第二新卒として転職活動をする人の中には、大手企業で働くことを目指している人も多いでしょう。
大手企業で働くと、安定して働くことのできる環境が得られやすく、初任給はさほど変わらなくても、長期的にみると収入面でのメリットも大きいです。スケールの大きな仕事に関われる可能性もあります。ハードルが高いとされる第二新卒が大手企業に転職する方法をまとめてみました。
大手企業ならではの魅力とは
大手企業で働く魅力として、安定した雇用が望めることや給与水準が高いこと、スケールの大きい仕事に携わることが挙げられます。
大手企業は単に給料が高いだけではなく、福利厚生が充実して、保養所や提携のリゾート施設が格安で使えるところが多いです。社会的な信用が高いことから、住宅ローンを組む際も同じ企業で同程度の収入を得ている人よりも、高額のローン審査が通りやすいとされていることもメリットです。
仕事内容では、メーカーでは大手の方が最新の技術に触れられますし、ゼネコンではランドマークとなる建築物の工事に携われる可能性があります。大手の総合商社や鉄鋼商社では、壮大な事業規模の大きな仕事に関われるチャンスが見込まれます。
第二新卒を採用する大手企業はある?
大手企業の中には、第二新卒を採用している企業もあります。新卒採用で人材確保が思うようにできなかった、新入社員が辞めてしまったといったケースで、若年層の補充が行われることがあるのです。
第二新卒は即戦力にはなりにくいですが、基本的なビジネスマナーが身についている反面、他社のカラーに染まっていないことをメリットとみる向きもあります。新卒とほぼ同条件の待遇で雇用できることも、人件費を抑えたい企業のニーズにマッチしています。
第二新卒が大手企業に入る方法とは
新卒として応募する
2011年に政府が経済団体に卒業後3年以内の既卒は新卒扱いとするよう要請したこともあり、既卒であっても新卒の採用枠で応募が可能な大手企業もあります。しかし、要請は努力義務であることから、既卒は受け付けない企業、応募はできるものの実際には新卒者以外に内定を出していない企業も多いとされています。
さらに、既卒は受け付けていても、「一度も就職していないこと」を条件に挙げている企業も多く、第二新卒は既卒よりも新卒枠での応募のハードルが上がるのです。
とはいえ、挑戦できるチャンスがあれば、応募しておきたいものです。専攻した分野に近い業界や興味のある業界など、新卒採用を行う大手企業の募集要項を幅広くチェックし、第二新卒でも応募可能な求人があれば応募してみましょう。
転職サイトで探す
転職サイトでは、実務経験が問われない求人や第二新卒歓迎と書かれている求人も掲載されています。ただし、大手企業の求人で理系向けのものでは、業務経験を必要とするものが多くを占めています。
転職サイトで応募可能な求人案件をみつけるためには、希望条件を登録して条件に合った求人案件が掲載されるのを待つか、こまめに転職サイトをチェックする必要があります。
紹介予定派遣を利用する
紹介予定派遣とは派遣会社の派遣社員として、最大で6か月派遣先の企業で就業した後、双方が合意に達すると正社員として働くものです。
紹介予定派遣は大手企業の案件も多いものの、事務職が中心ですが、理系の職種では、CADオペレーターや施工管理、SEやプログラマーといった仕事があります。実務経験を必要とする求人が多いですが、経験の浅い人や未経験の人でも応募可能な求人もみられます。
人材紹介会社に登録する
第二新卒でも応募可能な新卒枠の求人よりも、効率よく探せるのが人材紹介会社を利用する方法です。人材紹介会社は、多くの大手企業が採用に利用しています。人材紹介会社のキャリアアドバイザーが、企業の求人案件で求めるスキルに合った人を登録者の中から選んで、マッチングを行う仕組みです。
人材紹介会社は求人を希望する企業側から報酬を得ているため、求職者は無料で求人案件の紹介を受けるだけではなく、キャリアアドバイザーに就職や転職の相談ができます。
人材紹介会社では、第二新卒でも採用される可能性のある企業のみが紹介されるため、効率よく転職活動を行うことが可能です。非公開求人も扱っていますので、自分で探したのでは目にすることのできない求人案件に出会える可能性もあります。
人材紹介会社は総合系といわれるところから、医療系やエンジニア系など専門職に特化した会社、第二新卒や既卒に特化した会社などさまざまですので、自分の実情に即した会社に登録することが大切です。
ゴールデンウィーク明けや初めて満額のボーナスをもらった年明けなどは、新卒入社した社員などが辞めることの多い時期です。若年層の補充が行われることが多いタイミングより前に、人材紹介会社に登録しておくとよいでしょう。
次の「次の転職」で大手を狙う方法も
第二新卒の場合、新卒で働いていたことは職歴としてはさほど評価されず、企業側からはビジネスマナーが身についている程度を受け取られやすいです。さらに、前職とは異なる業種で働きたい場合、大手企業で働くことを目指すことはハードルが高めです。
そこで、キャリアプランを見据えて業界や職種を選び直し、中小企業で実務経験を積んで、3年後や5年後に大手企業への転職を目指すことも選択肢となります。仕事に関連する資格を取得しておくと、次の転職では強みとなります。
企業側は業績が好調で事業拡大のために人員の補充を図る際には、即戦力となる人材が必要です。20代後半から30代前半までは比較的転職がしやすい年代ですので、そこを大手企業への転職の最終目標としましょう。
まとめ
大手企業に入ることそのものを転職理由とすると、実際に働くことが叶ったものの、社風が合わず短期間で離職することも考えられます。会社の規模だけにこだわらず、企業研究や面面接時に実際に会社を訪れた際の肌感覚から、企業風土が自分に合っているか見極めることも大切です。
単に大手企業だから憧れるのではなく、その企業に入ってどんな仕事がしたいのか、具体的なイメージを持つようにしましょう。