今、損害保険業界で注目されているもの
それでは、損害保険で注目されているキーワードをピックアップしてみました。今後の動向をチェックする上では間違いなく必須項目になるので要チェックです!!
海外保険会社の影響:海外の良い部分は当然取り入れたい!
海外での動きが日本国内に影響を与えるのは、どの業界でも一緒です。損害保険業界もまた例外ではありません。とくにアメリカの保険業界は非常に巨大であり、世界最大の市場です。純粋な保険料の総額は、1兆2000億ドルと言われています。しかし、保険会社を好きな人や信頼している人は非常に少ないのが、現状です。アメリカでは、2001年の同時多発テロの際に、保険金が降りなかったケースも多々あり、人々からの信頼を地に落としました。そのため、多くの人が損害保険業界を嫌っていたのですが、ここ数年で利用者目線に立った新たな保険会社が出現しています。
その代表格がオスカー社とメトロマイル社です。前者はより良い健康保険企業を目指し、後者は自動車保険を大幅に見直しました。両者とも親しみやすい保険会社を目指し、多くの人に受け入れられています。この海外での動きは、当然日本国内にも影響を与えているのです。
「あなたの自動車保険、見直しませんか?」というフレーズは、あなたも聞いたことがあるでしょう。「走行距離が◯◯以下なら、保険料金がぐっとお得!」というフレーズも聞いたことがあるはずです。この走行距離に応じた保険料の設定は、海外の保険会社からの影響です。このように、保険会社のイメージを上げ、なるべく利用者の目線に立った保険が、現在業界内では注目されています。
自転車保険:低加入率は今後のビジネスチャンス
前の項でも触れましたが、自転車保険への注目度は非常に高いです。自転車保険が注目されている理由は主に2つです。
まず1つめは、自転車事故による高額賠償請求が大きくニュースで取り上げられたことです。先程、9,500万円の高額賠償金の話をしましたが、あれは一例にすぎません。他にも自転車事故による数千万円クラスの高額賠償金の判決が出た例は、いくらでもあります。少しでも自転車に乗る人にとっては、決して他人事ではありません。
現在スタンダードになっている自転車保険は、賠償責任補償額は1億円までと、かなり高額になっています。それだけ自転車事故による賠償金問題は、現実的かつ身近だということです。
2つめの理由は、自転車保険への加入率の低さです。2016年1月に日本経済新聞が発表した数字によると、年間の自転車事故は、約10万件起きています。そして死傷者も10万人以上います。年々減少傾向にあるとはいえ、未だにこれだけ多くの自転車事故が起こっているのです。それなのにも関わらず、実際に自転車保険に加入している人は、自転車に乗る人のわずか20%にすぎません。
今後、自転車保険に入るのが当たり前の時代に、どんどん近づいていくのであれば、各保険会社で顧客の奪い合いになるのは、簡単に予想ができます。もちろん「年間の保険料が惜しい」という人も大勢いるでしょう。それならば、安価で自転車保険に入れるようなシステムを構築するべきです。「億単位の賠償責任補償は必要ない。しかし保険には入っておきたい」と考える人向けに、もっとライトな自転車保険が注目されていくでしょう。若者の車離れは進んでも、自転車離れは進みません。ここに大きなビジネスチャンスがあります。
ネット保険:保険業界のネット化が進行している
損害保険業界も他の業界と変わらず、インターネットで全てを済ませる方向に向かっています。各保険会社で、インターネットからの申し込みは保険料の割引を行い、お得感を出しています。
この流れは業界にとってメリットとデメリットの両方があります。まず、メリットは損害保険を、より身近に感じてもらえることです。テレビを見ないネット世代には、インターネットからの購入という流れはとても自然です。また、広告費もテレビCMに比べれば随分とコストを抑えることが可能です。
しかし、あまりにもインターネットでの損害保険加入が根付いてしまうと、業界全体が縮小方向に向かってしまいます。営業の人間は必要なくなりますので、実際に働いている人にしてみれば、仕事が奪われることとイコールです。今後、ネット保険をどこまで広げていくのかは、業界内で大きな注目になっていくでしょう。
2016年の現段階では、損害保険会社が直接販売を行う、ダイレクト保険をインターネットで対応することが多いです。そして、営業の人間が対面で販売する損害保険は、主に代理店で行っていることが多くなっています。今後もこの棲み分けがしっかりできることが大切です。
金額にこだわるお客様はインターネットを利用し、保険について詳しく説明を聞きたいお客様は、営業の人間から購入をすれば良いからです。次に、代理店について詳しく語りますが、今後代理店の1番の存在意義は、商品をわかりやすくお客様に説明することになっていくでしょう。金額面ではダイレクト保険に適わないのですから、保険の詳細を知りたいお客様をメインターゲットにしていく必要があります。