悩みと不満:住宅業界で働く人はこのような悩みや不満を持っている!
『稼げる』という意見と、『激務だ』という意見がある住宅業界です。実際に働いている人達は、どのような悩みを持っているのかお話します。
営業ノルマ:ノルマ未達成で辞職する人も多い
住宅業界に入社するほとんどの人が、営業職に就きます。すると当然、ノルマが課され、ノルマクリアが出来ずに悩む人は多いです。どのような業界でも、営業職にノルマはつきものですが、住宅業界の場合、商品があまりにも高額です。数千万円のものを売るのですから、ノルマをこなせない人も当然出てきてしまいます。何ヶ月もノルマをこなせないと、会社に居づらくなってしまいます。そんな日々が続けば、会社内に息苦しさを感じ辞職してしまう人は多いです。
実際、毎月ノルマを達成できる人は、どの住宅会社でも1割から2割しかいません。多くの社員がこなせないノルマと戦っています。他のみんなもこなせてないのだから、こなせなくても良い……とは、当然なりません。
何故、ノルマをこなせない人がこれ程まで多いのかと言いますと、営業マンに与えられている権限があまりにも少ないからです。会社に言われている条件そのままで商品を販売しなければなりません。他業種ならば、多少なりとも営業マンに値引きの権限があります。しかし、住宅業界には、その権限がありません。これが非常に大きなネックになっているのです。もっとも、同じ条件でノルマをこなしている人もいるのですから、言い訳に聞こえてしまうかもしれませんが……。
ちなみに、住宅業界のノルマは毎月1件となっている会社が多いようです。つまり、1か0かの世界です。ノルマが達成できない社員は、他の展示場に回されたり、営業職以外の担当に回されたりもします。
休日:土日祝日はまず休めない
イメージしづらいかもしれませんが、住宅業界はサービス業です。そのため、土日祝日に休めることは、ほぼありません。とくに営業職では、活動のメインが土日祝日です。『土日は必ず休みたい』と考えるのであれば、そもそも入る業界ではない、と言っておきましょう。
気になる年間休日も決して多いとは言えません。DODAが発表した業種毎の年間休日ランキングでは、80業種中64位と下位に甘んじています。特筆すべきなのは、有給休暇の少なさです。業界全体で有給休暇は、平均5日しか取っていません。有給休暇が取りづらい社風の会社が多いと言えそうです。
ただし、通常の平日休みはきちんと取れますので、たとえ休みが平日でも週休2日にこだわる人には、良いでしょう。休日返上で労働を求められる業界ではありませんので、その点は安心です。
マンネリ:毎日が同じことの繰り返しで嫌になる人は多い
先程、住宅営業マンの基本的な1日を聞いてもらいました。あのような流れで1週間が同じように過ぎていきます。平日は営業、土日は展示場です。これが延々と繰り返される日々に、マンネリを感じてしまい、嫌になってしまう人は多いようです。
しかし、これは住宅業界にかぎった話ではない、と個人的には思います。同じような毎日でも、メリハリを自分でつけて、仕事のやりがいに変えていくことは、意識すればできることです。住宅業界に限らず、社会で働くのであれば、自分の仕事にマンネリを感じるようなことは止めてください。それは、仕事がマンネリなのではなく、自分で勝手にマンネリな日々にしているだけです。
施工担当特有の悩み:施工業務には営業以上の苦労も!
実は、住宅業界で本当に大変なのは営業ではありません。施工です。裏方の仕事ですので、あまり人々の口に上がってきませんが、建築現場で現場監督をする仕事は、想像以上に激務です。
まず、職人達とのコミュニケーションを取るだけで、苦労をしてしまう人は多いです。営業と違い数字のプレッシャーはありませんが、人間関係のプレッシャーが重くのしかかってきます。全部が全部とは言いません。しかし、職人達の中には、明らかにコミュニケーションが取りづらい人もいます。そのような彼らを上手にまとめなければならないので、大きなストレスを抱えてしまう人がほとんどです。また、建築現場では職人同士のトラブルも多く、そのトラブルを解決するのは、現場監督です。
限られた予算と期日の中で、職人達をまとめ采配をし、トラブル処理をします。更には、品質管理にまで気を配らなければなりません。この仕事を、複数の現場を掛け持ちながら行います。しかも営業と違い、ノルマをこなせば歩合で給料が跳ね上がることもないのです。施工業務の苦労は、工房那由多という作者が書いた漫画『ブルーカラーブルース』でも描かれています。興味があれば手に取ってみてください。