花王の創業は、明治20年。120年以上もの歴史を持ち、なお躍進を続けている花王は、就職の人気企業ランキングの常連でもあります。
このページでは、大手化学メーカーである花王のプロフィールや、就活事情についてまとめてみました。
面接の特徴や、求められやすい人材像など、大手企業が注目しているポイントも見えてきますよ。
「花王」のプロフィール
花王は1887年の創業以来、消費者のニーズにフォーカスしたモノづくりを行い、より豊かな生活文化の発信に努めてきました。
原料調達から製品の完成、物流までを自社で行う、一貫した製品展開を強みとしていますが、世界市場を見据えたグローバル化にも力を入れています。
世界各地に研究拠点があり、それぞれの地域に即した商品開発にも余念がありません。
そんな花王が展開している事業は、大きく分けて以下の4つです。
ビューティーケア事業
化粧品、スキンケア、ボディケア、ヘアケア製品を中心に開発・販売を行っている事業部門です。ソフィーナ、カネボウ、モルトンブラウン、ビオレ、アジエンスなどの人気ブランドを擁しています。
売上高は、ビューティーケア事業だけで4155億円。資生堂と並んで化粧品の国内シェアの首位を競っている事業です。
ただ、好きな時に好きなブランドの商品を購入できる「ネット通販」の台頭により、カタログ通販や店頭販売を中心に収益を伸ばす化粧品販売会社はやや曲がり角。
化粧品業界はアウト・オブ・ブランドと呼ばれる、母体企業名ではなく、ブランド名だけを前面に出して売り出されるブランドなどの展開を行いつつ、顧客の獲得やネット販売への対応を行っています。
アウト・オブ・ブランドは母体企業のイメージを崩すことなく新しいテイストのブランドを生むことができ、コーセーのジルスチュアート等が有名です。
ヒューマンヘルスケア事業
サニタリー製品やオーラルケア製品を中心に開発、提供している事業です。ロリエ、メリーズなどのブランドを有しています。
ファブリック、ホームケア事業
衣料用洗剤や食器用洗剤などのファブリックケア商品を展開している事業です。アタック、マジックリンなど、トイレタリー業界の国内シェア1位を誇るブランドを有しています。
自社で製品の開発から流通までを行っている花王は、従来の店頭販売に加えて、商品のネット通販(EC)も積極的に行っています。「爆買い」を筆頭とするアジアの需要をうまく収益につなげるため、今後も販路の刷新を行うことが業界全体の課題といえます。
ケミカル事業
油脂関連製品をはじめとする工業用製品の開発・提供に力をいれている事業です。日本国内はもちろん、海外の市場ニーズにも対応しています。
「花王」が求める人材とは?
花王は、技術系(研究職・生産技術職)と、事務系(総合職・ビジネスプロセスエンジニア・クリエイティブ職)の人材を募集しています。
それぞれ応募資格やエントリー受付期間が異なるため、志望する職種の応募期間をチェックしておきましょう。
なお、花王は採用選考に際して、自社の企業理念として掲げている「花王ウェイ(The Kao Way)」に共感し、ともに実践できる人材を求めています。
- 消費者のニーズを理解する能力があること
- チャレンジ精神があること
- チームワークを大切にすること
- 人種や文化の多様性を受けいれるなど、国際意識が高いこと
- 高い専門知識を有すること
消費者のニーズを把握し、コミュニケーションをとりながら、よりよいモノづくりをする。
花王の内定をもらうには、社員全員の共通理念として打ち出されているこの「花王ウェイ」を理解し、自分なりのアプローチを表現できる力が求められるでしょう。
花王ウェイについてより詳しく学びたい場合は、こちらのページをご覧ください。
「花王」の就業環境
では、花王の就業環境についてチェックしてみましょう。
気になる平均年収は?
花王の平均年収は約800万。化学メーカーの平均年収としては上位に位置します。
ちなみに化学業界の平均年収は600万前後。
平均年収ランキングの上位常連企業である三菱ケミカルホールディングスや積水化学工業の年収は、約1000万です。
キャリア支援
花王では、新人の育成はもちろんのこと、キャリア支援制度にも力を入れています。
入社後はまず入社導入研修と部門導入研修を行い、社会人としてのマナーや、業務に必要なスキルを学びます。社会生活へのスムーズな導入をサポートするとともに、継続的な研修によってキャリアマネジメントを促進している点が特徴です。
花王の基本的な教育方針は、「自分から学ぶ」というスタイルです。基本的にはOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)と、OFF-JT(オフ・ザ・ジョブ・トレーニング)をメインに行います。
ちなみにOJTとは、職場で実務を学ぶトレーニングのこと。
OFF-JTとは、職場を離れてより専門的な知識を身につけるトレーニングを指します。
育児支援制度
花王は、育児と仕事を両立しやすい会社づくりの一環として、本社内に企業内託児施設を設けています。
また、フレキシブル出勤(在宅勤務や週3勤務など)や、時差出勤(就業時間の繰り上げや繰り下げができる)など、育児を行いやすい勤務形態の提供も行っています。
「花王」の面接で聞かれやすいことって?
花王の面接やエントリーシートでは、
「なぜ花王を志望したのか」
「学生時代にどんなことを頑張ったか」
「将来のキャリアプランについてどう考えているか」
という基本的な質問をはじめとして、企業理念の理解度や、適性をはかる質問が多くなされます。
中でも毎年質問されているのが、「花王ウェイで共感することは何か」という質問です。
エントリーシートのほか、面接(個人・集団面接・グループディスカッション等)でも聞かれやすい項目といえます。
花王は消費者の自宅を訪問してニーズを聞くなど、生身のコミュニケーションを重視しています。花王の理念や今後のビジョンを踏まえたうえで、自分らしい回答を考えてみましょう。
まとめ
大手化学メーカーである花王のプロフィールや、就活事情についてご紹介しました。
花王では「花王ウェイ」の理念に表れているように、世界に向けてよりよい生活文化を提供できる企業を目指しています。
企業理念を肌で感じるためにも、インターンシップや企業説明会に積極的に足を運んでみてくださいね。
(参考資料:会社四季報 業界地図 2016年版)