もくじ
皆さんは「施工管理」という仕事に対してどのようなイメージを持っていますか?
「残業や休日出勤が当たり前」「気性の荒い職人さんとやり取りしなきゃいけない」「ハードワーク」などマイナスイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。
実は、
- 文系・理系・性別を問わず採用される
- 手に職がつく
- お金が稼げる
- 将来性もある
というかなり好条件な仕事なんです!
もちろん施工管理職は、決して”楽な仕事”ではありませんし“残業が一切ない”というわけでもありません。
でも、「施工管理職=男性の仕事」でも、「経験者しか就けない仕事」でもなく、女性でも未経験でも目指せる職種なんです。
最近では、残業の少ない会社も増えてきていますし、働き方改革によって施工管理職の労働環境が改善されることも期待できます。
ここでは初心者向けに「施工管理の仕事内容」を徹底解説していきます。
この記事で分かること
- 「オフィス」と「現場」で働く施工管理の仕事内容
- 施工管理の4大管理「工程管理」「品質管理」「原価管理」「安全管理」とは何か
- 施工管理職の採用条件
- 施工管理に就くメリット
- 残業が多い理由と「労働環境の整った会社」を選ぶ方法
女性や未経験者の方も、是非ご一読ください!
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そもそも施工管理の仕事内容とは?
施工管理はたくさんの仕事を担当しています。
以下に、1つの案件に対して施工管理が担当する仕事を作業する順番に並べてみたので「どんな仕事があるのか」確認してみましょう。
- 実行予算の作成
- 工事用仮設設備の計画、配置
- 機器配置、配管等の納まりの検討
- 資材発注、管理
- 工事施工図作成
- 工事利益の管理
- 現場監督、指導
- 工程管理
簡単に言うと「工事現場で新しく建築物を施工する際に、いつ・どこで・誰が・何をすれば設備が効率的に出来上がるかを考え、実行し、発生する問題を解決していく仕事」なんです。
施工管理職には、「オフィス」と「現場」の仕事がある
実際には、「だいたい週2~3日は現場での仕事」「それ以外がオフィスでの業務」でオフィスにいることも多いんです。
オフィスでの仕事
「設計図」は、お客さんや公的機関に向けて作られた、広さや高さ・形状などが分かる図面。
一方で「施工図」は、職人さん向けに作成された図面で、機器の配置や配管の納まりなどを反映させた細かい寸法が記入されています。
施工図の良し悪しで建物の出来栄えが変わってしまうくらい施工図は重要な図面なんです!
そして設計図から施工図に変換する際に必要になるのが「CAD(Computer aided design=コンピュータ支援設計)」。
コンピューター上で作図を行うソフトなのですが、初心者がいきなり使いこなせるものではありません。
ただCADは独学で習得可能なので、使えるようになっていた方が、就活においても就職してからも有利ですね。
現場での仕事
特に重要なのがスケジュール管理。
何か問題が起きた際は、迅速な対応が求められます。
また、現場が忙しい時は職人さんのお手伝いをすることもあるんです!
施工管理のメインの仕事「4大管理」ってなに?
あれこれやるように見える施工管理の仕事ですが、内容は意外とシンプル。
大きく以下の4つに分けられます。
- 原価管理
- 工程管理
- 品質管理
- 安全管理
施工管理ではこれらを「4大管理」と呼んでいます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
原価管理
原価管理は、施工管理の仕事内容で挙げた「工事利益の管理」に該当します。
工事を行う時には、発注元に「工事代金=工事を行う時にかかる費用(原価)+利益」を請求します。
工事における原価とは、「人件費や重機代、材料費など工事をする上で実際にかかった費用」のこと。
施工管理は、工事が着工する前に作成した実行予算と照らし合わせて、予算内に納まりきちんと利益が出せるかどうかを確認し、調整していきます。
工事が数ヶ月に及ぶ時は、毎月支払いを計算しながらきちんと利益が確保できるかどうかチェックし続けるのも大事な仕事なんです。
工程管理
工程管理とは工事が納期までに完成するように、作業のスケジュールを管理すること。
施工管理は工事が始まる前に、
- どのような順序で工事を進めるか
- どの重機を何台用意するか
- いつ・何人の職人さんが必要か
といったことを入念に考えて、「工程表」と呼ばれるスケジュール表に落とし込みます。
工事が着工すると施工管理は、その工程表を基に「スケジュール通りに進んでいるか」どうかをチェックしていきます。
どれだけ緻密にスケジュールを組んでいても、予定通りにはなかなか進まないもの。
なぜなら天候を読むのは難しいからです。
雨で作業が遅れた場合は別の日に取り戻し、決められた日に工事が終わるよう調整していく必要があるのです。
品質管理
品質管理は、施工管理の仕事内容の「資材発注、管理」に該当します。
工事を予算内に終わらせることも大切ですが、原価を抑えるために粗悪な資材を使用するわけにはいきませんよね。
資材一つひとつには品質基準が設けられており、それらをクリアしたものを発注します。
しかし、工事で使うコンクリートや土は、天気・季節・水分量などの条件によって品質に影響がでることも……!
