面接の後半で聞かれることが多い他社の選考状況。
答え方を間違ってしまうと、それまでの選考や面接で積み上げたプラス評価を一気に吹き飛ばして、マイナス評価になってしまうこともありえます。
この記事では、人材支援会社UZUZの代表、岡本啓毅氏による解説動画を元に他社の選考状況の伝え方を解説していきます。
なぜ人事は他社の選考状況を聞くのか、そしてどんな答え方がNGなのか、NGにならない対策方法も合わせて解説するので、ぜひここで確認しておきましょう。
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なぜ他社の選考状況を聞くのか
なぜ面接の場では、他社の選考状況を聞かれるのでしょうか。
その理由は、主に以下の2つです。
- 競合企業を知りたい
- 就活の軸がブレていないかを確認したい
この質問の意図を理解しておけば、答える際にもNGな答え方をする可能性が少なくなり、選考通過率アップにつながります。
さっそく確認していきましょう。
競合企業を知りたい
他社の選考状況を質問される1つ目の理由は、質問の通りの意図で、文字通り他社の選考状況を知りたいからです。
この質問がされるときは、選考が進んできた後半であることが多いです。
つまり落とすための質問ではなく、どちらかというと採用したいと思って質問していると考えましょう。
人事は、選考が進んできたとき、その候補者を取り合うことになるライバルとなる他の企業を知りたいと考えています。
就活の軸がブレていないかを確認したい
他社の選考状況を質問される2つ目の理由は、就活の軸がブレていないかを確認するためです。
「就活の軸」とは、業界・企業や職種を選ぶにあたって、数ある業界・企業・職種の中から何を重要視して選択しているのか、決定するための条件のことです。
この質問を聞かれるのは、ある程度うまく選考や面接が進んでいるときのため、それまでに積み上げてきたやり取りがあります。
人事は、他社の選考状況や応募企業を参考にすることで、それまでの面接でのやり取りに一貫性があるかを確認したいと思っているのです。
他社の選考状況を伝える際のコツ
なぜ他社の選考状況を聞かれるのか、その意図を理解していれば大きく間違った回答をしてしまうことはないでしょう。
ただし、伝え方によっては返答一つでお見送りになってしまう可能性がある質問でもあるので、慎重に答える必要があります。
具体的には、以下の2点を覚えておいてください。
- 面接で話したこととズレることを言わない
- 受けている企業と同じ業界でなくてもOK
それぞれ確認していきましょう。
面接で話したこととズレることを言わない
もっとも重要なのが、これまでの面接や選考で伝えてきた内容とズレることを言わない、ということです。
面接官がこの質問をする意図のなかに、就活の軸がブレていないかを確認したいという理由があるとお伝えしました。
例えば、面接の前半では「技術力を高めるためにエンジニアになりたい」と言っていたのに「他社は営業職を受けている」と言ってしまうと、矛盾がありますよね。
それまでのことが嘘で「受かるために取り繕っていたのかな？」と思われてしまいかねません。
面接でのやり取りを思い出して、ズレたことを言わないようにするという意識をもつことが重要です。
受けている企業と同じ業界でなくてもOK
他社の選考状況を伝える際に重要なのは「就活の軸」がブレていないことを示すことです。
たとえ異なる業界を受けていたとしても、すぐさまNGであるというわけではありません。
例えば、IT業界とメーカーを受けていたとしても「営業として成長したい」という軸を伝えているなら、同じ営業職を志望していれば就活の軸はブレていないですよね。
しかし、同様にIT業界の営業職とメーカーの営業職を受けていたとき「形がない商材を自分の力で売りたい」と言っていたとしたらどうでしょうか。
IT業界の営業職としては軸はありますが、メーカーの営業職としては違和感があるので、軸がブレていると感じられてしまうでしょう。
自分の中で「就活の軸」は何かを決めておき、それと照らし合わせながら答えるようにするとうまくいきます。
他社の選考状況を伝える際のよくある失敗例と対策
他社の選考状況を聞かれたときの返答でよくある失敗には、いくつかパターンがあります。
- バレる嘘をついてしまう
- 受けている企業を事細かに解説してしまう
- 「御社のみ受けています」と言う
- 内定を隠してしまう
- 「〇社落ちました」と伝えてしまう
上記5つの失敗例について、それぞれ何がNGなのか、どのように対策すればいいかを解説していきます。
1.バレる嘘をついてしまう
1つ目の失敗例は、バレる嘘をついてしまうことです。
- 受けていない競合他社を受けていると言う
- 最終選考まで進んでいると言う
自分を良く見せようとするあまり、上記のような嘘をついてしまう人がいます。
しかし、面接官は誰よりも他社の選考状況が気になるため、競合他社の選考状況をよく知っています。
募集していない競合の名前を出してしまう、まだ最終選考まで進んでいない時期である、などの理由で嘘がバレてしまうことがあるのです。
嘘をつかれたことが分かった瞬間、評価は一気に下がってそのままお見送りになることも珍しくありません。
対策としては、嘘はつかず、正直に話すことを心がければ大丈夫です。
2.受けている企業を事細かに解説してしまう
2つ目の失敗例は、受けている企業を事細かに解説してしまうことです。
社名や進捗まで全て話してしまう人がいますが、面接官はそこまで知りたいわけではないので、それほど事細かな情報は欲していません。
