もくじ
海外の大学を卒業して、日本で就職活動する人は決して多くはないため、就職活動の実情や進め方を知らない人も存在します。
そこで当記事では海外の大学を卒業し、日本で就職活動をした人のインタビューからわかるリアルな声や海外大卒者が就職活動をするメリット・デメリット、狙い目の業界までを紹介します。
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【経験者談】~海外大卒のAyaさんが日本で就職するまで~
ここでは、以前UZUZでインターンを行っていたAyaさんへのインタビューを元に海外卒者の日本での就活についてリアルな声をお届けします。
彼女は海外大学を卒業後、ロサンゼルスで就職した珍しい経歴の持ち主。
海外で就職し退職に至った経緯、そして内定を獲得するまでをご紹介します。
留学から就職、退職までの経緯
今回紹介するAyaさんは、一度は海外で就職したものの日本に帰国し、就職活動を開始します。
なぜそのような経緯に至ったのでしょうか。
Aya 滞在先はサンタモニカの高級住宅街でした。 サンタモニカや街中のホームステイ先は、ビジネスとして留学生を受け入れている家庭が多いんです。 “交流”より“お金”を目的にしているので、手厚い対応の家庭にはなかなか巡り会えないのが現実でしたね。 受け入れ先が決まり、コミカレ(公立の二年制大学)への入学後は友達も増えて、楽しく過ごすことができましたし、ルームメイトとの生活も充実していました。 行けるとは思っていなかった大学にも編入できて、まさに順風満帆な生活だったのです。 |
Aya 日本に帰国せず、アメリカで就職したのは「アメリカに残っていたかったから」。 ただそれだけの理由で、そのときには明確な将来像もなかったんです。 アメリカには日本の新卒が受けるような研修期間がなく、就職後すぐに実務が始まります。 事務的な業務は別として、いきなり企画業務などを全て自分で考え、人を動かしていかないといけなかったのです。 |
Aya そうなんです。 企業がどう動いているのかもわからないのに入社したので、何ひとつ上手くできず、「今の私に誰かをマネジメントする力はない」と自分の能力不足を痛感しました。 退職すべきか否かで迷っていた時、家庭にちょっとした問題が発生しました。 それで「自分もこんな状態だし、一度日本に戻ったほうがいいのかもしれない」と思い、会社を辞めて帰国を決意したのです。 |
心機一転!日本に帰国し就活するも苦戦
Aya それが、そうとは限らないんです。 私の場合、将来像をしっかりと持っていなかったので、選考を受けても「どんな仕事に就きたいの?」という問いに全く答えられなかったりして。 今思えば「すぐに退職しそうな信用のない人」とみなされていたと思うのです。 留学に意味がないわけではなかったのですが、私にとってこの「将来像を明確にすること」が自分の一番の壁になっていることに気づきました。 |
Aya それが就職活動をしていくなかで、「英語を使った仕事をすること」が私の目標ではないと気づいたんです。 でも、留学して語学力を身に付けたことも事実で。 「英語に関わる仕事」を選択肢から一旦外したほうが良いのか、それともそういう仕事を探し続けるのか、どちらにすべきかですごく悩みましたね。 |
将来に迷った末、UZUZに相談
Aya 悩んでいた私を救ってくれたのが、偶然見つけたUZUZだったのです。 視野が狭かった私は、これまで自分が体験してきたことを生かせるような仕事にしか興味を持っていなかったんですけど、UZUZのキャリアアドバイザーの方はこれからどうすべきかアドバイスをしてくれました。 |
Aya 元々人材紹介に興味のあった私は、営業職について学ぶために、最終的にUZUZでインターンをさせていただくことになりました。 私のような人や、内定に至るまでの道筋の立て方がわからない人は、客観的に自分を見てくれるキャリアアドバイザーのような方に頼ってみることもひとつの方法だと思いますね。 |
Ayaさんの就活奮闘記もぜひ読んでください!
