もくじ
ただし、休職中の転職活動は、あまりおすすめできません。
休職中の転職活動はリスクを伴う場合もあります。
この記事では、その是非について、解説していきます。
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休職中に転職活動することの違法性
そもそも、休職中に転職活動を行っても、違法ではありません。
そのため、法律的には問題なく休職中の転職活動が可能です。
ただし、就業規則に「休職中の転職活動を禁止する」と明記されている場合があるため、要注意です。
法律的に問題はなくとも、就業規則違反となるおそれがあるので、事前に記載がないかを確認しておかなければなりません。
そもそも休職とは
【休職・休業・欠勤の違い】
休職 | 私傷病など労働者個人の都合により、業務に対応できなくなった際に雇用契約を継続したまま、一定の期間就労を免除するもの |
休業 | 法律の定めにより労働者に与えられるもの(労災による休業や、育児・介護休業など)事業場の閉鎖など会社都合による休業もある |
欠勤 | 労働者の都合で就労義務のある日に勤務を休むこと |
傷病による休職は多くの企業で制度として設けられており、3ヶ月~6ヶ月程度の期限を設定していることが多いようです。
厚生労働省の労働安全衛生調査から、メンタル不調により1ヶ月以上の休職者が発生した割合の推移を見てみましょう。
【メンタル不全による休職者が発生した事業所の割合】
令和5年 | 令和4年 | 令和3年 | 令和2年 | |
---|---|---|---|---|
1ヶ月以上の休職者が発生した事業所の割合 | 10.4% | 10.6% | 8.8% | 7.8% |
常用労働者数に占めるメンタル不全者の割合 | 0.6% | 0.6% | 0.5% | 0.4% |
参照:公正労働省「労働安全衛生調査(実態調査)」令和2~5年「結果の概要事業所調査」
メンタル不調で休む人は、職場の人間関係や長時間労働などが原因となっている人も多いでしょう。
こうした人たちは、元の職場に戻りたくないと考えるのも自然なことで、休職中の体調のよい時に転職活動をしたいと思うのかもしれません。
ただ、肉体的な病気やケガ・メンタル不調いずれの原因にせよ、休職期間は会社が治療のための猶予を設けてくれているのです。
この期間の転職活動は、モラルに反することは認識しましょう。
休職中に転職活動するデメリット
その点について詳しく説明しますね。
転職先に業務へ支障をきたすと思われる
病気や怪我を理由として休職している場合は、転職先から業務へ支障をきたすと思われかねません。
現職において病気や怪我によって業務を遂行できない状態であることから、転職先でも同様に仕事ができない可能性があると考えられてしまうためです。
転職先から病気や怪我を理由とした休職の事実が判明すれば、採用を見送られる可能性もあります。
現職で処分を受けるおそれがある
休職中の転職活動が現職で発覚すると、処分を受ける恐れがあります。
休職中の転職活動を禁止すると就業規則に明記されていれば、就業規則違反として懲戒処分などを受けるでしょう。
特に、病気や怪我を理由に休職している場合は、会社に不信感を与えます。
そもそも休職は、会社が「やむを得ない事情で休職が必要である」と判断した場合に可能となる制度です。
休職中に転職活動を行えば、本来の業務が可能な状態ではないかと疑われることになります。
病状が悪化するおそれがある
病気や怪我で休職している場合は、状態が悪化して療養期間が長引く恐れがあります。
本来、病気や怪我での休職は、医師の診断を根拠にして可能となるものであり、十分な休養が必要な状態です。
無理して転職活動を行えば、心身へ悪影響を及ぼす可能性があります。
結果として長期療養を余儀なくされ、転職が決まった後に就業できなくなるなどのトラブルになることも考えられます。
転職先に休職中であることがバレる主な理由
休職中であることを隠し通せる保証はありません。
そのため、休職を隠さず復職後に転職活動するのが無難です。
源泉徴収票
源泉徴収票に記載された収入金額から休職に気付かれる恐れがあります。
退職年の年末調整時に、転職先へ前職の収入が記載された源泉徴収票を提出することになります。
前職の勤務期間に対して、明らかに収入が少なく記載されていることに気付かれると、転職先に不審がられるでしょう。
住民税の金額
住民税の金額から休職が発覚する可能性もあります。
住民税の金額は、前年の所得により決定されるものです。
そのため、住民税の金額が少なすぎると、前職で得た収入が少なかったことが判明してしまいます。
なぜ収入が少なかったのかと疑問に思われると、休職していた事実を隠しきれなくなってしまうのです。
傷病手当金の申請
転職先で病気が再発し、傷病手当金を申請する際に発覚する恐れがあります。
同じ病気によって傷病手当金を受け取るには、規定の通算期間を超えていないことが1つの条件です。
傷病手当金の手続きは労務担当者が行いますが、傷病手当金の申請が通らなかった場合、不審に思われ、事情を聞かれることで発覚する可能性があります。
また、再発を疑われた際に質問によって発覚した場合、入社時に業務へ支障をきたす可能性があったとして、最悪の場合は解雇につながります。
