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「高卒認定試験(大検)」を取ったあとの就職活動の進め方について解説

「高卒認定試験(大検)」を取ったあとの就職活動の進め方とは?

高校に行かなかったり中退したりしても、高卒資格を取れる試験があるって聞いたんだけど、それって「大検」のことかな?
かつては「大検」と呼ばれていましたが、今は「高卒認定試験」といいます。

高校を卒業していない方でも、高校を卒業したのと同等の学力を持っていることを認定されるのが「高卒認定試験(高認)」です。

かつては「大学入学資格検定(大検)」という試験がありましたが、平成17年度に制度が変更されました。

高認とはどんな試験なのか、大検とはどのように変わったのか、就職活動の進め方など、気になる高卒認定試験についてご紹介します。

この記事の監修者

岡本啓毅HIROKI OKAMOTO

株式会社UZUZ 代表取締役

1986年生まれ、北海道出身。第二の就活を運営する「株式会社UZUZ」を立ち上げ、数多くの就職サポートを実施してきた。“自らと若者がウズウズ働ける世の中をつくる。”をミッションに、Twitterで「仕事をウズウズ楽しむ情報」を、YouTubeで「就職・転職で使える面接ノウハウ」を発信。SNSの累計フォロワー数は9万人を超える。

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高卒認定試験(高認)って何?

高卒認定試験(高認)って何?

高認とは、正しくは「高等学校卒業程度認定試験」といいます。

高等学校を卒業していない方の学習成果を評価し、高等学校を卒業した方と同じ程度の学力があることを認定するための試験です。

合格すれば、大学・短大・専門学校を受験することが可能になります。

また、高校を卒業した方と同じ学力を持つと認定されるので、就職や資格試験に活用することもできます。

受験要綱を整理しましょう。

認定試験の趣旨高校を卒業していない者にも大学入学の資格を付与するための試験(就職においても、高校卒業と同等に扱うよう働きかけている)
受験資格16歳になる年度より受験可能(大学入学資格保持者は除く)※全日制高等学校等の在籍者も受験可能
試験実施回数年2回(8月・11月)
受験科目

※組み合わせにより8科目~10科目の合格で資格認定
国語
地理・歴史
公民「公共」
数学
理科「科学と人間生活」「物理基礎」「生物基礎」「地学基礎」「化学基礎」
外国語「英語」

参考:文部科学省「高等学校卒業程度認定試験

一度で全ての必須科目に合格する必要はありません。

合格した科目は次回の試験からは免除され、次年度以降に持ち越すことも可能です。

また、実用英語技能検定(英検)・実用数学技能検定(数検)・歴史能力検定(歴検)などの資格を持っている方は、試験科目を免除される場合があります。

監修者コメント

岡本啓毅HIROKI OKAMOTO

令和6年から受験要項が変更に!

令和6年の試験から、試験科目が変更となっています。

もともと選択科目となっていた「地理」「歴史」「現代社会」の3科目が、以下のようにそれぞれ統合され必修科目となります。

  • 地理AB → 地理
  • 世界史AB、日本史AB → 歴史
  • 現代社会、倫理、政治・経済 → 公共

これにより、選択科目は理科だけになり、理科の科目選択状況によって合格に必要な科目数が8~9科目となります。

科目数は減るものの、地理・歴史・公共(公民)は、まんべんなく勉強する必要がでてきたので、注意しておきましょう。

参考:文部科学省「⾼等学校卒業程度認定試験における試験科⽬、合格要件、免除科⽬、出題範囲の変更等について

大検との違いは?

大検との違いは?

高認の前身となる試験が、大学入学資格検定(大検)です。

平成17年度から、大検が「高卒認定試験」に変わりました。

一番大きな変化は「受験資格」です。

大検の時は、全日制高等学校や高等専門学校に在籍している場合は受験できませんでしたが、高認では受験可能になりました。

平成28年度第1回試験では570人、全体の12.4%にあたる方が全日制高校に在学中に高認を受けています。

高校在学中の場合、病欠などで取得できなかった単位を、高認に合格することで取得したと学校に認めてもらえる場合もあります。

ただし、単位を取得したと認めるかどうかは学校長の判断となるため、あらかじめ学校と相談が必要です。

どれくらいの人が受験して合格しているの?

どれくらいの人が受験して合格しているの?

