近畿(関西)地方での就職を考える際、そのエリアのイメージだけで就業先を決めるのではなく、さまざまな視点から物事を判断した上で就職先を決めることをお勧めします。
こちらでは、近畿地方の経済状況や人口規模、求人情報などをご紹介します。長期的に暮らせるか、そして自分が希望する職種があるのかを判断する材料にしてください。また地域を代表する企業や、実際に就職を決めた人の体験談も載せるので、就職活動の参考にしていただければと思います。
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基本データ
人口 | 20,725,433人 |
人口密度 | 1,015人/km² |
面積 | 27,351km² |
年齢比率 年少人口(15歳未満) | 12.7%(平均12.6%) |
年齢比率 生産年齢人口(15〜64歳) | 59.0%(平均58.4%) |
年齢比率 老年人口(65歳以上) | 27.2%(平均28.0%) |
近畿地方は、大阪府・京都府・兵庫県・奈良県・和歌山県・滋賀県・三重県の7地域で構成されています。日本の全人口1億2,700万人のうち、約6分の1を占める約2,100万人が住む地方です。中でも大阪府の人口が最も多く、その数は約880万人。これは全国3位の多さです。
近畿地方の生産年齢人口は全国平均より少し上回っています。大阪府という大都市に加え、50万人以上が住む神戸市と京都市もあるため、近畿地方は多くの企業が密集しているエリアです。
また立命館大学や近畿大学など学生数の多い大学が複数あり、若い人たちもたくさん集まっていると考えられます。
経済データ
都道府県GDP(県民総生産) | 79.4兆円 |
企業数 | 4,928社 |
上場企業社数 | 625社 |
黒字企業比率 | 83.8%(平均82.3%) |
赤字企業比率 | 16.2%(平均17.7%) |
常時従業者数 | 2,137,433人 |
総資本 | 95,026,340円 |
売上高 | 95,006,782円 |
上述したように近畿地方は大阪・京都・神戸など人口の多い都市が集まっており、経済的に潤っているエリアです。
大阪府と兵庫県を中心とする「阪神工業地帯」は日本の三大工業地帯の一つであり、綿工業や重化学工業が発達しています。工業における製造品出荷額が最も多い地域は大阪府で、その額は年間16兆245億円に上ります。
一方で近畿地方は農地が多く、農業もさかんに行われています。和歌山県ではみかんが、三重県ではなばなの収穫量が全国1位です。
雇用データ
平均年収 | 441万円(平均454万円) |
有効求人倍率 | 1.01倍 |
近畿地方のほとんどの県で「販売の職業」の人材が不足しています。
京都府と奈良県には、世界遺産に登録されている歴史的文化財が複数存在します。そのため、国内外からの観光客を相手に接客販売を行う人材を、多く求めていると考えられます。
上述したように近畿地方は大きな工業地帯があり、たくさんの企業が集まっています。また三重県は隣接する愛知県の自動車産業の恩恵を受け、自動車部品製造業がさかんです。近畿地方全体で、工場で従事する人材を多く求めているといえるでしょう。
近畿地方の平均年収は441万円で、全国平均を少し下回っています。年収が最も高額な地域は大阪府で490万円。対して近畿地方で最も低いのは和歌山県の404万円でした。
大阪府の最低賃金が883円であるのに対して、和歌山県は753円と130円違います。和歌山県と大阪府は隣接していますが、これほど賃金に差が出るならば、大阪に働きに出てしまう和歌山県民は少なくないでしょう。
参考:
大阪労働局「大阪府の最低賃金のお知らせ」
和歌山労働局「和歌山県の最低賃金」
近畿地方の代表的な企業
近畿地方で代表的な企業をご紹介しています。地方内でも知名度や事業の影響範囲が広いだけでなく、事業競争力のある企業を選出しているので、就職活動の参考になればと思います。
井村屋グループ株式会社
事業内容
1896年に創業された、菓子製造を行う会社です。あずきを仕様した商品に定評があり、なかでも冷菓「あずきバー」は2016年度の売上本数が2億5,700万本を記録しました。
「やわもちアイス」のパッケージデザインは、2013年にグッドデザイン賞を受賞。ほかには醤油やお酢の製造といった調味料事業も展開しています。
採用活動
井村屋、井村屋フーズ、井村屋グループの3社が募集しています。職種は食品製造を行う技術系、商品の販売営業を担う営業系、法務や総務といった管理系の3種類です。
教育制度が充実しており、入社後は機能別研修において「マーケティング研修」や「女性キャリアアップ研修」などが受講可能です。また社内では、社員が講師となって「品質」「環境」「食品安全」について勉強する「ISO勉強会」も開催されています。
日本電気硝子株式会社
事業内容
ガラス製品の製造販売メーカーです。1944年に設立され、現在は1,644名の従業員数が在籍しています。
滋賀のほか、営業所として東京と大阪にも拠点を持っています。その技術は海外でも評価され、日本電気硝子は欧米・アジア・南米など世界中でガラス事業を展開中です。
採用活動
材料開発や生産設備の開発・設計を行う「技術系職種」と、営業、法務、人事などを行う「事務系職種」の2職種を募集しています。
入社後は国内のみならず、海外の子会社に駐在する可能性もあります。工場での現場実習と、英語研修はどの社員も必須です。また事務系職種の新入社員は、3ヶ月程度の海外研修を行う場合があります。
