あなたは向き不向きのどっち?銀行業界に向いている人の特徴
それでは、銀行業界に向いている人はどのような人なのか解説していきます。自分と照らし合わせてください。
預金業務に向いている人
預金業務は、正確さが重要です。そのため細かい作業でも、忍耐強く行える人が好ましいです。また、常に数字を扱います。そのため、数字に強い人であればなお良いです。とくに『正確な数字』で語れる人は、預金業務に向いています。普段から、具体的な数字で話をする人は、向いていると言えるでしょう。
また、預金業務は窓口で行うことが多いので、コミュニケーションスキルも必要です。窓口業務は、多種多様のお客様の応対をしなくてはなりません。礼儀正しい言葉を使うのはもちろん、不愉快なことがあっても顔に出さずに常に笑顔で働くことができれば、言うことはないです。
貸付業務に向いている人
貸付業務には、冷静な判断力が不可欠です。融資相手がどれだけ人間的に良い人でも私情を挟むわけにはいきません。一人の行員として、最善の答えを出す必要があります。
また、「融資が可能」と判断した先には、説得力のある稟議書が必要になってきます。冷静さと判断力、この二つが大きく問われる業務です。
為替業務に向いている人
為替業務には、どうしても几帳面な正確が求められます。真面目であることはもちろんですが、几帳面でないとなかなか務まりません。また、同じような作業の繰り返しになりますので、忍耐強さも必要です。
スピードを求められる仕事も多いですが、為替業務の場合求められるのは、正確さです。1つ1つ丁寧に仕事をこなしていける人には、向いています。
外回り業務に向いている人
取引先を定期的に回るのですから、取引相手に気に入れられた方がなにかと得です。集金をしながら他の営業もすることができるからです。そのため、愛想の良さが必要になってきます。
また、外で営業する際には先輩行員の力は借りられません。あなた自身で営業をする必要があります。そのため、金融商品の説明が相手によく伝わるように、説明上手であるとなお良いです。知らないことは素直に「知らない」「わからない」と言えることも大事です。知ったかぶりや見栄を張る癖がある人には、不向きと言えるでしょう。誠実であることを、何よりも心がけてください。
投資・信託業務に向いている人
お客様から大金を預かる仕事です。そのためお客様に「この人になら預けても良い」と思っていただく必要があります。金融商品に精通していることはもちろん、対象の商品をわかりやすく説明する伝達力も問われます。自分だけがわかっているのでは、売れません。お客様が理解して、納得してくれないと、金融商品は決して売れません。
また、お客様に都合の悪い状態になった時も、素直に伝えることが必要です。都合の悪いことを隠してしまえば、信用を失ってしまいます。一度失った信用は返ってきません。そのことは、よく知っておいてください。
もちろん、FP(ファイナンシャルプランナー)の資格を持っていれば、それだけで有利です。
決めた!銀行業界に入りたい!銀行業界に入るのは大変なの?
ここまでの話を踏まえて、「銀行業界に入りたい」と考えた方に、銀行業界に入るのが、どの程度困難なのか、聞いていただきます。
銀行業界の人気の理由:何故銀行は就活生に人気なのか?
2014年に新聞社が発表した『就活生が就職したい企業ランキング』では、銀行の名前が上位にいくつも入っています。かいつまんで紹介しますが、全体ランキングの3位に三菱東京UFJ銀行、4位に三菱UFJ信託銀行、7位に三井住友信託銀行、9位に三井住友銀行、とベストテンになんと4つも銀行の名前が入っています。
このアンケートは国内の全ての企業を対象にしたものです。銀行業界がいかに就活生に人気なのかが、わかるかと思います。では、何故ここまで人気なのか、その理由についても聞いてください。
銀行業界が人気な最大の理由は、イメージです。固い職業、高給取りである、世間体が良い、というイメージが強く根付いています。そのため、銀行員が実際にどのような仕事をしているのかもよく知らずに、銀行員になることを望む人も多いです。
また、親の世代に人気があるのも大きいです。「銀行勤めなら安心」と思っている親御さんは非常に多くいます。そのため親に勧められて、銀行業界に入る人も少なくありません。
就職倍率:狭き門と言われているけど本当?
銀行業界に入るのは、決して簡単とは言えません。とくに一部の銀行では競争倍率が高いことで有名です。
たとえば、2015年入行の新卒倍率ですが、第二地方銀行の神奈川銀行の就職倍率は、なんと68倍です。これは全金融業界の中でも6番目の数字になっています。他にも、八千代銀行が41倍、北海道銀行が33倍と、非常に狭き門です。
もちろん地方銀行や、第二地方銀行、信用金庫の一部には、現実的な倍率で就職できる銀行もあります。ただし、銀行業界自体が狭き門であることに変わりはありません。
離職率:銀行の離職率が知りたい!
「意外」と思うかもしれませんが、銀行業界の離職率は、決して低くはありません。とくにメガバンクと言われる、三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行の離職率は、非常に高いです。
実は、メガバンクでは毎年大量の新卒者を採用しています。それは、規模が大きいからという理由だけではありません。途中退職者が毎年多いため、その補充も兼ねているのです。銀行業界から離職する理由は、純粋に肌に合わない人が辞めることと、やはり激務が原因です。
残念ながら正確な離職率は公表されていません。しかし、実際に働いている人の声を総合すると、1年以内の離職率は1割、5年以内の離職率が3割、10年以内の離職率が5割と言われています。
中途採用の有無
中途採用を行わないイメージがある銀行業界ですが、実は少数ながら中途採用も行っています。メガバンクや大手の地方銀行でも中途採用を行っていますので、たとえ新卒でなくとも、銀行業界に入れる可能性はゼロではありません。
中途採用を行う理由は、純粋な人手不足です。せっかく入行しても、離職してしまう人も少なくない業界です。そのため、中途採用を行って人員不足を埋める銀行も少なくありません。あなたが仮に、新卒の方でなくても銀行業界に飛び込めるチャンスは決してゼロではありません。
まとめ:向き不向きはある!人によっては生涯の職にすることも可能!
いかがでしたでしょうか。
銀行業界を簡単に言ってしまうと、現金を扱うサービス業です。現金を扱う細かい仕事と、人と向かい合う接客の両方が要求されます。また、行内ではお客様にも同じ行員にも、常に見られている仕事です。「心休まる暇がない」と感じることも少なくありません。
しかし、現金を扱うだけあって、他の業種ではなかなか経験ができない、大きな仕事をする機会には恵まれます。あなたの仕事次第で、近所の店が大きくなることや、誰かの夢が叶うことも少なくありません。やりがいは十分にある業界です。
人によって向き・不向きが大きく分かれる業種ではありますが、あなたに合えば、生涯の職にすることも可能です。就職倍率は高く、入るのに大変な業界ですが、チャレンジする価値のある業界です