建設機械は、エンジニアやプログラマーなど、専門性の高い開発・メンテナンス職の求人が多く、新卒・既卒を問わず積極的に採用活動をしている業界です。国内の建設機械メーカーは、世界的にも高いシェアを誇っています。
ハイスペックなだけではなく、高い技術力と確かなアフターサービスで支持されている建設機械。特に理系出身の方と親和性が高い職種の多い、建設機械の業界研究をご紹介します。
建設機械業界の基礎知識
最も市場規模が大きいのは「油圧ショベル」
油圧ショベルは、建築機械の中でも最も市場規模が大きいことで知られています。
主に掘削で使用されますが、アタッチメントを変えることで土砂だけではなく、石を破砕することが可能になったり、ビルの解体に使われることもあります。製造メーカーによって呼称はまちまちで、油圧ショベル以外にも、ユンボヤパワーショベルなどの商品名が使用されています。
世界中のインフラを支える
ダンプカーやショベルカーなどの建設機械。
大きなものが多く、普段生活をしているとあまり馴染がありませんが、建設機械がなければ、道路や橋をつくることができません。つまり、建設機械は世界中のインフラを支える大切なものであり、住宅や建物の建設だけではなく、多くの現場で必要とされているのです。
専門性が高い
建築機械とひとことでいっても、取り扱う建機はさまざま。油圧ショベルやクレーンなどを、専門で扱っている企業も珍しくありません。
業界再編の動きが加速する中で、専門性の高い企業同士が業務提携をしたり、経営統合をしたりすることも増えてきました。
建設機械業界のシェア!国内業界TOP3まとめ
1位 コマツ
世界シェアでも2位を誇るコマツは、米国キャタピラーに次ぐ勢力で、ITを駆使した先進経営に定評があります。鉱山用機械を強化しており、グローバルな展開を進めていることで知られ、売り上げの8割近くを海外であげています。
全社員47417名の内外国籍の社員は58%です。(2014年時点)
平均年収は719万円で、平均年齢は38.3歳です。
2位 日立建機
日立製作所と技術面での連携を強化している日立建機は、「日立住友重機械建機クレーン」を100%子会社化しています。また米国ジョンディアとも連携を進めるなど、再編の動きをみせています。
平均演習は663万円で、平均年齢は37.3歳です。
3位 コベルコ建機
油圧ショベルを専業で行っていたコベルコ建機は、北米事業を再編中でテコ入れをしています。
また2016年4月には、クローラークレーンに強みを持つコベルコクレーンと経営統合をしました。
建設機械業界における理系向け職種とは?
エンジニア
建設機械業界では、多くのエンジニアの求人がみつかります。
企業によっては、「サービスエンジニア」「セールスエンジニア」「製品開発エンジニア」など、役割を分担してさまざまなエンジニアが活動しています。
サービスエンジニア・フィールドエンジニア
コンサルティングを兼ねたサービスエンジニア・フィールドエンジニアの場合には、お客様が購入した建機やレンタルしている建機にトラブルが発生した際、故障を診断してエンジニアの派遣を要請します。
また修理や修理費用の見積もりを行い、代替機のレンタルの提案をすることもあります。修理・メンテナンスに特化したサービスエンジニアは、お客様の元へいち早く向かい機械を修理します。機械の稼働しない時間を少しでも短くするよう、迅速な対応と的確な判断が求められます。
セールスエンジニア
営業職と技術職の要素を備えたエンジニアで、営業担当者と一緒にクライアントの元へ出向いて、要望を聞いたり機械の説明を行います。
現場へ足を運ぶことが多く、クライアントとも接触する仕事なので、技術力だけではなくコミュニケーション能力が求められます。
製品開発エンジニア
新製品の開発に携わるエンジニアで、顧客から要求されるスペックを満たすだけではなく、品質の高いものを作り上げていくやりがいのある仕事です。
担当する建築機械によって求められる専門知識が異なり、高い専門性を必要とされるので、専攻や経験をいかして働くことができます。既卒や第二新卒でも積極的に採用を行っている企業も多くあります。
プログラマー
建設機械業界では「無人化」がキーワードとなっており、24時間稼働の現場を中心に、作業者不足をおぎなるためにさまざまな職場で無人化された建機が使用されています。
例えばドローンを用いた建設現場の測量や、無人で鉱山を走行するダンプカーなど。これらを制御する為の、各種プログラミングを自社で行う企業もみつかります。
建設機械業界のおすすめポイント
グローバルなフィールドへ目を向け活躍できる
建設機械業界では、海外の新興国や北米での需要拡大があり、内需だけではなく外需の拡大により、グローバルなフィールドで活躍できる人物を求めている企業が多くあります。就職活動や転職活動の際には、専門性の高い知識だけではなく、英語や中国語などの外国語を話すことができると評価されることも多いです。
世界を視野に仕事をしたいとお考えの方は、是非志望企業の海外拠点数や、外国籍の社員の比率などにも注目して志望先や職種を決めてくださいね。
メンテナンスで永続的に収入が入る
機械は売って終わりではなく、定期点検やメンテナンス、そして交換部品の販売などのアフターサービスも重要なポイントです。つまり、低迷期であっても建機が稼働を続けている限り定期的に売り上げをあげることができ、採算も良いことで知られています。
これは、建築機械がハードな環境下で使用されることが多く、部品の破損が多いことも一因です。
おわりに
建設機械の業界研究をご紹介しましたがいかがでしたか?国内業界TOPのコマツは、全社員の約58%が外国籍です。内需の低下が見込まれているので、今後も積極的に海外に進出していく企業が多くなるとみられています。
日本だけではなく世界中のインフラを支える大切な建設機械。やりがいのある仕事に挑戦し、技術者としてキャリアを積んでみませんか?
(参考書籍:会社四季報業界地図2016年版 東洋経済新報社)