もくじ
- 転職者向けにSPIを実施する企業は応募者のどこをみているのか
- 転職活動におけるSPIの対策と注意点
結論をいえば、中途採用においてもSPI対策は必要です。
この記事では、転職者に向けたSPIの概要と対策方法を解説します。
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SPI実施企業が多いため対策の必要性は高い
結論からお話しすると、中途採用で筆記試験を実施する企業は一定数あり、その中でSPIを実施している企業の割合は高いです。
そのため、転職活動においてもSPI対策の必要性は高いといえます。
dodaエージェントサービスが実施したアンケート調査によると、筆記試験ありとしている中途採用の求人は全体の51%です。
およそ半分の求人が、筆記試験を選考に取り入れていることがわかります。
次に、キャリエデュが実施した「2023年卒内定者調査」では、2023年卒の新卒者向け採用試験において、最も実施割合が高いWebテスト・筆記試験はSPIとなっています。
「Webテスト形式のSPI」が33.7%で最も多く、次いで「テストセンター形式のSPIテスト」が16.5%です。
キャリエデュの調査は、あくまで新卒採用においてSPIの実施率が高いことを示すにとどまりますが、SPIには新卒者向け「SPI-U」のほかに転職者向け「SPI-G」が存在します。
そのため、新卒採用でSPIを実施している企業が、中途採用でも同じくSPIを実施するケースは少なくないと考えられます。
こうしたデータから、転職活動においてもSPIへの対策は必要といえるのです。
参考:dodaエージェントサービス「転職・中途採用の筆記試験の実施率や内容を調査」
参考:キャリエデュ「2023年卒内定者調査」
志望企業がSPIを実施している場合は対策必須!
自分が希望する企業がSPIを実施していたり、志望業界においてSPI実施傾向が高かったりする場合には、SPI対策が必須です。
反対に、志望企業の多くがSPI以外のテストを実施している場合、せっかくSPI対策を行っても思うような成果が得られない可能性が高いです。
志望する企業がSPIを実施しているかどうかは、ネットでの口コミやOB・OG訪問、企業からの事前説明といった方法で把握できます。
転職者向けのWebサイトでは、中途採用試験に関する情報が掲載されていることもあり、実施するテストの種類を確認できる可能性があります。
また、OB・OG訪問で実施するテストの種類や形式について質問して、情報収集を行うのも1つの手です。
その他、採用説明会やインターンシップといった場面で、テストの種類を説明されることもあります。
ただし、例年実施されているテストでも、今年は違うテストが実施される場合もあるため注意が必要です。
企業が転職者にSPIを実施する理由
一般的に中途採用は、新卒採用よりも応募者が少なく、絞り込みをする必要性は低くなります。
また中途採用は、応募から採用までが短期間であり、選考にはスピードが必要です。
効率よく選考をおこなうためには、応募者の情報を選考の初期段階で集めておくことが欠かせません。
企業が中途採用でSPIを実施するのは、応募者の絞り込みよりも人物像の把握を目的に実施することが多いようです。
中途採用においては、社風にマッチするかは重要な確認ポイントであり、性格検査が重視される傾向が強くなるのはそのためでしょう。
選考の客観性を確保するため
SPIの結果は、面接時の判断を補う資料として活用されます。
面接官の判断だけでは主観が入りやすく、応募者の一面だけをみてマイナス評価を下すなど、評価エラーを起こすことも考えられるでしょう。
面接時の印象や受け答えの内容と、SPIの結果を照らし合わせることにより、客観性を確保できるためSPIを実施するのです。
ミスマッチを防ぐため
業務に対応できる基礎的な能力を有しているかの確認は、新卒・中途に関係なく必要です。
それ以上に中途採用の場合は、自社の社風や仕事の進め方に馴染めるかなど、性格特性は重要な確認ポイントとなるでしょう。
前職での仕事の進め方にこだわりトラブルにならないか、配属先の従業員と上手くやっていけるかなど、性格特性はスキル面と同じくらい重視されます。
SPIを実施する企業は、ミスマッチを防ぐための有効な手段と考えているようです。
入社後フォローに活用するため
応募者のスキルや性格特性を把握することで、入社後のフォローに活用したいと考える企業も多いようです。
応募者の「人となり」を把握することで、配属を検討する基礎資料として活用できたり、効果の高い育成が可能になったりします。
早期離職を防ぎ職場に馴染んでもらうための、コミュニケーションに活用することもできるでしょう。
転職者向けSPIで足切りはされる?
