もくじ
今回は、未経験や文系出身からでもチャレンジしやすい製造オペレーターについて、紹介していきます!
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製造オペレーターとは?
製造オペレーターについて理解してもらうために、まず製品ができあがるまでの4つのフェーズを理解してもらう必要があります。
各フェーズでは、それぞれ以下に挙げる技術職が活躍しています。
研究開発 | 素材や新技術、生産に関する技術の研究を行う |
設計開発 | 「研究開発」で生まれた技術を活用した製品の設計・開発する |
生産技術 | 「設計開発」が作り出した製品を、生産ラインで量産できる仕組みを構築する |
設備保全 | 生産ラインを計画通りに運用できるよう、設備を維持管理し、不具合が起これば解決する |
「生産技術」が確立した生産ラインの中で実際に作業を行って製品を加工する仕事を製造オペレーターと呼ぶのです。
オペレーターとは、すなわち操作する人(=オペレーションをする人)のこと。
加工機械に指示を入力したり、実際に自分でも部品加工や組み立ても行います。
ものづくりの最前線を担う
製造オペレーターは、自分が手を動かしたり機械に入力したりして、ものづくりの最前線を担います。
いくら製品の設計、生産技術の構築ができても、それを運用する人がいなければ製品はできあがりません。
製造オペレーターは、ものづくりの中で、最も「製品を作ること」に近い職種でもあります。
製造オペレーターの活躍の場、製造業の業界動向をまとめた記事もありますので、ぜひこちらもお読みください。
製造オペレーターの仕事内容
製造オペレーターが担う仕事内容は、主に下記の3つ。
- 機械の監視
- 機械の操作
- 機械の保全
それぞれ、解説していきます!
機械の監視
担当している生産ラインの機械が、正常に稼働しているか監視する仕事です。
目視でチェックしたり、部品の組み立てを行うなど、常に自身の手を動かす必要がある生産ラインもありますが、機械が製造を行う生産ラインもあります。
機械を扱う生産ラインの場合、基本的には、機械の操作・できあがった部品の確認や運搬といった仕事がメインになっていきますが、それだけではありません。
機械に異常があると生産ラインが止まってしまい、全体の生産性に悪影響を与えかねません。
そのため問題なく稼働しているか、製品に異常をきたしていないかなど、機械を監視するのも製造オペレーターの重要な役割なのです。
機械の操作
製造オペレーターのメイン業務は、実際に機械を操作することです。
基本的にマニュアルが用意されている場合が多いので、操作方法を覚え、内容に従って機械を操作していくことになります。
慣れてくると、生産ラインの切り替えや不具合が起こったときの対応なども任されるようになります。
また季節による温度や湿度の変化で部材の性質が変わってしまうことのないよう調整を行ったり、微妙な部品のバラツキを防ぐための繊細な調整を求められることもあるでしょう。
以下のような細かい調整も、製造オペレーターの業務範囲に入ることがあります。
- いつもより湿度が高いから今日は多めに潤滑油を塗る
- 工場内の気温が少し高いから、曲げの数値を少し緩くする
- 部材がいつもよりコンマ数ミリ大きいので、プレス機の数値を変える
機械の保全
日々の機械のメンテナンスや、稼働切り替えの調整、監視して異変に気づいたときなど、機械の保全を行うことも製造オペレーターの重要な役割です。
技術職の種類の中に「設備保全」があるとお伝えしました。
日々のメンテナンスや稼働中の異変に最初に気づくのは、多くの場合、その機械に日常で触れている製造オペレーターです。
微細な異変であれば自分の手で解決することもできますし、解決が難しければ直ちに設備保全へ報告して対処してもらわなければなりません。
製造オペレーターは、工場の生産性の維持向上を担う重要な役割も持っているのです。
製造オペレーターの魅力
製造オペレーターの魅力は、なんといっても製造の最前線で働けることです。
ものづくりに興味がある人にとっては、モチベーションを高く保ち続けられる魅力的な職場といえるでしょう。
体力的な負担が少なく長く続けられる
