地方/地元での就職を考える際、まずはその地域の情報やイメージを知ることが重要です。今回は蔵王連峰の麓に位置する宮城県白石市の特徴や企業、移住体験談をご紹介します。
そもそも白石市ってどんなとこ?
主に白石城の城下町として繁栄し、それに伴う名所や旧跡が点在しています。宮城県に属しているものの県都である仙台市と福島市共におよそ45km圏内に位置するため、どちらの県都へもアクセスが良く、新幹線も通っています。仙台市と福島市の中間地としての土地柄、同県仙台エリアとの関係はもちろん福島県とも経済や文化など様々な面で密接に関係しています。
白石市基本データ
人口 | 34,825人(2017年10月現在) |
面積 | 286.5km² |
世帯数 | 14,185世帯(2017年10月現在) |
白石市の特徴をざっくばらんにご紹介
歴史マニアのメッカ!歴女たちの撮影スポットにもなっている「白石城」
仙台藩伊達氏(伊達政宗が代表的)の支城として用いられ、伊達市の家臣である片倉氏が代々居住していた城。九州の八代城などと同様、江戸幕府の一国一城制の対象外とされて明治維新まで存続していました。明治初頭の廃城令により廃城処分とされ、天守閣や石垣なども更地となってしまいました。
しかし、現在は三階櫓など本丸の一部が1995年に木造で復元され、現在は歴史マニアたちの格好の撮影スポットに。
東京と遠いようで近い!新幹線の駅がある!
地方のデメリットと言えば、何と言っても「アクセスの悪さ」ではないでしょうか?しかし、白石市には何と新幹線の駅があるのです。そのため、東京駅から2時間あまり、仙台に至っては15分程度で行けてしまいます。
冬には蔵王連峰でのウィンタースポーツを楽しむこともでき、東京や仙台といった都市部へのアクセスも良い白石市は地方のいいとこ取りのエリアだと言えます。
伝統と近未来が同居する建築群も魅力!
白石城だけでなく、東北地方に唯一存在する能舞台「碧水園」といった建築は、伝統建築マニアにとっては一見の価値があります。また、伝統建築と対となる前衛的な建築も多数存在しているのが白石市の変わったところ。
堀池秀人氏による「ホワイトキューブ」を中心に、福祉施設、なんと小学校まで近未来を感じさせる建築が目白押し。建築好きは一度訪れてみては?
ミシュランガイドにも名を連ねる鎌先温泉の老舗旅館群!
開湯は正長元年(1428年)、現在は1軒のみとなってしまいましたが、1990年代までは湯治客も多く訪れていた温泉街。特に傷に対する効能があるようです。この地の里人が草刈りの最中、鎌の先で温泉を掘り当てたことから「鎌先温泉」という名前が付いたそう。
ミシュラン三ツ星「時音の宿 湯主一條」を筆頭に5つの旅館が現在も操業。
特産は「温麺(うーめん)」「こけし」「和紙」
特産は歴史を感じさせてくれる「こけし」と「和紙」。こけしは「弥治郎こけし」という「鳴子こけし」「遠刈田こけし」と並ぶ県内3大こけし。
また、この地域で親しまれているソウルフードの「温麺(うーめん)」は、見た目はそうめんのちょっと太い版、油を使わない製法から子供やお年寄りにとっては消化を助けてくれる健康食として広く食べられています。市内には温麺屋も多く存在しているので、食べ比べをしてみては?
世界中のキツネマニアが集まる「宮城蔵王キツネ村」
そして最後にご紹介するのは市の北側に位置する「宮城蔵王キツネ村」。文字通り数種類のキツネが飼育されていて、触れ合うことも可能な、世界でもかなり珍しいキツネだけの専門施設。特に冬に雪が降れば、一気にインスタ映えも期待できる撮影スポットに。
入場料が1000円ながら、キツネとの触れ合いを求めて国内だけでなく海外からも訪問客が一日中途切れない市内有数の観光地。噂では白石城の入場者数を既に超えてしまったというほどの盛況ぶり。
代表的な企業をご紹介
宮城県白石市で代表的な企業をご紹介します。観光業だけでなく製造業も盛んな白石市。特産の温麺の製麺メーカーから電子部品のメーカーまでバリエーションも様々です。
EMデバイス株式会社
現代の自動車では必要不可欠となっている電子部品「リレー」を専門に設計・製造している電子部品メーカー。車載向けパワーリレーの世界シェアは、何と脅威の約34%。世界の自動車に搭載されている「リレー」の3つに1つはこの会社の製品ということになります。
NECトーキン株式会社から分社化して1年ながら、実績も世界シェアも持ち合わせた特殊な会社と言えます。
【特徴】
- 売上高は200億円、2021年には300億円を目標に!
