もくじ
みなさん、「日本女性の労働力率のM字カーブ」って何のことかわかりますか?
「M字カーブ」とは、日本女性の労働力率を年齢階級別にグラフで表した際にできる形状のことを言います。
日本女性の労働力率は20代で一旦上昇するものの、30代で低下し、40代で再び上昇するという特徴があり、その推移はアルファベットの「M」のような曲線を描くのです。
1985年に男女雇用機会均等法が制定されてから30年以上経ち、そのM字はかなり緩やかになりつつあるものの、30代で労働力率が低下するという傾向は未だに続いています。
でも、新卒からずっと同じ会社で働いてる女性って少ないような……?
かつては多数派だった専業主婦世帯も今では少数派となり、結婚や妊娠・出産後も女性が働き続けることが当たり前の時代。
そんな現代において、「女性の働き方の実態」は一体どうなっているのでしょうか?
今回そんな疑問にお答えすべく、女性の転職率や転職事情について調べてみました。
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女性の転職率ってどのくらい?
2016年に女性活躍推進法が施行された日本。
国を挙げて女性が仕事で活躍できる環境を作ろうという流れになってきていますが、実際のところ女性が働きやすい社会になりつつあるのでしょうか。
その実態を知るための手がかりのひとつとして、女性の転職率を見てみましょう。
ここでは、2019年2月15日公表の「平成29年雇用動向調査結果の概況労働力調査(詳細集計)平成30年(2018年)平均(速報)結果の概要」を参考にしています。
2018年の女性の転職者比率は6.0%で、男性の4.1%と比較すると2%近く高い結果となっています。
さらに、2018年の年齢階級別の転職者比率は次のようになっており、55歳以降になると男女差はなくなるものの、 15~54歳までの各年齢階級では常に女性の転職者比率の方が高いことがわかります。
また、2018年における非正規の職員・従業員の男女比は、男性が31.6%であるのに対し、女性は68.4%。
これはつまり、男性に比べて女性の方が働き方が流動的であるため、どうしても雇用期間の短い非正規雇用の割合も高くなることを意味しています。
女性の転職率には結婚や出産は関係している?転職の理由とは?
やっぱり出産や子育てが関係してるの?
以下は、“平成29年雇用動向調査結果の概況”にある「転職入職者が前職をやめた理由別割合」を男女で比較したものです。
前職を辞めた理由男性女性男女比
仕事の内容に興味を持てなかった | 5.1% | 4.6% | 男性+0.5 |
---|---|---|---|
能力・個性・資格を生かせなかった | 4.8% | 5.3% | 女性+0.5 |
職場の人間関係が好ましくなかった | 7.2% | 12.1% | 女性+4.9 |
会社の将来が不安だった | 8.4% | 4.9% | 男性+3.5 |
給料等収入が少なかった | 12.2% | 9.9% | 男性+2.3 |
労働時間、休日等の労働条件が悪かった | 9.5% | 12.3% | 女性+2.8 |
結婚 | 0.7% | 2.5% | 女性+1.8 |
出産・育児 | 0.1% | 1.5% | 女性+1.4 |
介護・看護 | 1.2% | 1.5% | 女性+0.3 |
定年・契約期間の満了 | 16.5% | 13.2% | 男性+3.3 |
会社都合 | 5.8% | 5.8% | 男女同率 |
その他の理由(出向等を含む) | 26.4% | 23.3% | 男性+3.1 |
男性と女性の割合を比較し、それぞれの割合の差が1%を超えるものを色付けすると、ある特徴が見えてきます。
それは、男性が仕事や会社に直接関係する理由を挙げているのに対し、女性はプライベートや働きやすさに関係する理由を挙げているということ。
実際に、UZUZに相談に来られる女性たちのお話を伺っていても、結婚や出産といったライフイベントを見据えて長く働ける職場を希望される方は多いです。
やはり男性よりも女性の方がワークライフバランスを強く意識していると実感させられます。
もちろん同じ女性でもキャリアにこだわる方、そうでない方、仕事に対する考え方は様々です。
しかし、彼女たちに共通しているのは「家庭や育児も大切にしたいけど、仕事も諦めたくない」という考え方であると言えるでしょう。
転職率から見た女性の転職事情とは?
