もくじ
地方の特色ある名産品をモチーフにしたキットカットはお土産としても喜ばれ、年齢、性別を問わず知らない人はいないほどの人気商品になりました。「きっと勝つ」という縁起物として受験生からも多くの支持を集めています。
そんなキットカットを始めとし、飲料や加工食品など私たちの生活になくてはならない商品を世に送り続けるネスレ株式会社。創業150周年を迎えたネスレについて探ってみたいと思います。
「ネスレ」日本の概要
スイスに本社を構えるネスレは、世界2位のシェアを誇る食料品を取扱う企業です。ネスレ日本株式会社は、ネスレ・アングロ・スイス練乳会社が1913年(大正2年)に日本支店を横浜に創業したのが始まりとされています。
当時材料を輸入に頼っていたものを1933年に日本国内の企業でもある藤井練乳と提携することで国内での生産が可能になりました。2013年には創業100周年を迎え、日本全国に支社と支店を置くほど成長を遂げたのです。
ネスレグループはヨーロッパやアジア、アメリカなどを筆頭に世界各地で商品が販売されており、2015年現在のネスレグループの売上高は888億スイスフランという驚異的な数字も報告されています。2015年12月現在、ネスレグループの社員数は約2500人が在職。ネスレグループが提供するネスレブランドが世界各地で流通していることになります。
「ネスレ」ロゴマークに秘められた想い
ここではネスレの商品に使用されている会社のロゴに着目してみたいと思います。ネスレのロゴは、創業者のアンリ・ネスレ氏の家紋が用いられたとされています。それは、ネスレという語源がスイス語で鳥の素を意味し、鳥の巣は母親の愛情を表すものであるからです。母親の愛情という温かな精神が代々ネスレのロゴとして使用されています。
1868年に定められて以降、鳥の巣をベースにロゴマークは数回改定されていますが、1995年に現在のロゴに定着しました。ロゴマークはじっくり見る機会は少ないかも知れませんが、改めて見ると企業の精神や思いを知るツールにもなるのではないでしょうか。
食生活に密着した「ネスレ」の事業内容
ネスレは食品や乳製品はもちろんのこと、飲料や加工食品、そして薬品やペットフードなどその商品は多岐に渡ります。特にKitKatを代表とする主力ブランドも売り上げに大きく貢献しています。
また、コーヒーの製造ノウハウを生かし、カプセル式のカフェシステムや、家庭用のコーヒーマシンなど自宅でも手軽に本格的なコーヒーを楽しめる機器作りにも特化しています。
コーヒーのNESCAFEや麦芽飲料でもお馴染みのMILOなどオリジナルのブランドは、展開されている種類が豊富で、幅広い世代から親しまれています。皆さんも生活の一部として愛用している商品もいくつもあるのではないでしょうか。
新しい採用の仕組み「ネスレパス」
多くの企業は就職活動の解禁日を定めているのに対して、ネスレは学歴や年齢、そして国籍などの垣根を取り払い、優秀な人材を発掘することを目的とし新しい採用方法として「ネスレパス」を取り入れています。
ネスレパスは、時期を定めないオープンなエントリー方式と、年3回の中から選考の時期を選べるというものです。選考の日程が選べるので、研究や論文など学業を優先させることが可能となります。
学歴や年齢も問わないという考え方から、1年生からでも受験が可能になるのです。実際にエントリーをした後は、ネスレから指示された課題に取り組み、グループディスカッションなどを経て、個性や募集する職種などを踏まえてマッチングを行います。
通過した人にはネスレチャレンジプログラムと呼ばれる、社員参加型の研修(2日間)に参加し、最終的に面談を経て合否が決定されるという仕組みです。何度でもチャレンジでき、学業と並行して就職活動を行えるというのも学生に寄り添った新しい採用の仕組みと言えるのではないでしょうか。
キャリア形成のための「ネスレアソシエイト」
出典元:ネスレ
選考を合格した人たちは、一般的には内定者という位置づけですが、ネスレでは内定者を仲間としてとらえ「ネスレアソシエイト」と呼んでいます。「主体的なキャリア形成」をサポートするため、人事担当者から内定者にフィードバックを行い、内定者自らが気づきや意欲を持って働ける機会を提供しているのです。
採用面接での結果などはフィードバックしてもらえる機会は少ないため、それを元にした今後の目標を作るきっかけにつながります。また客観的な視点でのアドバイスは、今までの人生を振り返り、新たな気持ちで仕事に向き合う良いきっかけにもなるのではないでしょうか。
「ネスレ」の求める人物像
出典元:ネスレ日本
ネスレでは、生活に密着した食料品を世界規模で生産、販売していることから、食から得られる栄養や健康、ウェルネスなどの視点を重要視しています。そんなネスレが求めるのは新しいアイデアや価値を見出し、人や物、社会に対してイノベーションを起こせる人材です。
しかし簡単に変革や価値を見出せるわけではありません。そのため人材の要素として『志の高さ』『リーダーシップ』『感性の鋭さ』『ポジティブ思考』『バイタリティ』の5つを目標として定めています。
考え、実践し、広い視野を持って評価を行う。
シンプルなサイクルですが、実は奥が深く難しいものです。社会のニーズを的確に捉え、新たなものを作る視点を持つ人をネスレは求め、並行して人材も育てていることが伺い知れます。
「ネスレ」の面接では
ネスレでは、個人面談や10人前後のグループディスカッション、そして集団面接が行われます。個人面接で質問される項目は、学生時代に取り組んだことや、志望動機、そして友人との思い出などベーシックな質問が多いのですが、簡単な質問が故に答え方や言葉の選び方などで人間性を確認しているようです。
グループディスカッションでは本社がスイスにあり、世界の各地に開発拠点や工場があることから、経済や時事問題に関する質問も出されるので、日頃からニュースやネスレの拠点がある地域の情報などはチェックしておいた方がいいでしょう。
まとめ
いかがでしたか。世界を代表とする食料品メーカーの一つでもあるネスレ。新しい採用の仕組みを取り入れ、内定者は仲間として共に歩んでいく姿勢など共感できる部分が多いのではないでしょうか。海外に行っても目にすることができるネスレ商品は、言葉や国を超えて交流できるツールになるかもしれません。