製造オペレーターは、機械の操作や監視が主な業務となるため、他の工場内作業と比べ体力的な負担が少ない点が魅力です。
しかし、実際の製造現場では、一日中立って作業したり、重たい物を持ったりということもあるかもしれません。
特に若手の間は、こうした力仕事を任されることもあるでしょう。
ただ、長く勤め年齢が上がれば、管理的な業務が中心になり、体力的な負担は軽減されやすくなります。
熟練することにより、機械操作や監視、後輩の指導に専念できる可能性が高いため、体への負担が少なく長く続けられるのです。
未経験者でも活躍できる
未経験者でも入社後に一から仕事を覚えていけるのも、製造オペレーターの仕事の魅力です。
作業の手順がきちんと決められ確立していることが多く、マニュアルや操作方法のレクチャーが充実しているため、未経験でも対応しやすいのです。
製造オペレーターの仕事の中には、専門資格や経験が必要な仕事もあります。
反面、未経験者の募集が比較的多いことも事実です。
機械を安全に動かすために企業は徹底した教育を行い、オペレーターの育成に力を注いでいるので、未経験でも十分に活躍できるでしょう。
転職しやすい
転職市場において、製造オペレーターは常に一定の需要をキープしている職種でもあります。
そのため、求人数も多く転職しやすいのも魅力の一つです。
製造オペレーターとして一定期間勤務すれば、機械操作からメンテナンスまで、幅広い知識と経験が身についていくでしょう。
ある程度の実績があれば、今よりも良い待遇で迎えられる可能性が高くなります。
年収の面でもステップアップが見込めることは、大きな魅力です。
製造オペレーターの年収は?
厚生労働省の職業情報提供サイト「Jobtag」から、製造オペレーターに関連する、3つの職業分類の年収を見てみましょう。
- 医薬品や化粧品の製造に携わる「化学製品生産設備オペレーター」
- 食品製造に関わる「食料品生産設備オペレーター」
- 半導体や電子機器製造に携わる「電気機械器具組立設備オペレーター」
上記3つの職業分類における、年代別の平均年収をまとめたのが以下の表です。
【製造オペレータ産業別・年齢別年収比較】 (単位:万円)
年齢 | 化学製品 | 食料品 | 電気機械器具 |
---|---|---|---|
20~24歳 | 374.38 | 292.17 | 323.6 |
25~29歳 | 438.58 | 322.25 | 353.53 |
30~34歳 | 498.98 | 361.74 | 398.08 |
35~39歳 | 512.66 | 384.40 | 413.64 |
40~44歳 | 555.24 | 391.61 | 426.22 |
45~49歳 | 601.27 | 389.28 | 454.96 |
50~54歳 | 598.21 | 384.25 | 463.07 |
55~59歳 | 605.64 | 363.75 | 475.93 |
60~64歳 | 406.11 | 291.05 | 363.42 |
参考:厚生労働省「職業情報提供サイトJobtag:化学製品生産設備オペレーター」
参考:厚生労働省「職業情報提供サイトJobtag:食料品生産設備オペレーター」
参考:厚生労働省「職業情報提供サイトJobtag:電気機械器具組立設備オペレーター」
やはり、派遣社員の活用が進んでいる分野では、年収水準が低くなる傾向は否めません。
しかし、正社員として管理的な仕事をするようになれば、高い年収も目指せるでしょう。
製造オペレーターの仕事を目指すのであれば、興味のある分野の正社員の年収水準は調べたほうが良さそうです。
製造オペレーターが活躍できる業界の知識は、以下のYouTubeで見ることができます。
業界研究に役立ててください。
製造オペレーターになるには
取得しておくと選考や入社後にプラスに働く資格はありますが、基本的に製造オペレーターになるために必ず取得しなければならない資格はありません。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
製造メーカー系の技術職を目指すなら製造オペレーターはキャリアの起点となる!