- リレーは電装部品のON/OFFを切り替える必要不可欠な電子部品!
- 通常の自動車では10~30個を使用!(LEXUSのような高級車だと80個以上使用)
- 連結従業員数は2900名!
- 日本だけでなくフィリピンでも2つの工場が稼働!
- 毎年30%の増産を繰り返す堅調な成長!
- 売上/生産ともに海外比率が脅威の90%!(主力市場は欧米、今後はアジア市場を主軸に)
- 車載向けパワーリレーは世界シェア34%、シグナルリレー(通信、家電、医療向け)は16%!
- 品質が圧倒的に高く、不良率は0.2ppm(100万個に0.2個しか不良が出ない!)
- 先行開発した「ツインリレー」により圧倒的な世界シェアを獲得!
(参考:EMデバイスホームページ)
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株式会社TBM
石灰石で紙を製造する技術を武器に成長する新進気鋭の会社。本社は東京にありますが、生産拠点は白石市にあります。
ホームページを見てもらってもわかる通り、スタイリッシュな雰囲気が漂っています。オフィスも白を基調とした佇まいで清潔感と落ち着きを醸し出しています。白石市の中でも今後成長が見込める優良企業です。
【特徴】
- 白石工場の平均年齢は33歳と若い!
- 男性も育児休暇を取れる環境!
- 現在は2交代制、今後は3交代制を検討するほど生産が活況!
- 世界でも珍しい製品に携われることでやりがいも!
- 社名は「LIME(石灰石)」の可能性を無限大(X)にしたいという想いを込めて「LIMEX(ライメックス)」
(参考:TBMホームページ)
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株式会社ヴィ・クルー
バスに特化して整備・カスタマイズを行う商用車整備会社。バスの整備だけでなく、デザインから請け負うこともあり、世界に1台という個性的なバスのデザイン・カスタマイズにも携わることができます。複数人で1台のバスを仕上げるので、完成した時の達成感も格別な仕事ができます。
【特徴】
- 国内でも珍しい「バスの整備・カスタマイズ」に特化!
- インドネシア人の技能実習生も受け入れている国際派!
- 世界に1台のオーダーメイドバスも作れる!(最初から最後までやり切れるのでやりがいも!)
- 一度転職しても、その働きやすさから戻って来た人が4名も!
- 1週間のインターンでミスマッチを防ぐ取り組みも!(工場見学もいつでも対応可)
(参考:ヴィ・クルーホームページ)
山田乳業株式会社
「フロム蔵王」ブランドを中心に乳製品の製造メーカーとして地場ではかなりおなじみの会社。数年前からECでの販路を立ち上げて売上も好調。特にアイスクリームは種類も豊富で、地元の乳牛から搾乳した牛乳を原材料にしていて味にも定評があります。
【特徴】
- ECの販路は「楽天」「Yahoo」「Amazon」!
- 乳製品メーカーながらWebマーケティング担当が3名体制!
- プライベートブランド「フロム蔵王」の商品点数が豊富!
- 地元ではアイスクリームと言えば「フロム蔵王」!
(参考:山田乳業ホームページ)
「地域おこし協力隊」も募集中!
宮城県白石市の地域おこし協力隊として地域を盛り上げるための取り組みを企画し、自治体や地域住民と協力して進めていきます。白石市を「外」の視点を持ち込み、今までの町おこしでは出てこなかったアイディアを形にすることで、白石市の魅力を再開発することができる仕事です。
あなたの今までの人生経験を活かして、一つの街を変えてみませんか?
