卒業してから企業に入社するまでの「空白期間」が長くなると、就職で不利になってしまう可能性もあるので、既卒だからといって気を抜いていてはいけません。
なので本記事では、既卒3年以内の人の就活の実態やポイントについて解説します。
これを読めば、既卒でも自信を持って就活に臨めるようになるはずですよ!
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既卒の定義とは?
そもそも既卒とはどのような人を指すのでしょうか。
一般的に既卒と定義されるのは、以下3つの条件を満たしている場合です。
- 学校を卒業してから3年以内の人
- 年齢は20代まで
- 正社員以外の経験者は既卒に分類
以下で詳しく解説します。
1.学校を卒業して3年以内の人
既卒とは、高校・大学・短大・専門学校を卒業後、正社員として一度も就職経験がない人のことを指します。
既卒に法的な定義はないものの、就職市場においては一般的に学校卒業後3年以内の人が当てはまります。
2.年齢は20代まで
既卒は学校卒業から3年以内の人を指すため、通常既卒と呼ばれる年齢は20代までとなります。
なかには数年浪人して大学に入学する人もいますが、既卒のまま30代を迎えてしまうと企業から“既卒扱いされない”ことが多くなります。
若さは社会人経験が無い人にとってアピールポイントの1つなので、年齢が上がらないうちに就職するのが得策です。
また厚生労働省による「労働経済動向調査」を見ると、新規学卒者枠での既卒者の応募については「年齢によって応募可能としたい」としている企業が13%あることが分かります。
既卒者の受け入れはあっても年齢で制限を付ける企業もあるため、年齢が上がると応募できる求人はさらに少なくなるのです。
参考:厚生労働省「労働経済動向調査」
3.正社員以外の経験者は既卒に分類
学校を卒業後、就職しなかった既卒生は、アルバイトや派遣社員として働いていたり、ニートとして過ごしていたりと様々。
いずれにしても、正社員として働いていない場合は既卒に分類されます。
既卒の期間はキャリアとしてカウントされないので、アルバイトや派遣社員として働いていても就活の際にはアピールできません。
既卒で応募できる求人枠
ここでは既卒3年以内の人が応募できる求人枠について紹介していきます。新卒枠・中途採用枠に加えて、既卒枠もあるので、チェックしてみるといいでしょう。
1.新卒枠
青少年の雇用の促進等に関する法律(若者雇用促進法)に基づき、厚生労働省から「若者の募集・採用等に関する指針」が発表されていることをご存知でしょうか。
その指針のうち、既卒生に関する内容は以下の通り。
- 既卒者が卒業後少なくとも3年間は「新卒枠」に応募できるようにすることや、できる限り上限年齢を設けないように努めること。
- 通年採用や秋季採用の導入等の個々の事情に配慮した柔軟な対応を積極的に検討するよう努めること。
この指針により既卒3年以内の人材も、新卒枠での応募を可能とする企業が増えています。
しかし上記は指針であり義務ではないため、全ての企業が実施しているわけではありません。
既卒3年以内とはいえ、年齢による制限を設けて採用を行っている企業もあるので注意が必要です。
また既卒者の就職活動の実態としては、厚生労働省の「労働経済動向調査」によると新規学卒者採用枠で正社員の募集を行った企業のうち、約70%の企業が「既卒者は応募可能」と回答しています。
新卒者に比べると応募できる企業は少ない状況ですが、それでも既卒者を受け入れる企業は以前よりも増えているため、前向きに就職を考えていきましょう!
参考:厚生労働省「若者の募集・採用等に関する指針」「労働経済動向調査」
2.中途採用
中途採用枠は、一般的に何かしらの経験・スキルを持った人が応募する枠です。
しかし企業によっては、経験やスキルがない既卒生も中途採用枠で応募を受け付けているケースがあります。
特に中小企業やベンチャー企業では、新卒で採用活動を行っても若い人材を確保しきれないため、間口を広げるために既卒も採用の視野に入れています。
しかし、だからといって既卒を積極的に採用している訳ではありません。
既卒で応募する場合、同じく中途枠で応募してくる第二新卒者と比較すると社会人経験がないという点で劣ってしまいます。
企業としては「戦力になる優秀な人がいれば採用したい」という気持ちなので、不利になるのは変わりないと思っておきましょう。
3.既卒枠
以前は新卒採用か中途採用かの二択しかなかった企業の採用枠ですが、最近では柔軟になり、既卒枠も増えてきました。
既卒の枠で就活するメリットは、企業が最初から既卒であることを理解したうえで選考をしてくれるということです。
他の応募者達も同じ状況なので、ハンデを負わずに選考を進められるでしょう。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
既卒と就職留年、どちらを選ぶべき?