ただし、傷病手当金申請にあたって前歴照会により病歴などを確認できるのは、受給資格の確認のために照会が必要な健康保険組合および健康保険協会だけです。
病歴などは個人情報にあたるため、本人の同意なしに転職先による照会はできません。
そのため、傷病手当金を申請したからといって、必ずしも転職先に休職期間のあったことがバレるわけではありません。
雇入時健康診断
入社時に実施される雇入時健康診断における既往歴の記載によって、休職が発覚する可能性があります。
既往歴とは、これまでかかった病気のうち完治しているものの履歴であり、雇入時健康診断の項目に組み込まれています。
既往歴の記入によって過去に病気にかかっていた事実が発覚すると、それをきっかけに休職を疑われるかもしれません。
現職に休職中の転職活動がバレる主な理由
しかし、休職している身でありながら転職活動を行っていることが発覚すれば、現職から処分されるなどのリスクがあり危険です。
社員への相談
職場の同僚や先輩、後輩など社員への相談をきっかけとして、休職がバレる恐れがあります。
口止めしていたとしても、話したい気持ちを抑えられなかったり、うっかり口を滑らせてしまうなど、転職活動している噂が広まってしまうことが考えられます。
親しい人だけに相談したつもりでも、気がつけば社内全体に知れ渡ってしまう事態につながってしまうのです。
SNS
SNSで転職活動を匂わせる投稿をしたことがきっかけで、休職中の転職活動がバレてしまう恐れがあります。
匿名アカウントで投稿していても、親しい社員に明かしていたり、プロフィールや投稿の特徴から身元がバレてしまうことが考えられます。
匿名であることに油断して、休職中の転職活動について投稿すると、バレるリスクが高まりますし、得することは1つもないので、やめるべきです。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
休職中の転職活動が発覚することのリスクを考えて判断しましょう
ここまでの話をふまえ、一度休職中の転職活動について整理しましょう。
休養が必要として会社から許可を得て休職している状況です。
一般常識として、会社から休みをもらっているにも関わらず、転職活動をするということは、信頼関係に傷が入りますし、いいことではありません。
休職中に転職活動を行うのは違法ではないものの、発覚すれば働ける状態であるとみなされます。
休職中に転職活動を行った結果、復職後に病状が悪化した場合、再休職が難しくなるおそれがあります。
繰り返しにはなりますが、休職中の転職活動はリスクが大きいという面もあるため、よく考えてから判断してください。
本格的な転職活動は復職後がベスト
結論として、休職中の就職活動には違法性はありませんが、本格的に転職活動を始めるのは、復職後がベストなタイミングです。
面接で聞かれた場合にウソをつくと経歴詐称になることもあります。
後でバレた場合、内定取り消しや解雇になることはなくても、評価や昇進に影響することも考えられます。
信頼関係が築けず職場にいづらくなり、再び転職することにもなりかねません。
また、休職中に面接を受けると、後ろめたさが表情や動作に表れてしまい、不審に思われる可能性があります。
休職中であることがバレないかが気になって、面接に集中できなくなるかもしれません。
本来の自分を見せられず、選考で落ちてしまうおそれがあります。
面接に集中してベストな状態で臨めるように、また実際に働き始めてからのことを考えると、復職後の転職活動が望ましいです。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
復職後の転職活動について
「休職したことを履歴書に書けば、不利になるのでは…」と心配している方もいるのではないでしょうか。
履歴書に休職の事実を記載する義務はないものの、面接でのやり取りなどで、ウソをつけば経歴詐称になります。
発覚すれば内定を取り消されたり、入社後に経歴詐称を理由に解雇されたりするなど、リスクが高いです。
そのため、常識的に考えて、休職期間中のことを面接などで聞かれた際には正直に答えるべきです。
休職中におすすめの転職準備
時間があるのでじっくりと取り組めます。
転職準備でやるべきことは多く、力を入れておけば選考を有利に進められます。
自己分析
転職活動では改めて自己分析をするのが大切です。
過去に自己分析を行って就活に望んでいるものの、社会人経験を経た現状とは価値観が異なる場合があります。
実際に働くことで、自身の適性が見えてくることもあります。
これまでの経験を振り返り、自分の適性や身についたスキルなどを整理しておきましょう。
適性に基づいて業界や職種を絞ると、転職後に能力を発揮しやすいです。
業界研究・企業分析
世の中には数多くの業界が存在するため、まずはそれらを知ることが重要です。
これまで知らなかった業界を知って、興味が湧き、業界研究を通して、天職と思えるような職業に出会えるでしょう。
多くの業界を知っておくことが、自身の可能性を広げることにつながります。
また、入社を検討する企業についてもよく調べることも大切です。
心身の不調から休職しているのであれば、これまでの職場に何らかの問題があった可能性が高いのではないでしょうか。