そのため「資材の管理」も重要な仕事なんです。
品質基準を満たした資材を”最適な条件”で組み合わせたり管理したりするのが、品質管理の仕事です。
安全管理
安全管理は、施工管理の仕事内容の「現場監督、指導」に含まれます。
工事現場は高い所で作業したり、大きな重機を使ったりと常に危険と隣合わせ。
しっかり安全対策を取らなければなりません。
例えば、
- この材料はここに置くこと
- 高所作業時は安全帯をつけること
- 職人同士、声をかけあうこと
- 機器の点検を欠かさないこと
などのルール・決まりを現場で守ってもらうように指導します。
その他、天候によって注意すべきことが変わってきます。
- 真夏日など暑い日は特にこまめに水分補給する
- 強風の日は資材などが飛ばないように対策する
- 豪雨の日は危ないので作業を中止する
などです。
施工管理は、現場に携わる従業員が事故無く、安全に工事を終えられるように安全面を管理します。
施工管理は「未経験」「文系」「理系」「女性」でも採用されます
採用理由が分かれば、そんな疑いは消えるでしょう。
ここでは、「なぜ施工管理職は採用の間口が広いのか」について解説していきます。
なぜ施工管理職は「未経験」でも採用されるのか
人手不足の原因は「若者離れ」。
建設業界に対してマイナスイメージを持っている若者が多く、人材の確保が難しいのが現状です。
高齢化はどの業界でも見られることですが、若手が少ない分、建設業界の高齢化は特に顕著。
そうした状況もあって建設事業は常に一定の需要があり、今後もこの傾向は続くと考えられています。
建設企業では、「長期的に働いてくれる人材確保」=「若手技術者の確保」が急務となっています。
そのため、こぞって20代の未経験者や第二新卒者を積極的に採用しているんです。
ちなみにこの人材確保は、国からも”後押し”されています。
それが「建設業働き方改革加速化プログラム」。
建設業働き方改革加速化プログラムってなに?
このプログラムは2018年に国土交通省によって策定されました。
主な取り組みは以下の3つ。
- 給与・社会保険に関する取り組み:給与アップを支援
- 長時間労働の是正に関する取り組み:週休2日制導入の後押し
- 生産性向上に関する取り組み:IT化を進め、効率的に働く
これにより、「労働環境を大きく改善して効率的に働く」ことが期待できます。
国土交通省:建設業働き方改革加速化プログラム
施工管理は、実は女性“だからこそ”活躍できる仕事
意外かもしれませんが、施工管理は女性も積極的に採用されています。
施工管理経験者(女性)の“ぶっちゃけ”話
もちろん男性中心の中で働くので同じだけの体力が求められます。
でも健康と体力に自信があれば女性には”もってこいの仕事”かなって思います。
女性ならではの”強み”があるから。
例えば、スケジュール管理は実は女性の方が得意な場合が多いんですよね。
「どうしたら良くなるか」を突き詰めていくと、必ず女性ならではの解決策が見つかります。
あと、現場の職人さんは「人情に厚い」人が多いので、女性の方が情に訴えながら上手く職人さんとコミュニケーションを取っていけば、どんどん知識を吸収していけるんです。
でも、女性ならではの不利な点もあります。
女性が少ないから”女性にはできないだろう”って決めつけられたりするんですよね。
でも逆にそれをバネに”覆してやる~!”って楽しめるんですが(笑)。
引用元:(※)doda職種図鑑「施工管理の仕事内容とは?」
施工管理は「資格なし」でも挑戦できる
施工管理は、幅広い業務をこなしていきますが特に資格は必要ありません。
そのため、建設関係出身じゃなくても問題なく転職できるんです。
施工管理として働くメリットは?