「転職者向けSPIで足切りはされる」かどうかは、多くの転職者が知りたいことではないでしょうか。
新卒採用の場合は、多数の応募者をふるいにかけるイメージが強く、8割程度の正解率が求められます。
対して中途採用では企業によって異なりますが、5割程度の正解率をボーダーラインとしている企業が多く、新卒ほど点数を重視していないようです。
そのため、性格特性の把握を目的としている企業では、SPIの結果で即不採用となることは少ないと思われます。
しかし、あまりに点数が低い場合は、足切りされる可能性はゼロではありません。
中途採用の場合はスキルや経験によって評価されるものの、やはり一般教養の理解度がどれくらいあるかは見られます。
特に応募者が多い場合、わずかな枠で厳選に人材を決めたいと思っている場合は足切りの基準点数が用意されることも少なくありません。
そのため、事前にSPI対策はしっかりおこないましょう。
転職者向け「SPI-G」と新卒者向け「SPI-U」の違い
転職者向けのSPIは「SPI-G」と呼ばれるもので、新卒者向けの「SPI-U」とは異なります。
それぞれ出題傾向や難易度に違いがあるため、あらかじめ把握しておくことで対策しやすくなるはずです。
SPI-Uと比較して、SPI-Gでは言語分野の難易度が高い代わりに、非言語分野の難易度は易しめとなっています。
そのため、転職者向けのSPI-G対策においては、言語分野の対策に力を入れるのがおすすめです。
非言語分野の難易度はSPI-Uよりも易しいからといって油断することなく、多くの問題をスピーディーに解けるようなトレーニングも欠かせません。
さらに、SPI-GではSPI-Uにはない「地図の縮尺・方位」などの資料解釈問題が出題されるのも特徴です。
得点を高めるため、必ず解き方を習得しておきましょう。
転職者向けのSPIではどんな問題が出題されるの?
転職者向けのSPI-Gは、新卒者向けと同様に「能力検査」と「性格検査」から構成されています。
出題範囲や制限時間は新卒向けのSPI-H・SPI-Uと大きな違いはありません。
SPI-Gは言語問題の難易度が高めで、非言語問題はやや簡単な傾向にあるようです。
能力検査
能力検査は、「言語分野」と「非言語分野」の2種類のテストで構成されています。
言語分野は、単語の意味や文章読解力を問う問題、非言語分野は基礎的な計算力や論理的思考力を測る問題が出題されます。
仕事を進めていくうえで必要である基礎的な、「理解力」「判断力」「応用力」を備えているかを確認するものです。
また、企業によっては人材要件によって英語テストや、構造的把握力検査をおこなう場合もあります。
性格検査
性格検査は、5問で1セットとなった質問に、「あてはまる」か「あてはまらない」かを4択で回答していきます。
問題の総数は300問あり、セットごとに制限時間が設けられています。
深く考えず、直感的にどんどん回答していかなくてはなりません。
性格検査の目的は、応募者の日頃の行動パターンや考え方に対する質問をすることで、人との接し方や仕事への取り組み方、目標に対する考え方などを把握することです。
中途採用においては、「社風にマッチするか?」の指標として重視されます。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
難関企業では「構造的把握力検査」が実施される
コンサルティングファームや広告業界など、高いスキルや胆力が求められる業界においてはSPIの中でも「構造的把握力検査」が実施されることがあります。
そのほかに不動産業界など、主に難関企業といわれる会社が採用しているケースが多いようです。
構造的把握力検査とは、地頭のよさを測るテストとして知られており、ものごとの背景にある共通性や関係性を、構造的に理解する能力を測定します。
具体的には与えられた情報の構造を自分なりの観点で組みなおし、関係性を理解する能力のことを指します。
上述したコンサルティングファームや広告業界などでは問題解決力や論理的思考力が重要となるため、その素地があるかを測るのに適しているといえるでしょう。
これらは実際の業務で、以下のような場面で必要となるからです。
- 未知の問題に直面したとき
- 新しいサービスを考案するとき
- 合意形成が必要とされるとき
構造的把握力の高い人材は、新しい環境に対応できる柔軟性を持ち、直面する問題に向き合うことができます。
志望企業や職種でどのような人材が求められているかで、SPIの難易度も変わってくるため、事前にしっかりリサーチしておきましょう。
転職者向けの主なSPIの種類について
SPIは新卒者向けの筆記試験というイメージがありますが、中途採用においても実施する企業が増えてきています。
既に説明した通り、「SPI-H(高卒)」「SPI-U(大卒)」の新卒向け2種類と、中途採用に活用されることの多い「SPI-G」の3種類があります。
いずれも、能力検査(言語問題・非言語問題)と、性格検査から構成され、問題の難易度は中学生程度のレベルです。
SPIには複数の実施形式があり、それぞれ制限時間や出題範囲が違います。
なお、実施形式は以下の4種類があります。