海外大生の就職意識
異国の環境下で様々な課題と向き合い、常に自ら問題解決をしてきた海外大生にとって、仕事はどのようなものなのでしょうか。
海外大生の就職意識について紹介します。
海外大生の就職希望企業ランキング
CareerForum.Netによると、海外大学に在籍する学生の就職希望企業ランキング総合1位は、伊藤忠商事となっています。
2位は三菱商事、3位(同率2社)はDeloitteTohmatsuGroup、PwC(PricewaterhouseCoopers)という結果です。
TOP20にランクインした企業の多くは、グローバル採用を積極的に実施しており、露出度の高さも海外で学ぶ留学生の就職先としての人気に影響しています。
また、外資系企業が大半を占めており、卒業後グローバルに活躍したいと考える留学生の志向がうかがえる結果となっています。
参考:バイリンガルのための就職・転職サイト – CareerForum.Net「発表!! 海外大生が選ぶ就職希望企業ランキング 2020」
理想の働き方
CareerForum.Netによる海外大生の理想の働き方についてのアンケートによると、
「個人に大きな裁量がある仕事をしたい」と考える留学生は6割強(68.2%)に上り「決められた範囲の仕事をしたい」(31.8%)を大きく上回っています。
異国の環境下で様々な課題と向き合い、常に自ら問題解決をしてきた経験から、若いうちから大きな仕事を任されたいと考える留学生が多いということでしょう。
働く場所について尋ねたところ「海外で働きたい」(70.5%)が多数派で「国内で働きたい」は約3割(29.6%)という結果となっています。
日本国内にとどまらず、留学経験を活かしてグローバルに活躍したいと考える学生が多いということです。
仕事の捉え方としては、6割強(66.7%)が「仕事は自分の夢を叶える手段」と答えています。
彼らにとって、仕事は安定した基盤を作るためではなく、スキルアップや更なる経験を積み、夢をかなえるためのものという考え方なのです。
上記のような職業観が、就職希望企業ランキングにも色濃く反映されているといえるでしょう。
海外大卒から第二新卒で就活をするメリット
決して悪いことばかりではありません。
海外の大学を卒業した人だからこそ強みになるポイントは、いくつか存在するのです。
1.語学力を通じたポテンシャル
海外の大学を卒業した人の最大の強みと言えば、やはり語学力です。
海外生活や学業を通じて培った実践的な語学力は、海外市場への進出を狙う企業で間違いなく活かせるはずです。
内勤業務であっても、ビジネスメールや電話応対をするときに語学力を発揮できるでしょう。
ただし、単に語学力ということではなく、語学を通じて、海外とのコミュニケーションや、日頃の情報収集も英語を通じて行なえるため、より多くの貴重な情報やアイデアに触れられるわけです。
その結果、広く活躍の場があるということも伝えられるはずです。
2.行動力や積極性
知人や家族がほとんどいない海外で過ごすなかでは、自分自身で考えて行動できる力が自然と身についていたはずです。
この積極性や行動力を評価してくれる企業は、決して少なくありません。
留学生活のなかでどのように考えて、どのように動いていたのか、面接や応募書類でアピールすると効果的です。
3.環境適応能力
言語も文化も異なる海外で一定期間過ごした経験は、「環境適応能力がある」と採用担当者からの評価を得られるかもしれません。
問題が発生したときにも自分で解決しようとするマインドや、諦めることなく取り組める粘り強さが持ち味であることをアピールできます。
4.多角的な見方
グローバリズムや多様性が叫ばれる昨今、固定観念に捉われない、柔軟なものの見方ができる人材は重宝されます。
日本国内で暮らしているだけでは気づかなかったものの見方や考え方、また海外生活で得られた様々な経験は、海外大卒した人ならではの強みです。
海外大卒から第二新卒で就活をするデメリット
メリットが多い一方で、海外大卒をした人にはAyaさんが感じているようなデメリットがあることもまた事実です。
代表的なデメリットは以下の二つです。
1.語学力や留学経験が高く評価されない場合も
海外の大学を卒業していなくても、英語をはじめとする語学力を身につけている人は少なくありません。
せっかく海外の大学を卒業しても、応募する企業によっては多少語学力があるだけでは他の候補者のなかに埋もれてしまい、選考から漏れてしまうでしょう。
先にも触れている通り「語学力そのもの」は、そこまで評価されない場合もあります。
「語学力を通じて、これまでどのようなことをやってきたのか」「今後どういうことが可能なのか」など、語学力で貢献できることに焦点を当てることが大切です。
2.帰国したことを採用担当者に疑問を持たれる
Ayaさんのように、海外の大学を卒業した人は、そのまま海外の企業に就職する傾向にあります。
それが日本に帰国して就職するとなると、「渡航の目的を達成できず、挫折して帰国したのでは?」と疑われることも。
マイナスな印象を抱かれないように、面接の場では決してネガティブな理由で帰国したわけではないことを強調しましょう。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
留学生・帰国子女が陥りがちなワナはここにある!