- 手に職が就く
- 将来的にしっかり稼げる
- 今後も需要があるから、仕事がなくなる心配がない
手に職がつく
ちなみに大学で建築系の学科など指定された学科を卒業している場合は、1年以上の実務経験でOK。
「2級建築施工管理技士」とは、建築工事現場にて監督や進行の管理(主任技術者)として従事できる国家資格です。
2級建築施工管理技士の資格があれば建設会社だけでなく、工務店・ハウスメーカーなどでも幅広く活躍できるうえ、責任のあるポジションに就けます。
キャリアアップや転職においても有利な資格です。
さらに、2級合格後に5年以上の実務経験を積めば、よりハイポジションの仕事に従事できる「1級建築施工管理技士」の取得も可能。
施工管理職で身につく「スケジュール管理能力」「マネジメント能力」「コミュニケーション能力」はどんな業界でも重宝されるスキル。
なので、たとえ別職種に転職することになっても有利になります。
将来的にしっかり稼げる
施工管理は”稼げる仕事”です。
まずは、厚生労働省が行った2018年の賃金調査を基に平均年収を見てみましょう。
そのデータによると、サラリーマンなどを含む全職種の平均年収は497万2,000円で、建設業に従事する人の平均年収は509万3,000円です。
施工管理の平均年収は、全職種を130万円ほど上回っているんです。
また、前述した通り「2級建築施工管理技士」になると、工務店・ハウスメーカー・大手建設会社に転職もできるので年収アップが図れます。
以下に、年収例を挙げました。
▼年収例
年収420万円 / 26歳 経験2年 /月収31万円(月給24万円+残業代+一律手当)+賞与
年収420万円 / 26歳 経験2年 /月収31万円(月給24万円+残業代+一律手当)+賞与
年収540万円 / 30歳 経験4年 /月収40万円(月給30万円+残業代+一律手当)+賞与
年収850万円/31歳 入社3年(1級建築施工管理技士資格者/月収40万円)+賞与・諸手当
引用元:建設・設備求人データベース「施工管理1435人の年収を独自調査!業態別や年代別に平均年収を紹介」
今後も需要があるから、仕事がなくなる心配がない
先にも伝えた通り、建物は必ず老朽化して建て替えが発生したりリフォームが必要になったりします。
つまり施工管理には常に一定の需要があり、今後も仕事がなくなる心配は要りません。
施工管理職の「残業」を徹底解説!
正直言って、施工管理は「残業の多い職種」です。
dodaによる2019年度調査「残業時間ランキング」によると、上位に「施工管理職」がランクインしています。
- 1位:設備施工管理(41.6時間)
- 2位:建築施工管理(36.7時間)
・・・
- 6位:土木施工管理(34.2時間)
企業によってはさらに残業の長いところも。
データだけ見ると怖くなる人も多いと思いますが、現状が分かればきっと考えが変わるでしょう!
ここでは、
- 施工管理の残業が多い理由
- 残業の少ない施工管理職の見極め方
- 労働環境が改善されており、残業が見直されていること
の3つの項目から残業について徹底解説していきます!
引用元:doda「残業時間ランキング2019」
なんで施工管理職は「残業」が多いの?
