だと感じています。 |
多かれ少なかれ、どの会社にも未整備の部分や、ネガティブなことはあるものです。
ネガティブなニュアンスが伝わってしまうと、「飽きっぽいのではないか」「すぐに不満を口にして周囲に悪影響を及ぼすのではないか」と思われてしまいます。
また、転職の理由があまりにも自分本位であることも、マイナスイメージを与えるため注意が必要です。
「新しいことに挑戦」を理由に転職を成功させるには
「新しいことに挑戦」を転職理由にする場合、とにかく転職の動機を深く考え、曖昧さを残さないようにしましょう。
あわせて、転職後にどのようなキャリアを築いていきたいのか、中長期的な視点でよく考えて語れるようにしておくことも大切です。
なぜ転職したいのか理由を考え抜く
「なぜ今の会社で働き続けることが問題なのか?」「環境を変えなければ近い将来どうなるのか?」をよく考えます。
また「転職を希望している企業は何が魅力なのか?」「転職が成功すればどのような未来が開けるのか?」という点も、あわせてよく考えましょう。
こうした作業を繰り返し、深く考え抜くことで転職の動機が明確に言語化され、曖昧さを排除できます。
経験とスキルの棚卸しをする
経験とスキルの棚卸しをすることにより、自身の強み・弱みの自己分析を行いましょう。
新たな職場で活かせるスキルは、貢献できるポイントとしてアピールの材料になります。
苦手であったり不足している部分は、どのような努力で補っていくかも明確にしておくとよいでしょう。
深い自己分析ができれば、面接でも自信を持って答えられるようになります。
転職後のキャリアを具体的にする
挑戦した先の未来を、より具体的に語れるようにしておくことも大切です。
転職が成功した場合、新たな環境でどのような仕事に従事し、経験を積んでいきたいのかをより具体的に思い浮かべます。
転職することにより、これから自分が築いていきたいキャリアを明確にするのです。
そうすれば、おのずと新たな職場に貢献できることがイメージできるでしょう。
転職エージェントに相談する
転職理由の深堀りや、自己分析には客観的な視点が必要です。
長く転職活動をしていて結果が出ていない人は、この視点が欠けていることが多いものです。
また「なぜその会社に転職したいのか?」を語るには、綿密な企業研究が必要です。
転職エージェントの力を借りればこうした作業を迷いなく行えるようになり、的を絞った転職活動が可能になります。
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1人で転職活動を行い結果が出ない場合、転職エージェントの力を借りることで上手くいくことも多いものです。
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まとめ
「新しいことに挑戦」したいという気持ちは、前向きで素晴らしいものです。
しかし伝え方をよく考えなければ、そうしたポジティブさも裏目に出てしまいます。
転職活動には客観的な視点と、豊富な情報網が必要です。
ぜひ、UZUZの活用を検討してみてください。
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