もし、次に決まった職場が同じような環境だとしたら……。
そうならないためにも、興味のある企業があれば、その内情までしっかり調べて分析しましょう。
転職エージェントへの相談
休職中に転職エージェントへ相談しておくと、転職活動をスムーズに進められます。
休職中にどのような準備を進めればよいかが分かり、休職期間を有意義に過ごせるようになります。
就活のプロであるエージェントなら、自己分析をはじめとする転職準備のサポートを受けられる場合もあり心強いです。
自身の経歴やスキル、適性に基づいて求人を紹介してもらえるので、客観的にどんな企業が向いているのかを知るきっかけにもなります。
このように、転職エージェントへ早めに相談しておくと、様々なサポートやアドバイスを受けられるので、積極的に活用しましょう。
休職中でも本格的に転職活動をする場合の注意点
ただし、やはり発覚した時のリスクが大きいことは理解しておきましょう。
就業規則で禁止されていないかを確認する
就業規則で休職中の転職活動が禁止されていないかを確認しておかなければなりません。
就業規則で休職中の転職活動が禁止と明記されているにも関わらず行えば、違反とみなされてしまいます。
就業規則に違反すると、懲戒などの処分を受ける可能性があるため、就業規則で休職中の転職活動が可能かを確認しておきましょう。
転職先へ休職中である事実を伝える
転職先へ休職中であるという事実を伝えておくのが望ましいです。
内定後、転職先に休職中の転職活動であったことがバレる可能性はゼロではありません。
万が一、休職を隠していたことが発覚した場合、信用を失う恐れがあり、その後の信頼関係構築は絶望的です。
休職を隠していたことで、経歴詐称を理由に内定を取り消される事態にもなりかねません。
面接での質問やアンケート、リファレンスチェック等で就業状況について聞かれた際は、休職中であることを正直に伝えましょう。
休職中である事実をきちんと伝えた方が、誠実な印象を与えることもあります。
また、病気や怪我などを理由とした休職であれば、業務に支障をきたすと捉えられ、採用を見送られるかもしれません。
正直に話すことで、入社後に配慮が必要な点をしっかり伝えられるメリットもあります。
そのため、休職中の転職活動であることをあらかじめ伝えておくのが無難です。
けがや病気で休職中であることを伝える際には、どれくらいで完治するのか、転職後の業務に支障がないことも合わせて伝えましょう。
休職中の転職活動を伝える際のポイント
不利にならないように伝える方法ってあるのかな?
就労に問題がないことを伝える
採用する側からすれば健康面の不安がある以上、採用に踏み切ることは難しいものです。
第三者の客観的な証明があれば、その不安を払拭してもらいやすいため、医師の診断書等で、治療期間を修了すれば働ける旨証明してもらう方法がベストです。
休職中は本来であれば療養に専念すべきで、その点を面接官に指摘されることもあります。
その場合に備え、転職活動が治療に支障がないか医師に確認し、許可を取っておくことも忘れないようにしましょう。
休職した理由が愚痴や不満にならないようにする
休職の理由となった病気の原因が長時間労働やハラスメントであった場合、ストレートに伝えると、愚痴や不満のニュアンスが出てしまうことがあります。
事実であっても、面接でネガティブな印象を与えることは得策ではありませんが、転職を検討している理由は必ず聞かれます。
伝える時のポイントは、感情的にならないことです。
上手くいかない理由を周囲のせいにする人だと思われないように注意しましょう。
復職ではなく転職を選んだ理由をポジティブに説明する
体調を崩すなどして、休職している事実は変えられません。
転職を決意した理由をポジティブに話して、良い印象を持ってもらうことが大切です。
元の職場に戻るよりも、環境を変えた方が能力を発揮できる理由をしっかりと説明する必要があります。
これまでに身につけたスキルを活かしてどのように貢献していきたいか、未来志向で話せるようにしていきましょう。
転職理由をポジティブに伝える例文を、こちらの記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
休職中であることを隠したまま内定をもらった場合の対応
常識的に考えて、このようなことが起きてはいけませんが、休職中であることを隠したまま内定をもらった場合は、速やかに事実を伝えておくのが望ましいです。
万が一、入社後に休職の事実が発覚すると、不信感を持たれ、職場での居心地が悪くなるなどの影響が考えられます。
また、面接の質疑応答などで休職に関するウソをついた場合は、経歴詐称として解雇される恐れがあります。
そのため、できるだけ早めに休職していた事実を伝えておくのが良いです。
病気や怪我での休職の場合は、業務に支障のないことも伝えておきましょう。
まとめ
事前準備に十分時間をとれるので、自己分析などに力を入れることをおすすめします。
休職中に転職エージェントへ相談しておくと、今後の方針が明確になり、準備を着実に進められます。
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