- 新人の場合、段取りのコツがつかめず残業になってしまうから
- 天候次第で工事が遅れてしまい、最終的に残業が発生することがあるから
それぞれ詳しくチェックしてみましょう。
新人の場合、段取りのコツがつかめず残業になってしまうから
新人は覚えなければならないことがたくさんあったり、慣れない仕事が多かったりして作業に時間がかかるもの。
これは施工管理職に限ったことではありませんよね。
段取りが上手くいかずに結果として残業に……。
ただし、経験を積んでいくと効率よく仕事が進められるようになるので、残業は自然と減っていきます。
天候次第で工事が遅れてしまい、最終的に残業が発生することがあるから
建設のほとんどは”外”でやるもの。
だからどうしても天候に左右されてしまうんです。
雨が続くと作業が遅れてしまい、なんとか納期に間に合わせるために調整が必要となり残業につながります。
例えば建物の完成が遅れて、お店のオープンに間に合わなかったとしましょう。
売り上げの損失が発生しますよね?
また、顧客からの信頼も失ってしまいます。
そのため、「工事の期日」はこちらの都合で勝手に変更はできないのです。
施工管理に限らず、ビジネスでは期日を守るのが常識。
ただ工事の場合は、天候を予測することは難しい。
どうしても遅れが巻き返せない場合は残業でカバーしなければならないのです。
「残業の少ない」施工管理職はないの?
先に示した残業時間は、職種全体の“平均値”であって、すべての企業で残業が多いわけではありません。
残業の少ない施工管理職の見分け方について教えましょう。
ポイントは「元請け案件を受注できる施工管理の企業」と「未経験を採用している施工管理の企業」に絞ること。
元請け案件を受注できる”大手企業の施工管理職”は特に狙い目です。
大手の場合は法を遵守するので、”ありえない工期設定”で工事が進められることはありません。
また建築業界は、以下のような「ピラミッド構造」になっており、底辺に近づくほどブラックな労働環境になるといわれています。
一方で、上層に位置する“元請け”の案件を取ってこれる企業であれば、比較的労働環境は整備されているんです。
また、「未経験採用している施工管理の企業」も狙い目。
入社後にきちんと教わらないままでは、やり方が分からないまま仕事を進め、結果として顧客に迷惑をかけてしまう場合も考えられます。
顧客の信頼を損なうことは、絶対に避けたいもの。そのため、企業としても“しっかり教育”することが必須なんです。
「施工管理職=ブラック」とひとくくりに考えるのではなく、「劣悪環境な施工管理職」を避けることが大事なんです。
UZUZでは、「土日祝にきっちり休める企業」や「平均残業が20時間程度」などの“労働環境が整っている”企業の求人もご紹介しています。
施工管理の残業は減る?働き方はどんどん改善されている
具体的には施工管理職が「ブラック」といわれる要因であった、
- 短納期の工事
- 週休1日制
- 36協定の残業時間の上限規制が、建設業は適用されない=残業の上限がない
などを改善するプログラムがスタートしています。
今後、業界全体で労働環境が整えられていくでしょう。
まとめ:未経験でも施工管理には挑戦できる
ここまでお話した内容をまとめます。
- 施工管理は現場だけでなくオフィスワークも多い
- 「原価管理」「工程管理」「品質管理」「安全管理」の4大管理が主な仕事
- 施工管理は「未経験」「性別」「文系」「理系」関係なく採用される
- 施工管理の経験を積めば、国家資格の取得をはじめ、高いマネジメント能力が身につく
- 安定した需要があり、高給取りな職種
- ブラックな労働環境を避けるには、「未経験者を採用している企業」「元請け案件を獲得できる企業」の施工管理職を目指すとよい
- 今後、施工管理職の労働環境は大幅に改善されることが期待できる
一般的にブラックな印象の強い職種でも、きちんと仕事内容を理解して、正しく就活を進めれば、働きやすい職場に就職できます。
まずはあなたに合っていて、「目指したいと思える職種」を見つけることが最も重要です。
施工管理の場合は、
- 人と関わる仕事がしたい
- 「コツコツ頑張ればお金を稼げる仕事」に就きたい
- スケジュール管理は割と得意
といった人が向いています。
とはいえ、未経験の仕事に挑戦するのは正直怖いもの。
だからこの記事を読んで「施工管理、ちょっと気になるな」と思った方は、UZUZにご相談ください!
- もう少し施工管理について詳しく知りたい
- フリーターでブランクがあるけど、それでも挑戦できる?
- まだ迷ってるけどちょっと話を聞いてみたい
どんな質問でもUZUZのキャリアカウンセラーが“ホンネ”でお答えしますよ!
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