前の項目で、ご紹介した「転職入職者が前職をやめた理由別割合」のうち、特に女性の割合として多かったのは、
- 職場の人間関係が好ましくなかった
- 労働時間、休日等の労働条件が悪かった
- 結婚
- 出産・育児
の4つでした。
そして、以下はこれら4つの理由を挙げた人が多かった年齢階級のうち、上位3区分をまとめたものになります。
まず、下位とのポイント差が目立つのは「職場の人間関係が好ましくなかった」で1位の30~34歳ですが、この年代での割合が高くなっている理由のひとつとして、この年代特有の次のような人間関係の悩みが考えらえるでしょう。
- 後輩の育成がスムーズにいかない
- 同僚が先に出世すうことによる焦り
- 上司と後輩の板挟みによるストレス
さらに、この年代は今後のキャリアを考えたり出産や結婚をする人が増える年代。
このような人間関係を含め、退職を考える理由も複合的になりやすい傾向があると言えます。
次に、「結婚」で1位の25~29歳についてですが、平成28年の女性(妻)の平均初婚年齢は29.4歳。
まさにこの年代と合致しており、結婚する人の多くが転職についても考えることを物語っています。
そして、「出産・育児」で1位の30~34歳と2位の35~39歳。
平成28年の第1子出生時の母の平均年齢30.7歳と、上記の年代と合致しており、結婚と同様、出産と転職がセットで考えられやすくなっていると言えるでしょう。
これらのデータから見えてくるのは、実際に結婚や出産のピークである30歳前後になってから転職を考える女性が多いということ。
つまり、長く安定して働き続けることを望むのであれば、20代のうちに働きやすい環境を見つけておくことが重要なのです。
厚生労働省発表の「平成 28 年人口動態統計月報年計(概数)の概況」
20代で転職を考え始めた女性がチェックしておきたいポイント
それでは、ここからは女性が20代で転職を考える場合に、チェックしておきたいポイントについて見ていきましょう。
自分が最も仕事に求めるものは何か
新卒一括採用など、若手人材のニーズが高い日本においては、やはり30代よりも20代の転職の方が転職先の選択肢が多いのが現実です。
また、出産や子育てが始まってから転職しようとすると、どうしても勤務時間や勤務地などの生活に直結する条件を優先することとなり、仕事内容などは後回しになってしまいがちです。
そのため、選択肢の多い20代のうちに自分が最も仕事に求めていることは何かを見極めておくことで、満足のいく環境で長く安定して働ける可能性が高くなります。
自分の理想と向きあい、ワークライフバランス優先・内容優先・待遇優先など、「これだけは譲れない」という優先順位をしっかりと決めておきましょう。
結婚や出産を経ても本当に働き続けることができる職場か
会社の就業規則に産休制度や育休制度がなくても、労働基準法や育児・介護休業法により、産休や育休、時短勤務の申請をすることは可能です。
しかし、実際にそのような申請をすると退職をほのめかされたり、産休や育休を利用した人の実績が全くないという会社も存在します。
仮に今は「結婚も出産もしない!」と考えていても、未来のことは誰にもわかりません。
もし結婚や出産をすることになっても、本当に働き続けることが可能な職場であるかを知ることは非常に重要です。
キャリアアップが可能か
「結婚に出産、育児も頑張りたいけど、キャリアも諦めたくない!」と考える女性にとって、いくら産休や育休制度を利用できても、その後のキャリアアップが望めない会社であれば意味がありません。
なぜなら現実として産休・育休を経て職場復帰し、仕事と子育ては両立できても、実際は昇進の可能性がないキャリアに固定されてしまっている「マミートラック」という状況に陥っている女性が少なくないからです。
そのため、気になる会社が見つかった際には、実際に子育てと仕事を両立しながらキャリアアップをしている女性がいるのかもチェックしておきたいところです。
まとめ
近年、女性も男性と同じように働き、キャリアアップできる社会になりつつある日本。
しかし「仕事をバリバリ頑張りたい女性」もいれば、「家事や育児を頑張りたい女性」もいて、理想とするライフスタイルは人それぞれ違います。
一度きりの人生、大切なのは理想のライフスタイルにいかに近づけるかということ。
そのためには20代でどう舵を切るかがポイントになってきます。
UZUZでは、20代の方を中心とした就職サポートを行っており、女性のキャリアカウンセラーも多数在籍しています。
そのため、女性ならではのライフプランに関するお悩みへのアドバイスや、女性目線で見た理想的な職場のご紹介なども可能です。
サービスは全て無料ですので、転職・就職のことで迷ったら、是非一度UZUZへお気軽にご相談ください!
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