就職活動では、多くの企業でエントリーシート(以下ES)が求められます。ESは、もっとも早い段階での選考基準と言えるでしょう。そのため、ESの書き方次第では面接にも辿り着けないことも多く、就活生にとってはESが就職活動の最初の関門になりますね。
無事に面接に辿り着けるように、ここではESを通すためのコツを解説していきます。
エントリーシートとは?
まず最初に、ESとは何か説明します。
ESとは書類選考である
「書類選考が通った」「書類選考で落とされた」という言葉をよく聞くと思いますが、ここでの「書類選考」がESです。履歴書はどの企業でも書く内容が似通うことがありますが、、ESは企業ごとに大きく異なります。
大学試験を思い出してください。試験問題は、学校ごとに全て異なりますよね。同じように想像してもらえるとわかりやすいと思います。大学試験における氏名や高校名が履歴書にあたり、実際のテストがESにあたります。
エントリーシートの通過率は?
それではESはどのくらいの確率で通るのか説明していきましょう。実は企業によってESの通過率は驚く程変わります。
一般的な通過率は50%程度
あくまで総合的に考えた場合、ESの通過率は50%から60%程度と言われています。通過率は企業の規模や人気にも大きく左右されるでしょう。
例えば大手企業や人気企業の場合、通過率は30%代まで落ちます。どのような企業を受けるかによって、通過率は大きく変わっていくのです。
通過率が低い企業の特徴
大手企業や人気企業といった括り以外にも、「業界」によってES通過率が低くなることがあります。食品業界、出版業界、マスコミ関係……このあたりは軒並みES通過率が低い業界と言われています。
本当に通過率が低い企業の場合、通過率が10%以下のケースもありますので、競争率が高い企業のESは通すだけで大変です。ですから、ESが通らなくても落胆する必要はありませんよ。
通過率が高い企業は無いの?
「とりあえず応募者の全員と面接したい」と考えている、ES通過率が高い企業もあります。中には、ES通過率100%という企業も存在するのです。
2014年の就職四季報によると、ES通過率100%の企業は全部で200社以上ありました。このような企業は、業界や規模ではなく社風によって全員のESを通過させるようです。
企業が求めるエントリーシートの書き方
では、いよいよ本題です。企業が求めるESの書き方のコツを解説していきましょう。
読みやすいことが絶対条件!
ESは実際に人が読んで判断を行います。そのため「人に読んでもらう」ということを第一に考えると良いですね。なるべく読みやすい文章を書くことを心がけましょう。
誤字脱字をなくすのはもちろんですが、ESに小説めいた回りくどい言い回しは必要ありません。また長文が続くと読みにくくなるので、あまり一つの文章を長くしないことを心がけると良いですね。
ちなみに、読みやすいとされる一文の文字数はおおよそ50文字前後ですので、文章を書く際には意識してみるといいかもしれません。
結論を先に持っていくこと
文学では結論が最後に回されることも多いのですが、ビジネス文章では結論を先に書くことが常識とされています。ESは紛れもないビジネス文章ですから、最初の一行を読んだ時に、あなたの意図が伝わるように心がけると良いですね。慣れないうちは大変かもしれませんが、結論を最初に持ってくる習慣を心がけていきましょう。
文字数は絶対厳守
ESでは文字数が定められていることがほとんどです。一つの質問に対して、大体40文字から1000文字程度の答えが求められます。それぞれの質問に対して「◯◯文字以内」と指定されている時には、この文字数を意識することが大切です。
たとえば400文字以内で答える問題があったとしましょう。400文字を超えてはいけないのはもちろんですが、少なすぎてもあまり良くないのです。目安を「制限文字数の90%から100%の間」としてください。この場合360文字から400文字の間に収まるように答えを調節していくのがポイントですよ。
書類選考を通すために抑えるべき4つのこと
ここまで説明したことは、暗黙のルールのようなものです。ESを高確率で通過させるためには、さらに一歩踏み込む必要があります。書類選考の通過率を上げるために、抑えるべきポイントを解説していきましょう。
あくまで自分の言葉で伝えよう
誰かの文体に似せると、応募者本人の姿が見えづらくなってしまうこともあります。伝えたい内容を伝えるために、あなた自身の言葉で書くようにすると良いでしょう。
改行やカギカッコを意識しよう
相手が読みやすいような配慮は必要です。たとえば、改行です。何百文字も一気に書かれていると、読む人もなかなか大変です。文章の中で何度か改行を行い、「読みやすさ」を意識すると良いでしょう。
カギカッコ(「」)も使い方次第では、文章の意味が相手に伝わりやすくなります。使った方が伝わりやすいのであれば、使うべきですね。
全てを読んだ時に人物像が見えるように
ESは会わない面接のようなものです。企業が知りたいのは、応募者の情報であると同時に人となりでもあります。企業があなたのESを最後まで読んだ時に、人物像が浮かび上がるように意識できると、ESは通過しやすくなることが多いようです。
そのためには、全体を通じて一本芯の通った答えが好ましいです。
面接を見据えたES作りを!
ESを通過した後には、面接が待っています。そのため、面接を意識したES作りができると良いですね。ESの印象と面接での印象が、なるべく重なるように意識していきましょう。そうすることで、企業側に応募者がどのような人なのか判断がつきやすくなるからです。
また、自分で作ったESは提出前に必ず控えをとり、保存しておいてください。面接の前には自分の文章を読み返し、ESで何を企業に伝えたのかをハッキリさせてから挑むようにすると、あなたの言葉に一貫性が生まれます。
まとめ:ES通過のためには「コツ」と「慣れ」
ESのコツを解説してきましたが、一番の上達方法は実際にESを書くことです。ESにはコツも必要ですが、慣れも必要ですよ。何社ものESを書くことで、だんだんと伝えたいことを伝えられるようになっていきます。抑えるべきポイントを抑えたら、後は「ESを書いた数」が勝負になることも少なくありません。「地味な努力」と感じてしまうかもしれませんが、努力した分内定は近づいてきますよ。頑張ってくださいね。