海外生活を通じて豊かな国際感覚が養われた人がいる一方で、PRポイントが英語だけという人も残念ながら少なくありません。
その英語力に頼り切ってでしゃばりすぎると企業との雰囲気が悪くなり、礼儀や和を重んじる日本企業では浮いてしまうことも。
また、日本企業の風潮や就活制度に不満を募らせて、就活の場で愚痴を口にするのは厳禁です。
自分が就職活動をしているのは日本であることを肝に銘じ、「郷に入っては郷に従え」の精神をある程度大切にしましょう。
海外大卒の人が就職活動で苦労しがちな3つの理由
ナマの情報に触れられるのが遅くなることや、海外からだとなかなか掴めないことがたくさんあります。
想定外のトラブルに遭っても慌てることがないように、海外大卒の人が苦労しがちな理由を理解しておきましょう。
1.就活に関する情報が入りにくい
海外にいると企業説明会やインターンシップなど、企業の採用担当者や体験者とコミュニケーションを取れるチャンスがそうありません。
インターネットを使って情報収集するだけでは、リアルな企業の風土はわからないものです。
実態が分からないまま応募しても、志望動機や自己アピールに説得力を持たせられないでしょう。
2.日本式の就活に慣れていない
日本式の就活には独自の作法やルールがあります。
それに慣れていないと戸惑ってしまい、面接で失敗してしまうこともあるでしょう。
就職活動を開始する前には、服装や挨拶、書類の書き方など、就活マナーをひと通り勉強しておく必要があります。
3.就活対策が不十分
勉強が忙しかったり、周りに就活仲間がいなかったりすると、どうしても就活対策がおざなりになりがちです。
特に自己分析や志望動機など、十分な対策が必要なものができていなければ、帰国してもうまくいかない可能性があります。
また海外大生には縦のつながりがあまりない上に、日本に帰るタイミングでしかOB訪問もできないと思い、最初から諦めている人もいるかもしれません。
最近ではオンラインでのOB訪問が増えてきているため活用すると良いでしょう。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
日本と異なる海外の就活事情とは
海外の就活事情を知ると、日本の就活がいかに特殊かがよくわかります。
日本ほど新卒を重宝する国は存在しないと言っても過言ではなさそうです。
- アメリカ
一括採用はなく、通年採用が基本です。
また、紹介で入社するケースもありますが、志望先の企業ではインターンが必須です。
- イギリス
アメリカと同様に実務経験が重視される傾向にあるため、まずはインターンを通じて経験を積む必要があります。
- スペイン
日本とは違って新卒採用はなく、新卒者に対する目は厳しいものです。
卒業後に資格を取得してから就活する人も少なくありません。
- 香港
新卒への意識はそもそも薄く、即戦力重視の傾向です。
日本とは違い、人脈を使って会社を紹介してもらう人が多数派です。
- ベトナム
新卒採用はなく、卒業後に就活を行うスタイルが一般的です。
外資系企業が多いベトナムでは、英語力が高く評価される傾向にあります。
海外大卒した人が就職活動するとき狙い目の業界
海外の大学を卒業したからには、その点を高く評価してくれる業界を狙いたいものです。
ここでは「海外大卒」という経歴が有利に働きやすい業界を紹介します。
商社
海外の企業とのやりとりが多く、語学力が必須である商社では、海外大卒した人が活躍できる可能性が十分にあります。
現地事情を熟知していることで、商談も進めやすくなるでしょう。
留学先の国と取引がある企業を選べば、自分の語学力や知識を発揮しやすくなります。
メーカー
海外に展開しているメーカーの営業職や企画職は狙い目の職種です。
日頃の電話やメールのやり取りから語学力を発揮できますし、海外赴任や出張が発生しても現地事情を把握していれば、生活にすんなりとなじめるでしょう。
金融
メガバンクや大手保険会社の多くは海外に進出しているため、配属された部署次第では海外生活で得たスキルを発揮できるでしょう。
証券会社では海外投資家に対してIRを発表することがあり、語学力を生かせるかもしれません。
コンサル
外資系のコンサルティングファームは、留学生から人気が高い就職先のひとつです。
企業や組織から課題解決の依頼を受け、その課題を解決に導くコンサルティングはアメリカで生まれたものであり、日本でも多数の外資系コンサルが展開しています。