面接は限られた時間で行うので、本来はお互いを知ったり自己アピールをしたりするための時間が、他社の説明に使われてしまうのはもったいないといえます。
対策としては「〇〇な企業を△社ほど選考中です」と、一言か長くとも30秒以内で、具体的な社名は避けて答えるようにすると短い受け答えで伝わります。
もし社名まで聞かれたら、本当に受けている企業のうち3、4社くらいを答える程度に留めておきましょう。
監修者コメント
限られた面接時間のなかでは会話のラリーを意識しよう
面接の場では、限られた時間で自分の魅力を伝えたり、相手企業のことをより深く知れるようにすることを心がけましょう。
日常会話では、一人の人がずっと話し続けたりすることはあまりないですよね。
そのような状況では、少なくとも周囲の人は「楽しい会話をした」とは感じないのではないでしょうか。
1回の回答では30秒か1分程度にして相手に会話を返すようにすれば、十分に会話のラリーを続け、コミュニケーションをとることが可能です。
そうした会話のやりとりの中で、言いたいことやこの面接でアピールしたいことを伝え、また疑問を聞きながら解決していくようにしましょう。
伝え忘れたことやうまく言えなかったことがあっても、面接の終盤では「何か伝えておきたいことはありませんか」と聞かれることもあるので、挽回できるチャンスもありますよ。
3.「御社のみ受けています」と言う
3つ目の失敗例は「御社のみ受けています」と言ってしまうことです。
基本的に就活の時点では、何社も受けているはずです。
本当に1社だけしか受けていないならこのように伝えるのも仕方がないことですが、そうでないなら嘘になってしまいます。
覚えておいてほしいのは「御社のみ受けている」というのは大きなアピールポイントにはならないことです。
なぜなら、就活は人生でも大きな決断になるので、複数社を受けて比較して選ぶのが一般的だからです。
そのような比較検討をしていないのはなぜか？と思われ、場合によっては不信感を抱かれたり、普通の感覚がない人なのかな？と評価が低くなることもあるでしょう。
対策としては、素直に受けている企業数を伝えるか、または本当に1社しか受けていないならばその明確な理由を伝えるようにすれば問題ありません。
4.内定を隠してしまう
4つ目の失敗例が、内定を隠してしまうことです。
すでに内定をもらっていることを伝えると、今の面接で「そっちの会社に行くかも？」と思われるのではないかと不安になり、内定を隠してしまう人がいます。
内定を隠すことでネガティブな影響があるかというとそうではありませんが、隠さないほうがメリットがあるので、内定があるなら伝えましょう。
内定をもっているということは、内定を出してもいいと思うほど他社が評価している、という意味でもあります。
「他社に取られたくない」という心理が働くので、選考通過しやすくなったり評価が上がりやすくなったりします。
対策としては、内定をもっているなら素直に伝えることです。
この際に、それまでの面接で伝えていた「就活の軸」と関係ない企業や職種の内定は特に伝えなくてもいいということは注意しておきましょう。
軸が異なる企業や職種の内定の場合、軸ばブレているような印象も与えてしまうので、プラス評価につながるとは限らないためです。
5.「〇社落ちました」と伝えてしまう
5つ目の失敗例は「〇社落ちました」と伝えてしまうことです。
あえて失敗したところを伝える必要はありません。
就活による企業と応募者の相性は、恋愛や結婚にも例えられることがよくあります。
例えば自分が好きな人に告白するときに「今まで何人にフラれました」と、あえて伝えないですよね？
応募して落ちてきた企業を全て伝えないのも、それと同じことです。
対策としては、何社受けているか聞かれたら、現状で進んでいる社数を答えれば問題ありません。
監修者コメント
「あえて言わない」のは嘘をつくことではないと割り切ろう
他社の選考状況を伝える際の考え方として「嘘をつくのはNG」とお伝えしました。
中には、落ちた社数を言わなかったり、軸と関係ない企業の内定を伏せたりするのは、「嘘をつくのと同じではないか」と感じる方もいるかもしれません。
しかし「あえて言わない」のは嘘ではない、と割り切ることも大切です。
聞かれたことには正直に答えれば良いですし、聞かれていないことをわざわざ自分から話して自分の不利になるように進める必要はありません。
NGな嘘というのは、受けていない企業を受けていると言う、内定がないのに内定したと言う、というようなありもしない事実をでっち上げることです。
事実の範囲内で「自分をよく見せる工夫」は必要ですし、それは嘘をつくわけではないので、安心して伝え方を工夫しましょう。
まとめ
他社の選考状況は、なぜ聞かれるのかを理解していればそれほど回答に困ることはありません。
正直に、かつ必要な情報だけを伝える工夫をするだけなのです。
とはいえ、自分の答え方が合っているか、なかなか自分では分かりにくいですし、きちんとしているつもりでも客観的に見ると軸がブレているということもあり得ます。
そんな不安がある方は、答え方を確かめる意味でもエージェントに聞いてみるのをおすすめします。
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他社の選考状況を伝える際に少しでも不安がある方は、ぜひ一度UZUZにご連絡ください。
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