製品の製造過程では、研究開発・開発設計・生産技術・設備保全といった業務の役割があり、どの役割を担うにおいても「実際の製品を作り上げる」生産ラインの知識を持つことは重要です。
そのため、将来に備え製造オペレーターからキャリアをスタートさせることも多くあるでしょう。
例えば開発設計や生産技術など部署に配属が決まっているが、研修期間に生産ラインを経験する場合などがこれにあたります。
製造オペレーターは未経験歓迎の求人が多いうえに、様々な製造業のキャリアの起点になり得る仕事であるため、挑戦しがいのある職業ではないでしょうか。
製造オペレーターに向いている人の特徴
製造オペレーターは、文系や未経験でも歓迎の求人が多くあります。
そのため過去の経験よりも「製造オペレーターに向いているかどうか」のほうが重要です。
ここからは、製造オペレーターに向いている人の特徴についてお伝えしていきます。
機械が苦手ではない
とりわけ「機械が得意」というほどでなくても、製造オペレーターを目指すことは可能です!
なぜなら作業はマニュアル化されている場合が多く、手順を守り、操作を覚えられれば、未経験スタートであっても一人前の製造オペレーターになることができるからです。
文系・理系に関わらず、あまり機械に詳しくない、触れた経験が少ない、という方でも挑戦できるので安心してくださいね。
ただし「機械に苦手意識がある」「壊しちゃいそうで触れるのが怖い」という気持ちがある方には、向いていないかもしれません。
一人で集中して作業ができる
製造オペレーターは、黙々と一人で作業にあたることが多い仕事です。
生産工程を機械化している場合も多く、機械と一日中向き合っていることも少なくないでしょう。
そのためチームワークを活かすよりも、一人で黙々と集中して作業できるタイプの人が向いているといえます。
責任感がある
生産ラインで不具合が起きて機械が止まってしまうと、工場全体の生産性が下がり、ひいては製品の供給量を減らしてしまいます。
そうなると、経営計画全体に悪影響を与える可能性すらも出てきます。
そのため責任感をもって業務にあたれる素養は、必要不可欠であるといえるでしょう。
製品に直接関わることに喜びを感じる
製造オペレーターは製品を直接製造している仕事です。
物ができていく工程を楽しめる人や、自分が関わった物が市場に出て消費者の手に届くことに喜びを感じられる方には、特に向いているといえます。
課題解決力がある
何か機械にトラブルがあったときに、真っ先に気づきやすいのが製品や機械に1番近い製造オペレーターです。
そのため、黙々と作業できる集中力や業務への責任感はもちろん、問題が起きたときに対処するための「課題解決能力」も必要な要素となります。
とはいえ、製造オペレーターに必要な課題解決能力は現場で経験をしながら身につくものでもあります。
はじめから高い課題解決能力を持っている必要はないので、業務を通して少しずつ身につけていきましょう。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
製造オペレーターの将来性
技術の進歩やAIの発展により、製造オペレーターの仕事がなくなるのではないかと心配される方もいるかもしれません。
答えは、NOです。
確かに、製品を製造するプロセスでは自動化や機械化が進み、現在人間が行っている業務が必要なくなることはあるかもしれません。
しかし、製造オペレーターは、その機械の操作やメンテナンスが業務であり、いわば製造現場の要となる存在です。
機械そのものを動かしたり管理する仕事をAIが代わりに行うことは、まだまだ難しいでしょう。
決して将来性が低い仕事ではありません。
製造オペレーターに必要なスキルとは
じゃあ、具体的には、どんなスキルを持った人が活躍できるの?