就職活動がうまくいかない
様々な事情で就職活動ができないと悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
そんな人は「卒業して既卒者となるか、就職留年(就職浪人)して新卒にこだわるか」で迷っているかもしれません。
就職活動のためにあえて留年することを就職留年といいますが、就職活動において既卒と就職留年とでは、どちらがより有利なのでしょうか。
結論からいうと、就職活動においては新卒と同じ土俵に立てるという点で、就職留年する方がやや有利となる可能性があります。
近年は既卒の採用も増加してきたとはいえ、日本の採用市場においては経歴にブランクのない人が好まれてきました。
そのため、すでに卒業している既卒の方がやや不利となるのです。
ただし就職留年をすると、留年した分の学費を払わなければならないというデメリットもあります。
朝日新聞Thinkキャンパスによると、国公立大学の1年の学費は約54万円、私立大学の1年の学費は平均93万円です。
学費を用意できない、経済的な余裕がない、という方もいるかもしれません。
どちらの道を選んでも困難なことがあるため、後悔のない方を選ぶと良いでしょう。
参考:朝日新聞Thinkキャンパス「国公立の学費は年間54万、私立は93万…仕送り額は? 子どもの大学生活、いくらかかる」
既卒の就活については以下の記事も読んで参考にしてくださいね!
既卒者の就職活動の実態
既卒の場合、新卒と同じ就職活動では、内定を勝ち取れません。
また、新卒採用の就活とは違う悩みや苦労も出てくることでしょう。
ここでは、マイナビCREER RESARCH LAB「2023年度既卒者の就職活動に関する調査」による結果をもとにしながら、既卒者の就職活動の実態を紹介していきます。
参考:マイナビCREER RESARCH LAB「2023年度既卒者の就職活動に関する調査」
卒業後の活動の変化
マイナビCREER RESARCH LABの調査データによると、既卒者に「卒業後の活動について、在学中の活動と比較してどのように変化したのか」を聞いたところ、上位の回答は以下の通りです。
- 既卒者を受け付けている企業を選ぶようになった(51.3%)
- 在学中より業界の幅を広げた(51.1%)
- 在学中より職種の幅を広げた(32.4%)
- 憧れだけで企業を選ばず、自分の適性に沿って選ぶようになった(23.6%)
- 企業情報を収集する手段を増やした(23.5%)
- 在学中より勤務地の幅を広げた(21.1%)
以上の結果から既卒者がエントリー先、応募先を選ぶ際、在学中より視野を広げる動きがみられることがわかります。
「既卒者としての活動」への悩み・苦労
マイナビCREER RESARCH LABの調査データによると、卒業後の活動で「大変だったと思うこと」という質問に対する回答結果は以下の通りです。
- 既卒者としての活動の仕方がわからなかった(52.6%)
- 既卒者として就職活動している理由を聞かれる(50.6%)
- 既卒者の募集が少ない(44.9%)
- 既卒者募集をしている企業が探しづらい(40.7%)
- 新卒のように仲間がいないので進捗がわからない(35.7%)
以上の結果から新卒の時と比べサポートや情報がなく、就職活動がスムーズにいかないうえ、応募できる企業もなかなか探せないことが大変だったということが分かります。
既卒生になった理由は必ず聞かれるため、面接に臨むにあたって回答をしっかり準備する必要がありそうですね。
既卒が求人を探す具体的な方法を知りたい人は以下の記事も参考にしてください!
既卒3年以内の就活のポイントを6つ紹介!
就活が長引いてしまうと、身体的にも精神的にも負担が大きくなり、就活を進めていくモチベーションが保てなくなりますよね。
でも大丈夫です!
ここからは既卒が内定を貰うための6つのポイントを紹介していきます。
これを読めば、既卒3年目からでも就職が狙えますので、ぜひ参考にしてください!