どれくらいの人が受験して合格しているのか気になるなあ……。
直近の受験結果の推移を見てみましょう。

文部科学省が発表した資料から、受験者と合格者の推移を表にしたものが下記です。

毎年、2万件弱の出願があり、少ない年でも1万6千人程度が受験している、大規模な試験であることが分かるでしょう。

【高等学校卒業程度認定試験実施結果推移】              (単位:人)

年度出願数受験者数合格者数合格率
令和元年度22,47419,8538,93144.9%
令和2年度18,82516,6547,68146.1%
令和3年度20,21517,7048,09745.7%
令和4年度19,65317,1547,96146.4%
令和5年度19,19116,8137,93247.1%

参考:文部科学省「令和2年度第2回高等学校卒業程度認定試験実施結果

参考:文部科学省「令和3年度第2回高等学校卒業程度認定試験実施結果

参考:文部科学省「令和5年度第2回高等学校卒業程度認定試験実施結果

合格率はどの年も50%を切っているのかー!結構、難しい試験なんだね!
そうですね。決して簡単な試験ではないので、やはり対策は必要になってきます。

認定に必要な科目を一度の試験で全て合格するのは、簡単ではないようです。

そのため、複数年にわたり受験して、コツコツと合格科目を増やしていく人もいます。

高卒認定を取得すると広がる可能性とは

高卒認定を取得すると広がる可能性とは

高認に合格する一番のメリットは、大学、短大、専門学校の受験資格を得られることです。

高校を卒業できなかった方でも進学できるようになります。

国家公務員採用一般試験(高卒者試験)や税務職員採用試験でも、高卒と同等とみなされ、採用試験を受けることができます。

その他、受験資格に「高等学校卒業およびその他大学に入学資格を有する者」とある資格試験を受けることも可能です。

  • 小学校教員資格認定試験
  • 幼稚園教諭資格認定試験
  • 衛生管理者免許試験
  • 作業環境測定士試験
  • 職業訓練指導員試験

これらの資格は、高認に合格することで受験が可能になります。

高卒認定を取得すると受けられる「就職に有利」な資格

高卒認定を取得すると受けられる「就職に有利」な資格

高認を取ることで、自分のその後のキャリアの幅を広げることができます。

以下は高認を高認を取れば受験できる資格の一部です。

衛生管理者

衛生管理者免許は、50名以上の従業員がいる会社では必ず1人置かなくてはならないため、就職に有利な資格です。

高認取得後、3年以上労働衛生の実務についた経験がなくては受験できません。

しかし、その分就職に有利で求人も多いようです。

参考元:文部科学省「資格の紹介(第一種衛生管理者、第二種衛生管理者)

教員資格

また、「教育に関わる仕事がしたい!」と考えている方には、小学校教員資格認定試験や特別支援学校教員資格試験という試験もあります。

教員免許を取得するには、大学などで教職課程を修了することが必要です。

しかし、この試験に合格すれば、小学校教諭の二種免許状や特別支援学校自立活動教諭一種免許状が取得できます。

合格率や受験者数などは公表されていません。

筆記に加え、口述試験もある大変難しい試験ですが、「教員になりたい!」という夢を持つ方ならチャレンジする価値はあります。

高卒認定取得後に受けられる資格試験については、以下の記事でも詳しく解説しています。

ぜひ、合わせてご覧ください。

高認のための勉強は自分でできる?

高認のための勉強は自分でできる?

高認合格を目指す場合、予備校などに通わず自力で勉強することも可能です。

出題範囲は現在の高校で使われている教科書に対応しています。

自力で勉強する場合、ぜひチェックしておきたいのが過去問題です。

平成30年度から令和5年度までの6年分の過去問題は、文部科学省のサイトに掲載されています。

無料で手に入れることができるので、まずはこちらで勉強してみましょう。

類似問題も多数出題されていますし、傾向も分かります。

過去問題を解いてみて苦手な教科が分かったら、書店などで販売されている高認の参考書を購入して分からないところを解決していきましょう。

また「独学では合格する自信がない」という方は、予備校に通うという選択肢もあります。

予備校は通学するか通信教育かを選ぶことができます。

費用は通学の場合は、入学金・授業料・施設費・教材費などを含めて50万円程。

通信教育の場合は1教科20,000円から40,000円程となります。

予備校や入学する時期によっても費用は変わるので、各予備校に問い合わせてみてください。

参考元:文部科学省「高等学校卒業程度認定試験問題 過去実施問題

高卒認定を取得すると就職に有利になる?

高卒認定を取得すると就職に有利になる?

高認に合格することは就職にも有利になります。

高認資格を取得すると、応募資格が「高卒もしくは同等の学力を有する」となっている仕事にも応募することができるからです。

また、国家試験の受験資格や合格後の取り扱いでは、高認合格者は高卒者と同等に扱われるようになります。

高認に合格すれば、公務員になることも可能になるのです。

また、今後はさらに多くの企業などでも同等の扱いがされるよう、国からも働きかけが行われています。

高校卒業した場合との違いとは

高認を高卒と同等と扱うかどうかは、それぞれの企業の判断に委ねられています。

応募資格が「高卒」となっている場合、高認合格ではNGとされる場合もあります。

面接までこぎつけた場合でも、就職のための面接時に、「なぜ高校を卒業しなかったのか?」を聞かれることもあります。

監修者コメント

岡本啓毅HIROKI OKAMOTO

高卒認定を中卒扱いする企業は少数派

高卒認定試験に合格しても「高卒資格」を得たわけではないので、その点は注意しなくてはなりません。

あくまで「高校卒業と同程度の学力を有する」と証明されたということです。

高卒認定試験合格者をどのような位置づけとするかは、実際のところ企業に委ねられているのが現状です。

古い資料にはなりますが、平成22年度の文部科学省の調査では以下のようになっています。

  • 高卒認定は高卒と同等 25.9%
  • 学歴で差をつけていない 17.7%
  • 高卒認定者が受験したことがない 44.9%
  • 高卒認定を中卒扱いとする 1.3%