それ以外にも、安全な作業や効率の良い仕事をするためのスキルも必要です。
機械やソフトウェアの操作スキル
未経験でもチャレンジできるとはいえ、製造業務で取り扱う機械や、ソフトウェアの操作スキルは身につけていく必要があります。
これは、教育・訓練を受けながら一定期間従事することで、自然と身についていくでしょう。
熟練していけば、その現場だけでなく、会社にとっての貴重な戦力として重宝されるようになります。
もし、転職を考えた際には、同じ機械やソフトウェアを扱う分野であれば、有利な条件で迎えられる可能性も高まります。
安全管理スキル
安全管理能力は、製造オペレーターにとって重要なスキルです。
大がかりな機械設備を操作するため、ひとたび作業中に事故が起こると、大けがや命に関わる事態が発生する可能性が高い業務でもあります。
そのため、安全を優先する姿勢、事故を未然に防ぐ危険予知など、安全管理スキルは必須です。
それぞれの職場では事故防止のため、細かな作業ルールが定められています。
安全に関する知識を深めていけば、ルールの見直しや改善に関われるようになり、管理的な立場を任されていくでしょう。
コミュニケーションスキル
機械を操作するのは単独で行うため、コミュニケーションスキルは必要ないように思われますが、そうではありません。
生産ラインでは様々な人が働いています。
製造オペレーターはラインの要となるポジションのため、周囲と円滑なコミュニケーションが取れないと、作業効率の低下や重大な事故につながりかねません。
生産ラインに関わる人たちと良好な関係を築くことで、早い段階で危険を察知できたり、効率化のアイデアが出てくることもあるのです。
製造オペレーターのキャリアアップに活かせる資格
実際に製造オペレーターを目指すにあたって活かせる資格、そして就いたあとにキャリアアップに活かせる資格について紹介します。
あらかじめ資格を取得しておくことで、選考で有利になる可能性もあるので、チェックしてみましょう!
フォークリフト資格
フォークリフト資格は、多くの製造現場で重宝するフォークリフトの運転資格です。
フォークリフトは多くの工場で荷運びのために利用されており、運転できると仕事の幅が大きく広がります。
実はフォークリフトの運転免許は国家資格であり、工場の敷地内であっても無免許で運転すると罰則を課せられてしまいます。
- フォークリフト運転技能講習
- フォークリフト運転特別教育
試験には上記2つがあり、それぞれで扱えるフォークリフトの大きさに違いがあります。
業務内容に合わせて資格を取得できると、より良いでしょう。
機械加工技能士
機械加工技能士は国家資格の一つで、機械による金属などの工作物の切削や加工技術に関する資格です。
試験は筆記と実技に分かれており、実技では旋盤やフライス盤の加工技術をはじめ、様々な技術の有無が確認されます。
上記の機械は素人が扱うには難しく危険であり、そのため使用者は「特定の資格を持つ者」として社内ルールで決めている会社もあります。
上記の加工技術に関する知識を持っていると、仕事を任せてもらえる範囲も広がるでしょう。
資格取得には技術的な練習が欠かせないため、完全未経験からの習得は難しいです。
こういった資格があることを知り、自身のキャリアを広げられるようチャレンジしてみてくださいね。
参考:中央職業能力開発協会「機械加工」
玉掛け免許
玉掛け免許とは、製造現場や工事現場などでクレーンを使う際、フックに荷物をかける作業(これを玉掛け作業と呼びます)に関する資格免許のことです。
正式には「玉掛け特別教育修了」と「玉掛け技能講習修了」という証明書で、国家資格でもあります。
大きく重い荷物をクレーンで吊り下げる場合、落下してしまうと大惨事になりかねません。
そういった事故を防ぐため、知識と技能を持った人のみがクレーンの玉掛け作業をできるようにするためのものです。
玉掛け特別教育修了の場合は1トン未満までの荷物を、玉掛け技能講習修了は1トン以上の荷物を扱えるようになります。
参考:一般社団法人 労働技能講習協会「玉掛け技能講習」
まとめ
製造オペレーターは、ものづくりに直接関わることのできる仕事です。
また理工系出身者はもちろん、文系や未経験であっても就職・転職しやすい職種。手に職をつけたいという方にもおすすめです。
- 未経験から製造オペレーターになりたい
- 製造オペレーターの具体的なキャリアパスを知りたい
- 役立つ資格の取得方法が知りたい
- 技術職やエンジニアを目指す際の選考対策がしたい
上記に当てはまる方は、UZUZの就活・転職のエージェントサービスにご相談ください。
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そういったキャリアに関するサービスを無料で受けられるのが、エージェントサービスです。
しかもUZUZのエージェントなら、紹介された企業に就職しなければならないという制約もありません。
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