1.既卒になった理由をまとめて話せるように準備する
既卒になった理由は採用担当者がとても気になっているポイントなので、面接で聞かれる可能性は非常に高いでしょう。
既卒になった理由を聞かれたら嘘をつく必要はありませんので、素直に伝えることが大切です。
しかし伝え方次第では、ネガティブなイメージを与えてしまう可能性があります。
重要なのは、既卒になった理由とそれを踏まえて「これからどうしていきたいか」をセットで伝え、働く意欲を見せることです。
2.空白期間に対する質問の回答を準備する
次に既卒としてどのように過ごしてきたのかも、採用担当者が気にするポイントです。
既卒の期間に取り組んでいたことを聞いて、仕事に対しての意欲や熱意を知ろうとしているのです。
アルバイトや派遣社員として働いていたとしても、その事実を伝えるだけではアピールにつながりません。
その期間に取り組んだことを通して、何を学び、何を考え、どのように成長したのかなどを伝えると良い印象をもってもらえます。
既卒3年目のように空白期間が長い場合は、その期間を経てなぜ今働く意欲につながったのか、という自身の変化についても回答できると良いでしょう。
3.行動量を増やす
既卒は新卒や第二新卒に対して、就活が不利になってしまうことは確かです。
そのため新卒や第二新卒と同じような行動量だと、内定を貰うのは困難になってしまいます。
業種や職種を絞り込みすぎず、関連企業や周辺の業界にも目を向け、応募できる企業数を増やしていくことが大切です。
業種や職種によっては、職歴や経歴に関係なく幅広く採用をしているところもあります。
また幅広く採用活動を行っている企業は、ポテンシャルや人間性を重視しているので、努力次第で採用される可能性が十分にありますよ。
なるべくたくさんの企業にエントリーして、内定を貰う可能性を高めていきましょう。
4.資格を取る
資格を取得すれば、スキルや知識が身につくので関連性のある仕事への就職が有利になります。
やりたい仕事が決まっている人は、その仕事に関連する資格を取得してみるのも良いでしょう。
企業から見ても、「資格を取得している=即戦力となる・仕事への意欲がある」と判断できるので、採用に前向きになります。
しかし資格によっては取得に時間が掛かるものもあるため、計画的に資格取得の準備を始めるといいでしょう。
5.入社後のビジョンを明確にする
既卒3年目のように空白期間が長く、仕事をする生活から離れてしまうと、将来に対するビジョンが浮かばなくなってしまいます。
「ただ働きたい」だけではなく、入社後に成し遂げたいことや将来目指す自分の姿を採用担当者に伝えると「入社する目的を見出している」と良い印象を持ってもらえるでしょう。
6.転職エージェントを利用する
既卒3年目となると「就活市場についてよく分からない」「就活の進め方が分からない」など、不安も大きくなるでしょう。
そんな時は、就活エージェントを活用するのも有効です。
就活エージェントを活用すれば、分からないことや不安なことが出てきた時に、アドバイスを貰えるため、安心して就活を進められるでしょう。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
空白期間は長くなるほど不利になる
「空白期間が長いと就活が不利になってしまい、内定が貰えないのでは?」と不安を抱えている人もいるでしょう。
例えば空白期間が半年の人と、2年以上続いている人とでは、圧倒的に短い方が就活に有利です。
空白期間が短ければ、企業からも空白期間について説明を求められないこともあり、ハンデが少なく就活ができるでしょう。
しかし空白期間が長期化してしまうと、企業から持たれる不信感が大きくなるため敬遠されがちです。
とはいえ就活が不利になるのは間違いないものの、決して内定を貰えないわけではありません。
面接時の伝え方次第で、十分に内定を貰える可能性があるので、悲観的にならず自信を持って就活に挑みましょう。
既卒で就活を成功させたい人はぜひ以下の記事も読んでくださいね。
まとめ
既卒から3年以内は新卒枠として応募できる企業も増えていますが、既卒生の就活は厳しいのは確かです。
空白期間が長期化すればするほど就職に不利になってしまうので、できるだけ早めに就活を始めることが大事といえます。
しかし、諦めず行動すればきっと就活が成功するはずです。
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