Webテスティング | 自宅パソコンなどからインターネット経由で受験 |
テストセンター | 指定の会場に出向き、用意されたパソコンで受験 |
ペーパーテスティング | 応募先企業の会場でマークシート方式の受験 |
インハウスCBT | 応募先の企業内で用意されたパソコンから受験 |
受験の予定がある人は、必ず実施形式を確認しておきましょう。
志望企業がどの実施形式を採用しているかは、転職者向けのWebサイトやOB・OG訪問、採用説明会やインターンシップといった場面で確認可能です。
実施形式それぞれメリット・デメリットが存在するほか、出題傾向もやや異なります。
ここでは、SPIの実施形式4つを解説したうえで、それぞれの実施形式における留意点も紹介していきます。
Webテスティング
Webテスティングは、自宅のパソコンを使用して、インターネット上で受験する形式です。
言語分野と非言語分野の科目が出題される点と、スマートフォンからの受験は認められていない点が特徴です。
大問それぞれに制限時間があり、一定の時間を過ぎると自動的に次の問題に移行するため、テンポよく問題を解いていくことが欠かせません。
テストセンター
テストセンターは、SPI開発・運営元のリクルートが定めた試験会場へ直接足を運び、用意されたパソコンで受験する形式(リアル会場)です。
また、自宅のパソコンと専用のシステムを使用して、監督者の監督のもとで受験する(オンライン会場)形式も、2022年10月からテストセンターの一種としてスタートしています。
所定の期間内であれば、自分の都合に合わせた日時で受験できるほか、好きな会場で受けられるのも特徴です。
科目としては、言語分野・非言語分野、英語や構造的把握力が出題されやすいといわれています。
ペーパーテスティング
応募先の企業が会場を用意し、そこでマークシート形式のテストを受けるのがペーパーテスティングです。
Webテスティングとは異なり、電卓を使用できない場合もあります。
また、どの問題から解答していくかは自分で決められることから、時間配分をしやすいのが特徴です。
科目は言語分野と非言語分野が中心ですが、企業によっては英語が出題されるケースもあります。
インハウスCBT
インハウスCBTは、応募先が用意した会場に足を運び、パソコンを使って受験する形式です。
科目は言語分野と非言語分野となっていて、出題内容はWebテスティングとほぼ同じと考えて問題ありません。
インハウスCBTを採用している企業のなかには、受験後にそのまま面接やグループディスカッションを行うケースもあります。
ただ、インハウスCBTを採用する企業は少なくなっているといわれているため、応募先がどのような形式で行っているかを確認しましょう。
転職SPIの事前対策
転職時のSPIの実施目的は、応募者の性格や行動パターンの把握が目的で、高い正解率を求められているわけではなさそうです。
しかし、極端に点数が低い場合は、足切りにあう可能性も否定できません。
さほど重要度は高くないとしても、やはり対策は確実におこなったほうがよいでしょう。
対策は本番で戸惑わないように、出題形式や時間制限に慣れておくことが基本となります。
出題範囲と試験時間を確認する
SPIの種類や実施形式により、問題の傾向や制限時間が異なります。
受験する場合、自分が受けるテストの種類と実施形式は、選考にSPIがあると分かった時点で必ず確認しておきましょう。
企業によっては英語や構造的把握力検査が追加されている場合もあるため、出題範囲は必ず確認することが必要です。
事前情報が得られない場合、手間はかかりますが、各テスト内容を網羅的に把握しておくと安心できます。
問題に慣れ解答スピードを上げる
SPIは問題数が多く、1問当たりの解答にかけられる時間は限られています。
解答スピードを上げるためには、練習問題をひたすらこなし、慣れることが一番の近道です。
市販の問題集やSPIアプリなどを活用し、できるだけたくさんの問題を反復することが大切です。
SPIは解答内容がパターン化されています。
反復練習することで、それなりの高得点が期待できるでしょう。
模擬SPI試験を受けてみる
本番さながらの模擬SPI試験を受けてみるのも有効な対策です。
模擬SPI試験を一度でも受けておけば、問題量や制限時間を体感的に経験できるため、本番で慌てることがなくなります。
勉強方法が的外れになることを防ぐためにも、対策を始めた早い段階で受けてみるのもよい方法かもしれません。
転職エージェントで情報収集する
転職エージェントを活用し情報収集することは、事前準備を効率的におこなうためのおすすめの方法です。
転職エージェントはSPIに限らず、企業ごとの採用傾向など、豊富かつ最新の情報を持っています。
企業ごとの傾向を踏まえた対策が受けられることもあり、的を絞った効率のよい対策が可能になるでしょう。
20代の就職・転職に特化した「UZUZ」では、選考にSPIを導入している各企業ごとの傾向を詳細に把握しています。
応募企業に応じたポイントがアドバイスできるため、効率のよいSPI対策が可能です。
利用はタダなので、とりあえず登録しておいて損はないと思いますよ!