高卒認定試験合格者を、中卒と同じ扱いとする企業はごく少数派です。

とはいえ文部科学省も制度の周知を図ることで、高卒同等の扱いとするように企業に働きかけているため、今後高校認定試験合格者は、就職においても高卒同等と認められていく可能性はあるでしょう。

参考:文部科学省「高等学校卒業程度認定試験合格者の企業等における扱いに関する調査の結果について

高卒認定は履歴書にはどう書いたら良い?

高卒認定試験に合格すれば、履歴書の学歴覧に記載ができますが、その際は誤解が生じないように注意しましょう。

高認は、あくまで「高校を卒業した方と同等の学力を有する」ということを認定する試験ですので、最終学歴は「高等学校卒業」とはなりません。

最終学歴が高卒となるのは、あくまで高等学校を卒業した場合のみなのです。

履歴書の学歴欄には、卒業中学校の後に「〇〇年 高等学校卒業程度認定試験 合格」と記入しましょう。

高卒認定合格から就活する場合の面接対策

高卒認定合格から就活する場合の面接対策

高校に行かなかった、もしくは中退した理由は面接で必ず聞かれます。

企業の担当者によっては「根気がないのではないか?」「仕事をすぐ辞めてしまうのではないか?」と、マイナスイメージを抱くことも考えられます。

こうしたマイナスイメージを払拭するためにも、面接対策は重要です。

想定される質問に対して、前向きに感じてもらえる回答を準備しておきましょう。

合格に向けた頑張りをアピールする

高卒認定合格に向け努力した事実は、十分なアピールポイントになります。

事情があって高校を卒業できなかったが、奮起して高卒同等の資格を得たのだから、相当の努力があったはずです。

努力したプロセスや受験を決断した動機は、しっかりアピールしましょう。

高卒認定合格はある意味、挫折から立ち上がった経験です。

粘り強さや辛抱強さも感じてもらえるように、面接での回答を練り上げましょう。

人柄や熱意でアピールする

高校を卒業しなかった(できなかった)事実は変えられません。

その分、面接では人柄や仕事に対する熱意が伝わるように、しっかりとアピールしましょう。

かなりの努力を要して高卒認定に合格したのですから、自信を持って堂々と振舞ってください。

認定試験合格のモチベーションが「この会社で働くことであった」、というような熱意が伝われば、きっと道は拓けていきます。

一般常識を再確認しておく

採用する企業側は、高校を卒業していないことで、「一般常識が備わっていないのでは?」という点を気にします。

一般常識は、身だしなみや言葉遣いで確認されるので、十分に注意しましょう。

面接においては第一印象が重要です。

ここで、つまずくと本来の良さが出せないまま、好印象を持ってもらえなくなることもあります。

身だしなみなど外見に関する部分は、事前に対策することができます。

家族以外の第三者に、おかしくないか見てもらうなど確認を怠らないようにしましょう。

高校中退者向けの就活サポート

高校中退者向けの就活サポート

「高認に合格しても就職活動に不安がある」という方は、就職までに力を貸してくれるインターンシップもおすすめです。

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以上の記事に詳しく記載されています。

高認に合格した後、就職について不安をお持ちの方は、ぜひハッシャダイに登録してみてください。

ただ、ハッシャダイを利用する上で一つだけ注意したい点があります。

それは、「1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)」にお住まいの方は利用できないということ。

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まとめ

様々な理由で高校を卒業できなかったとしても、高認にチャレンジすることで自分の可能性を広げることができます。

就職に役立つというだけでなく、自分のスキルアップや学力を確認することも可能です。

自分の学力を試すことで、自分に自信を持つことにもつながります。

また、一度の試験で合格できなくても、数年かけて合格を目指す方も多い。

まずは1科目合格を目指してがんばってみてはいかがでしょうか?

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執筆・編集

第二の就活 編集部

「“はたらく”をもっと身近に」をテーマに、就活=不安・やりたくないと感じる気持ちを変えるコンテンツを発信しています。編集部のメンバーは、全員が既卒や第二新卒の経験者です。だからこそわかる「就活に対する怖さ・逃げたい気持ち」に寄り添い、正しい情報をイラストや動画を用いてわかりやすく伝えていきます。

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