もくじ
- 社会に貢献できる仕事がしたい
- ボランティア活動に関心がある
このような人の中には、「NPO法人」への就職を検討している人も多いのではないでしょうか。
労働の対価として給与を得るという仕組みは一般的な企業と同じですが、その収入源や働き方など少し異なる部分もあるため、事前にしっかりと理解しておく必要があります。
本記事ではNPO法人の仕組みや働き方をご紹介します。
NPO法人へ就職を考える際の参考にしてみてください。
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NPO法人とは?仕事内容と待遇について解説
NPO(Nonprofit Organization:非営利法人)とは「非営利」で社会貢献活動や事前活動を行う団体のことをいいます。
一般的な企業は「利益を出す」ことを目的にしているのに対し、NPO法人では「利益を追求しない」というのが特徴です。
まずは、NPO法人における仕事と待遇について解説します。
NPO法人ではどのような仕事をする?
NPO法人で働くといっても、事業を行うことで収益を上げ、次なる事業に取り組むという流れは民間企業と変わりません。
資金調達や広報活動などを含む、事業を運営するために必要な業務全般がNPO法人の仕事といえるでしょう。
規模が大きなNPO法人であれば、営業職、企画職などというように分業して仕事をしている場合もあります。
また、立ち上げたばかりのNPO法人であれば、事業運営全般に関わる様々な業務を任される場合もあります。
就職にあたって注意したいのは、必ずしもNPO法人のメイン事業に携われるわけではないということです。
海外支援事業を行うNPO法人では海外で活動できると思いがちですが、日本国内での資金集めや広報活動も重要な仕事。
これらの業務を担うことになった場合には、国内での営業活動が主な業務となります。
就業前に具体的にどのような業務を行うのか確認しましょう。
NPO法人の待遇は?
独立行政法人 労働政策研究・研修機構が発表した「NPO法人の活動と働き方に関する調査」によれば、2014年調査時、NPO法人の正規職員の年間平均給与額は260万円となっています。
企業で働く一般社員の平均給与額が336万円であるのに比べて50万円以上も低く、NPO法人での仕事は決して待遇が良いとは言えない状況にあります。
参考:労働政策研究・研修機構(JILPT)「調査シリーズNo.139 「NPO法人の活動と働き方に関する調査(団体調査・個人調査)―東日本大震災復興支援活動も視野に入れて―」」
“非営利団体NPO法人”に就職したら給料はどうなるの?
NPO法人は「非営利団体」ですが、就職したら給料はどのような仕組みで支払われるのでしょうか?
ここでは、非営利法人の給料や収益源について解説します。
非営利であっても給料は支払われる
“非営利”という言葉から「無償でボランティアを行う」イメージを持つ方がいるのではないでしょうか。
しかし実際には、NPO法人で働く人の多くは毎月給与報酬を得る「有償スタッフ」として働いています。
NPO法人の目的は「利益を得る」ことではありませんが、利益を得てはいけないという意味ではなく、多くのNPO法人では事業を通じて利益を出しています。
この利益は各NPO法人の事業資金にあてられますが、NPO法人のスタッフに支払われる給料はこの事業資金にあたるため、スタッフの多くはNPO法人での活動により報酬を得ています。
NPO法人の収益源は?
NPO法人は主に
- 寄付
- 本業での収入
- 会費
により収益を得ています。
「寄付」はNPOやその事業に賛同する人や組織から拠出されるもので、継続性がない収入源です。
NPOの活動全体に対して行われる寄付と、一定の事業に対して行われる寄付があり、一定の事業のみが寄付の対象となった場合には資金の用途に制限がかかります。
また「本業での収入」や「会費」は毎月発生する収益であり、自由度の高い資金として活用できます。
NPO法人においても、一般の企業と同様に継続した本業収入をもつことで安定した事業運営を行うことができます。
ここでいう本業収入とは、NPO法人の事業の中で物品を販売したとき、サービスや労力を提供したときに得られる収入のことです。
例えば、フェアトレード商品や障がい者が製造した商品を販売した売上や、児童預かりサービスの利用料金収入などが該当します。
本業での安定した収入を得ていたり多くの寄付を募っているNPO法人では、資金が豊富なため様々な活動に取り組むことができ、スタッフの報酬も高くなる傾向にあります。
気になるNPO法人がある人は、その法人がどのようにして収入を得ているのか確認しておくと良いでしょう。
最新のデータでひも解く「NPO法人」の現状
コンビニと同じぐらいって……めちゃくちゃ多いんだね。
普段の生活の中で、NPO法人の存在を強く意識する場面は少ないかもしれませんが、いまや日本国内のコンビニと同じぐらいのNPO法人が存在しています。
ここでは、最新のデータをもとに、NPO法人の数や都道府県別、分野別の状況を解説していきます。
国内のNPO法人数はおよそ5万!
内閣府が公表したデータによると、2023年度01月末現在における認証・認定済みのNPO法人数は51,305です。
10年前の2013年度は49,610で、20年前の2003年度は16,182となっており、ここ20年間でおよそ3倍までNPO法人数が増加したことが分かります。
なお、先ほどもお伝えしたように、2023年1月における日本国内のコンビニ数は56,759と、NPO法人とほぼ同じ多さとなっています。
参考:内閣府「認証・認定数の遷移」
参考:日本ソフト販売株式会社「【2023年版】コンビニエンスストアの店舗数ランキング」
NPO法人数が多い都道府県トップ10!
