UZUZで就活したとある就職成功者の話を元に、なぜその第二新卒・既卒の就活がうまくいったのか「要因」を探るシリーズ記事です。第七弾では「就活の軸」を定めずに就職し短期離職した第二新卒が、その後どのように就活したかを紹介しています。
第六弾の記事はこちら→既卒就活は「やりたくないこと」を見つけたらうまくいく。かもしれない。
経済的事情を理由にNさんは大学を中退しました。3浪までして入った大学でしたが、学費を払うために励んだアルバイトのせいで授業に出席できず、負のスパイラルに陥ってしまったためです。
大学中退後に就職活動を始めたNさんは、ここで大きな過ちに気づきます。学生として優遇されていた頃より就職情報の入手が困難となっていたのです。しかし、大学を辞めてなおアルバイトに明け暮れていては本末転倒。下調べが足りないまま、漠然と決めた「事務職」に就職します。
入った会社は土日も関係なく労働が課せられる、いわゆるブラック企業でした。仕事内容も環境も合わない…。このまま仕事を続けて行くのは困難だと判断し、入社5ヶ月で転職活動を開始します。そして短期離職の末、勝ち取った次なる会社とは…。
一度はブラック企業を選んでしまうも、第二新卒として次のステージを勝ち取ったNさんの経験をもとに、転職活動での“失敗しない仕事選び”のヒントを紹介します。
就職先の調査を怠り、ブラック企業に…
Nさんの最初の就職活動の敗因。それは「事務職」という条件だけで就職先を判断し、調査を怠ったことにあります。
「営業職は苦手な気がする」その理由のみで事務職を希望していたNさんでしたが、実際に行った仕事は内勤営業にあたるものでした。労働環境も決して良いとは言えず、朝から終電まで土日も関係なくテレアポをかけ続ける日々。
次第に「与えられた業務をこなしているだけで専門性が身に付かない。将来性もない」とやりがいを失っていきます。「長く働くためにはここを抜け出さなければ」と考えたNさんは、思い切って退職を決意します。
派遣での下積みは正社員になれない?
就職活動時から「事務職」を希望していたNさん。しかし正社員での事務職の間口は狭く、転職活動でもなかなか希望に沿った会社が見つかりません。
まずは派遣社員として事務職に就き、スキルを高めたところでゆくゆくは正社員に…という青写真を描き、一度は派遣社員となったNさんでしたが、これもよくある失敗例にハマった形でした。2012年に派遣社員から正社員へ登用された割合は、わずか3%。正直現実的とは言えません。
最初から正社員雇用を狙って派遣社員になるのであれば、「紹介予定派遣」という手段があります。紹介予定派遣とは、「一定期間(最長6ヶ月)派遣社員として働くが、派遣先企業と労働者の双方の合意があれば直接雇用契約を新たに結ぶ」ことができるというもの。しかし、この制度を利用したことのある企業は5.3%という低水準です。
参考元:厚生労働省「派遣労働者実態調査」
6 派遣労働者を正社員にする制度
7 紹介予定派遣制度
転職時に知っておくべき第二新卒での転職市場
厚生労働省による一般職業紹介状況では、平成28年1月の時点で、事務職の有効求人倍率は0.34倍、特に人気の高い一般事務は0.27倍です。Nさんのように“なんとなく”で希望しても、正社員として内定を獲得することはとても難しいと言えます。
Nさんは派遣社員として就任中にも「ただ与えられた業務をこなしているだけで専門性が身に付かず、将来性がない」と感じていました。このままの心持ちだと、仮に事務職員として働くことができたとしても、仕事内容や環境に違和感を感じて長期的なキャリア形成ができず、長く働くことができません。
長期的に働ける仕事を見つけるためにも、既卒・第二新卒での就職活動は、業界ではなく、「働き方」「職種」で企業を選ぶことが望ましいのです。
そういう意味では、事務職という「職種」で仕事選びをしたNさんの行動は正しかったとも言えます。しかし、下調べが不足していると今回の事例のような失敗に繋がってしまいます。
失敗しない仕事選びをするには
キャリアカウンセリングを通して、Nさんの軸は「長期的に働く」「専門スキルを身につける」この2点にまとめることができました。軸を明確にした結果挑むべき職種の方向性が分かり、漠然としていた最初の就職活動から大きく前進できたのです。
転職活動の末、Nさんはインフラエンジニア職から内定を獲得できました。この仕事は、ITが必要とされる限り仕事があるので安定的に働くことができます。加えて人手不足に悩む業界でもあるので、教育を行った上で未経験者を採用する企業も多数あります。さらには技術職として専門的なスキルを身につけることができるので、まさにNさんの「軸」に合ったものでした。
このことから、仕事選びの条件を洗い出しなおかつ失敗しないためには、以下が重要であると言えます。
- 自分の「軸」をしっかりと持つこと
- 「軸」に基づいて、しっかりと下調べをすること
自身の軸を自己認識することは、希望通りの企業から内定をもらうための大きなポイントであり、仕事を長く続けていくためにも必要となります。
Nさんは当初“なんとなく”で仕事を選び、結果的にそれが短期離職に繋がってしまったわけですが、自身の軸を見つけたのちはスムーズに転職活動を行うことができました。とはいえ、自分だけで軸を見つけることは誰でも簡単にできるわけではありません。誰かの手を借りて徐々に自分の方向性を見出していく方もいます。
あなたが「軸や方向性の決め方がわからない」「就活について相談したい」と悩んでいるなら、就活エージェントなどのプロを頼ってみることをおすすめします。UZUZも20代の既卒・第二新卒専門の就職エージェントですので、あなたの力になれることがあるかもしれません。