【特徴】
- 街づくりというダイナミックな仕事に携わることができる!
- 今までの人生で培ってきた知見や人脈を活かした仕事ができる!
- 町おこしに参加することで「第二の故郷」を手に入れることができる!
- 自治体という協力することで民間ではできないような事業を行うことができる!
- 「地域おこし」という一般的には経験ができないことを経験することで自身の市場価値をユニークにできる!
白石市への移住体験談
宮城県白石市に移住した方の体験談をご紹介します。どのような経緯で移住し、現在はどのような活動を行っているのでしょうか?白石市に移住してみた感想も含めてお伺いしました。
清水 玄太(29歳・男性)
東京生まれ東京育ちながら、現在は白石市で石彫家として活動しています。日大芸術学部を卒業後、中学で非常勤講師をしていましたが、石彫家を目指して白石市の隣町である丸森町の石材店に就職することを決意しました。震災がありながらも移住、就職に関しては一度決めたことなので突き通しました。その際に白石市に移住したのですが、移住当初は知り合いもいない街で孤独を感じていました。
転機が訪れたのは、知り合いの展示館のおかみさんの一言。「知り合いがいなくて寂しいなら合唱団に参加してみたら?」と言われて、何となく参加した合唱団で知り合いが増えて街にも溶け込んでいくことができました。さらにそこで会った人達から紹介された石が運命的な石でした。今はその石が取れる場所の近くに居を構えて制作に没頭できています。
この経験からもやっぱり人との繋がりから人生って変わるんだなと思っています。丸森町の石材店の社長と出会ったから白石市に移住して、白石市で合唱団に所属したから最高の石に出会えて、そして石彫家として活動ができている。自分にとって白石市は「運命の街」であり、「夢を叶える場所」ですね。
谷津 智里(39歳・女性)
私は東京生まれながら、夫が地元に戻って家業である新聞配達店を継ぐということで白石市にやって来ました。移住した当初は新聞配達店を手伝いながら子育てをやっていたのですが、どうしても時間が余ってしまって。元々出版社で働いていた経験があったので、編集・ライターとして個人で仕事を受けるようになりました。
復興や地域おこしに関連する冊子の編集やライティングをいくつか経験する過程で交友関係も広がっていきました。「つながる湾プロジェクト」というプロジェクトに参加し、自分が企画から携わった冊子ができた際には非常にやりがいも感じることができました。
そして、地域の活動にも顔を出すようになると、他の女性も何かやりたいんだけど何をやっていいのかわからないとエネルギーを持て余していることを知りました。そこで、地域の女性が集まって何か活動できないかと話し合い、地域を盛り上げる取り組みを自治体や非営利団体から仕事を請け負ってやっていこうとなりました。現在はまだ企画段階ですが、徐々に実績を積み上げていき、女性が活き活き生活できる地域にしていきたいと考えています。
おわりに
地方はその地域によって魅力も様々です。白石市は交通の便も良く、冬はウィンタースポーツも楽しめますし、温泉に代表される自然も豊かな土地柄です。就業に関しても電子部品メーカーを中心に多くの優良企業があります。
そんな白石市の自然と企業、そして人を巡るバスツアーを下記日程で開催します。参加費用は無料なので、「白石に行ったことないし、一度行ってみようかな、タダだし」という方も気兼ねなくご参加ください。
白石市体験バスツアー日程
対象 | 地方での就業や暮らしに興味がある方(将来的には考えているという方でも大丈夫です!) |
日程 | 3月3日(土)〜4日(日)※1泊2日 |
料金 | 無料(昼食代は自己負担) |
スケジュール
■1日目(8時集合、東京駅発)
13時頃 白石市着
13時30分~ オリエンテーション
14時45分~ まち歩き(センター予定地、市内中心街など)
16時30分~ 情報交換(まち歩きをして気づいたことなど)
18時00分 宿泊先着
■2日目(9時~市内視察※白石城ほか)
10時30分~ 住宅視察
12時30分~ 昼食
14時00分頃 白石市発
9時00分頃 東京駅着
■白石市体験バスツアーへのお申し込みはこちら
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