次に、都道府県別のNPO法人数を見ていきます。
NPO法人数が多い都道府県トップ10は、下記の通りです。
第六位以降は地方エリアもランクインしていますが、第五位までは首都圏や都市部の都道府県が占めているのが特徴です。
NPO法人への就職を希望する人は、首都圏や都市部で求人を探すのが良さそうです。
参考:内閣府「認証申請受理数・認証数(所轄庁別)」
分野別では保健・医療・福祉が最多
NPO法人はそれぞれ活動目的や活動内容が異なり、中でも保健・医療・福祉分野が最多となっています。
内閣府公表の2023年09月30日現在における分野別データをランキングにすると、下記の通りです。
分野が違えば活動内容もまったく異なるため、自分はどの分野に携わりたいのか興味があるのかを明確にしておくことが欠かせません。
参考:内閣府「認証数(活動分野別)」
NPO法人に就職する3つの魅力
その他にも、柔軟な働き方や人脈の広がりといった利点もあるんですよ。
NPO法人に就職すると、社会貢献しているという実感を得やすかったり、柔軟な働き方を実現できたりといったメリットを期待できます。
ここでは、NPO法人に就職する3つの魅力を見ていきます。
また、就職自体のメリットや就活における軸の見つけ方については、下記の記事をぜひお読みください。
社会貢献しているというやりがいがある
NPO法人に就職する最大のメリットは、社会貢献しているというやりがいを感じられる点です。
NPO法人のほとんどは、社会問題を解決するために活動しており、実際に悩みを抱えている人と直接関わるケースも少なくありません。
このような場面では、自分の行動によって誰かを救い、そして感謝の言葉や笑顔をもらうことによりやりがいを感じられます。
また、解決するのが難しい社会問題に取り組む中で、課題が解決に向かう過程を見届けられるのもやりがいにつながります。
民間企業は営利団体のため、社会貢献ばかりを重視して活動することができません。
一方、非営利団体であるNPO法人であれば、社会貢献をメインとした活動を行っており、就活の軸を社会貢献としている人にはぴったりの就職先といえます。
柔軟な働き方を選びやすい
NPO法人には職員一人ひとりの多様性を尊重する団体が多く、自分の価値観やライフスタイルに合わせた働き方や生き方を実現しやすいのもメリットです。
例えば、業務中の髪型や服装に関する規則が緩やかであったり、フレックスタイムやリモートワークといった制度が導入されていたりします。
また、副業を許可するNPO法人もあり、NPO法人の収入だけでは生活が苦しい場合には副業で収入アップを目指せるのも魅力的です。
有給休暇や育休産休、通勤手当をはじめとした福利厚生も民間企業と同じように存在するため、安心して働き続けられる環境が整っています。
人脈が広がりやすく人生が豊かになる
NPO法人の活動では、地域社会や公共機関、民間企業など様々な組織や人と関わりを持つことになります。
また、他のNPO法人と協力し合ったり情報を共有したりする中で、業界内での人脈は広がっていきます。
その他、ボランティアを受け入れる場面もあり、国籍や年齢、価値観が異なる多様な人たちと出会うことができるのもNPO法人の魅力。
こうした出会いを通じて、物事の見方が変わったり新たな発見を得たりして、人生が豊かになっていくことでしょう。
NPO法人への就職について考える
ここからはNPO法人に就職するにはどうすればよいのかを考えていきましょう。
NPO法人の就職に向いている人は?
まず、NPO法人の就職に向いている人とはどのような人でしょうか。
前述の「NPO法人の活動と働き方に関する調査」によれば、NPO法人で活動している人の活動動機として最も多いものは「人の役に立ち、社会や地域に貢献するため」です。
また、活動を通じて得られたものとして最も回答が多かったのも「人の役に立ち、社会や地域に貢献できている」でした。
このことから、社会貢献意欲の強い人がNPO法人に向いているといえます。
求人はあるものの、口コミが多い
NPO法人へ就職しようと決めたら、求人情報を検索するのではないでしょうか。
インターネット上の求人情報サイトやNPO法人の公式サイト上には、多くの求人情報が掲載されています。
気になったものがあればそこから問い合わせてみると良いでしょう。
またNPO法人で多い就職方法としては、すでにNPO法人で働いている人や活動に参加している人からの紹介や口コミがあります。
その理由として、NPO法人が活動に共感し、共に活動できる人を求めていることが挙げられます。
すでに活動に参加している人からの紹介や口コミであれば、事業の良い面も悪い面もよく理解している人が多く、事業に共感し活動に参加する人を見つけやすいのです。
ボランティア・副業からはじめる方法もある
「今働いている仕事を辞めてNPO法人に就職するには不安がある」という方には、ボランティアや副業からはじめる方法もあります。
多くのNPO法人では週末やイベント時のみのボランティアを受け付けています。
実際に活動に参加してみた上で、NPO法人で本格的に働きたいか、仕事との適正が合うかを確かめてみるとよいでしょう。
おわりに
人や社会に貢献できるNPO法人の仕事は、社会貢献意欲が高い人にとっては非常にやりがいのある仕事といえます。
しかし、一般企業に比べ待遇が低いなどと課題があるのも事実です。
NPO法人での就業を考えるにあたっては、就職後に携わる業務を具体的に確認したり、就職前にボランティアや副業として活動に参加してみるのがおすすめです。
NPO法人の実際の活動を経験し、理解を深めておくことがミスマッチを防ぎ、やりがいのある活動につながることでしょう。
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