グローバルな視点を持った人材が求められるコンサル業界のなかには、海外大卒した人の採用枠を設けている企業も存在します。
海外大卒した人が日本の就職活動で成功するポイント
先ほども説明した通り、海外大卒した人が日本に帰国し、何の準備もしていない状態で就職活動を開始するのはいささか不安があります。
しかし、成功するポイントを押さえていれば、海外大卒という強みを効果的にアピールすることができるでしょう。
ここでは就職活動を始める前に知っておきたいポイントを3つ紹介します。
1.就活ルールを覚える
挨拶や手紙やメールの作法、服装など、日本には独自の就活ルールが数多く存在します。
それらは自発的に学ばなければわからないものです。
早く就活ルールに慣れるように、就活対策本を読んだり、就活仲間に意見をもらったりしながら、最低限必要な知識を身に付けましょう。
2.自分の資質に合った企業を選ぶ
日本国内の企業と言っても多種多様で、協調性が求められる旧態依然の日本企業もあれば、実力主義の外資系企業も存在します。
海外生活経験があるからといって、必ずしも外資企業のほうが向いているとは言えません。
Ayaさんも自己分析ができていなかったために、自分に向いている企業がわからなくなっていましたよね。
自分の性格や資質を分析したうえで、無理なく勤められそうな企業を選ぶようにしましょう。
3.スキルだけでなく人間性をアピールする
結果が何よりも重視される外資系企業とは違い、日本企業ではまだまだ協調性や忍耐力など、人間性の高さが評価される傾向にあります。
そのため、書類選考や面接時には自分自身の人間的な魅力や熱意をしっかりアピールしましょう。
自分の長所を知るためにも、日本の就職活動では自己分析が必須です。
日本の就活で活かせる面接のポイントを知りたい人はこちらの動画を参考にしてくださいね。
海外大卒の人が日本ですべき就職対策3選
同級生の多くはすでに就職してしまっていて、何から就職対策を始めたら良いかわからないという人も多いでしょう。
そのような人のために、日本に帰国してから始めるべき就職対策を挙げてみました。
1.留学生向け就職イベントに参加する
アメリカ、イギリス、日本などでは、定期的に留学生向けの就職イベントが開催されています。
そこでは多くの日本企業が参加し、ポテンシャルの高い留学生を獲得しようとしています。
そのようなイベントに参加することで、留学生を積極的に採用している企業を知ることができますし、多くの就活生の姿を目にすることでモチベーションを高められるでしょう。
2.海外大卒の就活仲間を作る
国内には、あなたと同じような境遇で頑張っている仲間もきっといるはずです。
そのような仲間とつながって励まされたり、情報交換ができるようになったりすると、就職活動への士気も高められます。
「就職活動を頑張っているのは自分一人ではない」と自覚することで、挫折することなく内定獲得に向けて頑張れるでしょう。
3.キャリアアドバイザーに相談する
就活マナーを教えてくれたり、海外大卒した人に適した求人企業を紹介してくれたりするキャリアアドバイザーは大変心強い存在です。
Ayaさんも最終的にはキャリアアドバイザーを頼っていましたよね。
周りに就活仲間がいない人でも、キャリアアドバイザーがサポートについてくれることで、気持ちを強く持って就活を続けられるでしょう。
就職活動に対するアドバイスや模擬面接など、実戦的なサポートを受けられる点もキャリアアドバイザーのメリットです。
まとめ
海外の大学を卒業した人には、日本国内の大学卒業者にはない強みがありますが、ハンデがあることも事実です。
それはAyaさんの体験談からもよくわかります。
帰国してから厳しい就職活動の現実に直面し、ショックを受けることがないように、早い段階から対策を練ることをおすすめします。
しかし、就活仲間が限られる海外大卒者は、何から始めたら良いのかがわからずに悩んでしまうこともあるでしょう。
そこでおすすめなのが、「海外大卒した人」の就活を得意としている、転職エージェントのUZUZです。
UZUZであれば海外留学経験を生かせるうえに、自分自身の性格に最適な企業の紹介を期待できます。
日本の就職活動に不慣れであっても、就活のコツや希望に沿った仕事を案内してもらえるはずです。
海外大卒後の進路でお悩みの人は、ぜひUZUZへご相談ください!
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