転職者向けSPI受験の注意点
新卒採用ほど足切りにあう可能性は低いとはいえ、対策をまったくしないで受験することはやめておきましょう。
企業によって、SPIの結果に対する評価は様々です。
難易度の高い業務をおこなう企業では、能力検査の結果を重視するかもしれません。
反対に、サービス業では能力検査の結果よりも、性格検査で高いコミュニケーション力を示した人が選考を通過しやすくなることも考えられます。
ただ、中途採用のSPIでは、性格検査が重視される傾向が強いことは、理解しておいたほうがよいでしょう。
性格検査はできるだけ素直に回答する
性格検査は、企業の求める人物像を意識して回答したほうがよいとする人もいますが、できれば避けたほうがよいでしょう。
SPIの性格検査は問題数が多く、直感的に次々と回答しなくてはならないため、内容を取り繕う余裕はないと考えたほうがよさそうです。
言い回しを変えて同じ内容を問う質問も多く、高い確率で回答結果に矛盾が生じるでしょう。
SPIでは統計的に回答結果を検証するため、一貫性のない回答をおこなうと「故意に自身をよく見せようとする傾向がある」など、不利な印象を与えてしまうことも考えられます。
また、実際に入社してみたら「まったく社風に馴染めず早期退職してしまった」ということにもなりかねません。
SPI対策だけでは準備が不十分
SPIの対策をしっかりおこなおうとすれば、それなりの時間が必要です。
一般的には30~60時間が必要といわれており、期間的には2カ月程度をみておいたほうがよいでしょう。
しかし、SPI対策ばかりに重点を置きすぎることは避けましょう。
選考試験はSPIだけでなく、面接や書類選考もあります。
書類選考でふるいにかけられないためには、エントリーシートの内容を濃く作りこむことが必要です。
また面接も入念な対策をしなければ、自信を持って臨めません。
面接や書類選考対策にしっかり時間を使えるように、SPI対策はできるだけ前倒しではじめたほうがよさそうです。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
SPI試験に自信が持てなくても諦める必要はありません!
もしSPI試験に自信が持てなくても、あきらめてはいけません。中途採用においては、あくまで参考資料とする企業も多いためです。
履歴書や職務経歴書といった応募書類は、十分にスキルや経験、人間性をアピールできているでしょうか。
面接で好印象を持ってもらえるような、志望動機や自己PRの準備はできていますか。
転職活動は総合力の勝負です。
SPI試験に自信がなくても、しっかりとアピールできる材料を揃えれば、活路は開けてきます。
今できる準備を、妥協なくおこなうことが大切です。
SPIについては、傾向と対策を覚えればある程度の点数に近づけるため、毎日問題を解いて慣れながら、自己PRやポートフォリオにしっかり時間をかけて総合的にアピールできるように準備しましょう。
転職SPI対策はUZUZを活用しよう
転職活動は情報力の勝負でもあります!
UZUZのキャリアアドバイザーは豊富な情報と経験を持っており、求職者の希望やこだわり・適性を考慮した、親身なアドバイスが期待できるでしょう。
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もちろんSPIに関しても、選考企業ごとのSPIの出題傾向や実施方法など、ためになる情報を提供可能です。
登録やサービス利用料は一切かかりませんので、使わない手はないでしょう!
ぜひ、無料相談から問い合わせてみてください。
まとめ
単独で転職活動をする場合、どうしても客観的な視点が欠けてしまいがちです。
自分流の対策でなかなか結果が出せず、頭を抱えている人も多いのではないでしょうか。
SPI対策でも、選考を希望する企業の情報を事前に得ておけば、的を射た対策が可能になります。
もし、結果が出ないと悩んでいるのであれば、ぜひ「UZUZ」に相談してみてくださいね。
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