もくじ
文部科学省が公開している「短期大学について」のデータによると、平成31年3月に短期大学(短大)を卒業した人の数は52,664人。
一般的に、就学期間が2年あるいは3年の短期大学は、4年制大学と比較すると、学歴として必要以上に軽く見られやすい傾向にあります。
そのため、実際に短大に通う人、これから短大への進学を考えている人、短大卒で転職を考えている人達からは、
- 短大卒は就職に不利なのでは?
- 就職先の選択肢が少ないのでは?
といった不安の声が聞かれることも……。
就活の話というと、4年制大学を卒業する人たちの話が話題になりがちですが、短大卒の就活事情はどうなのでしょうか?
そんな疑問を解決すべく、今回は、
- 短大卒の卒業後の進路
- 短大卒が就職活動を行った場合の内定率
- 短大卒が就職を成功させるポイント
などを中心に、短大卒の就職事情を徹底解説したいと思います。
- これから短大を卒業する人
- すでに短大を卒業し、現在フリーターや無職の人
- これから短大への進学を考えている人
など、短大卒であることに不安を感じている方はぜひチェックしてみてくださいね!
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【就職?進学?】短大卒の卒業後の進路とは
先ほど、平成31年3月に短期大学(短大)を卒業した人の数は52,664人とお伝えしましたが、同データによると、そのうち就職をした人は男女合計で43,098人。
つまり、短大を卒業した人のうち81.8%、約8割の人が「就職の道」を選択しているということになります。
なお、就職の次に多い進路は「大学、短期大学の本科、別科、専攻科への進学」で8.5%、次いで「一時的な就労者」つまりフリーターなどが1.8%、「専修学校・外国人学校等への進学」が1.3%、その他不明などが6.5%となっています。
文部科学省の「学校基本調査-平成30年度結果の概要-」によると、平成30年3月に大学を卒業した人のうち、就職した人の割合は82.9%。
つまり、大学を卒業した人と比較しても、就職する人の割合は大差がないのです。
また、同データによると、短大卒の就職者の割合は毎年増加傾向にあることもわかっています。
短大卒で就職した人の業界は?
短大卒であっても大卒とほぼ大差なく就職は可能ということはわかりました。
しかし、「就職できたとしても業界が限られているのでは?」と不安に思う人もいるのではないでしょうか。
大学では社会科学や工学、人文科学といった分野を専攻する学生が多いのに対し、短大では教育や家政、保健など、実際の生活や職業に近い分野を専攻する学生が多い傾向にあります。
参考:文部科学省短期大学の現状に関する参考資料
そのことを踏まえた上で、先ほどと同じ文部科学省のデータを見ると、平成30年3月に短大を卒業した人の就職先の産業別の割合のトップ5は、次のようになっています。
- 1位……医療、福祉(42.8%)
- 2位……教育、学習支援業(16.3%)
- 3位……卸売業、小売業(11.8%)
- 4位……宿泊業、飲食サービス業(6.2%)
- 5位……製造業(5.6%)
短大卒はどんな職種に就職している?
文部科学省のデータを詳しく見てみると、短大卒で就職した人の職業別の割合のトップ3は次のようになっています。
- 1位……専門的・技術的職業従事者(61.6%)
- 2位……事務従事者(15.5%)
- 3位……販売従事者(9.7%)
全体のうち圧倒的な割合を占めている「専門的・技術的職業従事者」ですが、これらは、具体的にいうと介護福祉士や保育士や幼稚園教諭、看護師、栄養士などの職業です。
これらの職業に就くためには、基本的に国家資格や免許が必要となるため、短大卒の就職先には「手に職」のある仕事が多いといえます。
前の項目でもお伝えしたとおり、短大生は大学生と比較すると、生活や仕事に役立つ分野を専攻しやすい傾向にあります。
そのため就職先についても、短大で学んだことが比較的ダイレクトに活かせる職種が多いのが特徴。
卒業後の進路については大学生よりもイメージがしやすいかもしれません。
短大卒で就職活動した場合、内定率はぶっちゃけどう?
短大卒の就職率(卒業者全体のうち就職した人の割合)は81.8%ということはわかりましたが、それよりも気になるのは就職内定率(就職希望者のうち内定をもらった人の割合)ですよね。
文部科学省が2020年2月に発表した「令和元年度大学・短期大学・高等専門学校及び専修学校卒業予定者の就職内定状況調査」によると、2020年2月1日時点における2019年度の短大卒業予定者の就職内定率は89.3%。
前年度の同時期と比較すると1.7ポイントの減少となっています。
しかし、同じく文部科学省が2019年11月に発表した「令和元年度大学等卒業予定者の就職内定状況調査(10月1日現在)」では、短大(女子)卒業生の4月1日現在での就職内定率は次のように推移しており、近年は比較的高い水準で安定していると考えられるでしょう。
ただし、2020年度に関しては新型コロナイルスの感染拡大で就職活動や採用活動にも何らかの影響があることが考えられるため、今後の動向には注意が必要です。
短大卒が就職成功するには、“若さ”がポイント
未だ新卒至上主義どころか大卒至上主義の風潮が強い日本社会。
「大学卒」と「短大卒」であれば、やはり就職には「大学卒」の方が有利だと考えられがちです。
しかし、実は主に次の2つの理由から「短大卒」を率先して採用する企業もあるのです。
- 若さ
- 給与(雇用コスト)の低さ
「若さ」や「給与(雇用コスト)の低さ」が短大生の魅力と聞くと、「それだけ?」「短大生ならでは魅力ではないの?」などと少し残念に感じてしまう人もいるかもしれません。
実際に、厚生労働省が発表している「平成30年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況」を見ても、平成30年の学歴別の初任給は以下のようになっており、大卒と比較すると短大卒は大卒より給与が低いことがわかります。
- 大学院卒………………238,700円
- 大学卒…………………206,700円
- 短大・高専卒 …………181,400円
- 高卒……………………165,100円
しかし、捉え方を少し変えれば、
- 大卒よりも早く現場の仕事を覚えることができる
- スキルを磨けばキャリアアップが可能
ということ。
また、仮に短大卒業後に新卒で入社し、その後転職を考えた場合でも、社会人としての経験を大卒より多く積んだ状態でリスタートすることが可能です。
初任給は低いものの、若い年齢から仕事をスタートさせキャリアを身につければ、その会社での「昇給」や場合によっては「転職」を通して、年収をアップさせることができます。
そのため、短大生の武器である「若さ」の威力を十分に発揮するためにも、就職活動はできるだけ早く始めることをおすすめします。
まとめ:短大卒で就職先が決まっていない人は、UZUZへ駆け込もう!
ここまで、短大生の就活事情や就活のポイントなどをご紹介してきましたが、重要な点を以下にまとめます。
- 短大生の就職率は約8割
- 短大生の就職先として割合の高い業界は医療・福祉や教育系
- 短大生の就職先として割合の高い職種は専門職や技術職
- 短大生の就職内定率は近年95%以上の高い水準で推移している
- 短大卒の強みは「若さ」
実際のデータを知ることで、短大卒に対する不安な気持ちも少し和らいだという人もいるのではないでしょうか。
これは短大卒に限らず、就活全般を通していえることですが、基本的に就活を始めるタイミングは早ければ早いほど有利です。
「短大卒だから……」とネガティブに捉えず、積極的に就活に取り組んでいきましょう!
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