参考:日本電気硝子新卒採用ウェブサイト「採用情報」
任天堂株式会社
事業内容
1889年に創業した「ニンテンドーDS」や「Wii」などのゲーム機、ゲームソフトの製造販売を行う会社です。創業当初は花札やトランプといった、カードゲームの製造販売を行っていました。
2016年に配信されたスマートフォン向けアプリ「ニンテンドーマリオラン」は世界的にヒットし、7,800万ダウンロードを記録しました。
採用活動
ネットワークシステムやサーバインフラ開発なとを担う、エンジニアを募集しています。その他はWebデザイナーや音楽制作、法務・人事など事務系の職種も募集しており、文系理系問わず応募が可能です。
参考:任天堂「採用情報:新卒採用」
積水化学工業株式会社
事業内容
昭和22年(1947年)に設立され、当初はプラスチックの加工メーカーとしてスタートしました。後に住宅リフォームに着手し、現在では住宅用建材の製造や、不動産事業にも注力するなど業務内容は多彩です。2009年には生産・販売拠点としてタイに合弁会社を設立し、グローバルに展開しています。
採用活動
「技術系」「事務系」の2つの職種において、それぞれ数十名を採用予定です。ビジネスリーダーを育成するために、入社から管理職になるまでの育成形態を作成しています。
また、新入社員向けに3年間の育成プログラムを設け、「階層別研修」と「ビジネススキル研修」の二本立てを並行して実施。社員たちが問題解決力やプレゼンテーション力を培うためのカリキュラムを用意しています。
株式会社アシックス
事業内容
昭和24年(1949年)に創業されたスポーツ用品メーカーです。ランニングウェアやシューズ、スイムスーツなど商品は多岐に渡ります。
また、バレーボール全日本代表チームのユニフォームも作成しました。欧米やアジアなどに45社もの関係会社を持ち、アシックスの製品は世界中のアスリートが愛用しています。従業員数は連結グループを合わせると7,864人です。
採用活動
「ビジネス総合職」「デザイン職」「研究職」をそれぞれ募集しています。若手社員に対して、コミュニケーション力や問題解決力といった思考スキルを培うための「階層別研修」を設けています。
また「ASICS ACADEMY」という選抜型研修も取り入れ、優秀な成績を残した社員は海外研修・海外赴任をすることが可能です。
株式会社ヒラノテクシード
事業内容
1935年に創立された、塗工・加工機械の製造を行っている産業機械メーカーです。
1973年には研究・実験工場の「ヒラノテクニカム」を設置してお客さまとの技術交流を行い、機械装置の設計をサポート。東京にも支店があり、250名の従業員が在籍しています。
採用活動
理系の方を対象に「機械設計」「電気設計」の職種を募集しています。
2013年には学びの場を提供するべく「ヒラノアカデミー」を開設し、外部講師を招いてセミナーを行うなど教育に力を入れている企業です。会社が推薦する通信教育講座を受講する場合、料金を全額負担してくれます。
上記のような取り組みもあり、新入社員は過去5年間でひとりも辞めていません。そのため2016年の「新入社員に優しいホワイト企業」では、見事1位を獲得しました。
参考:株式会社ヒラノテクシード「採用情報」
株式会社オークワ
事業内容
1938年に創業され、スーパーのチェーンストア「オークワ」を西日本で展開しています。エリアや客層に応じて4つの業態を設けており、大型の「スーパーセンター業態」、高品質のものを求める客層向けの「メッサ業態」などがあります。
2013年に東証一部上場を果たし、2017年時点で160店舗を展開中です。
採用活動
販売・店舗運営を行う「総合職」を募集しています。最初は店舗での接客業務からスタートし、経験を積んで部門チーフを経た後に、店長や本社スタッフへの昇進があります。
中部・関西地方に店舗があり、社員の自宅からの距離を考慮した上で配属先を決めます。また入社後は、海外研修やビジネススクールを受講することが可能です。
参考:「オークワ」
近畿地方の就職/転職活動まとめ
近畿地方の就職や転職活動に役立つ情報をまとめました。就職・転職イベントだけでなく、就職・転職の体験談、近畿地方を対象とした就職・転職活動の支援サービスも合わせてご紹介していますので、参考になればと思います。
近畿地方の就職/転職活動のイベントまとめ
求職者に向けたイベントが、近畿地方で定期的に開催されています。面接での受け答えやビジネスマナーなど、独学では学びづらいと思う方はぜひ参加してみてください。
おしごと広場みえ
三重県では就職活動が始まる3月から、数十社が集まる合同説明会が大手人材紹介会社や県内の商工会議所によって主催されています。三重県は名古屋・大阪・京都といった大都市と隣接しているため、Iターン、Uターンを支援する相談会もこれらの都市で定期的に開催中です。
また、厚生労働省からの委託事業で「若者無業者支援」を県内の各地域で行い、若者の就業を後押し。グループワークや労働体験の機会を設け、彼ら、彼女らのコミュニケーションスキルなどを養う支援をしています。詳しくは自治体のホームページをご覧ください。
おうみ若者未来サポートセンター
おうみ若者未来サポートセンターは、若者への就職相談や企業紹介を行う就業支援センターです。求職中の45歳未満の方を対象に個別で就業相談に乗ってくれます。
就職活動の始め方、履歴書の書き方、自分に向いている業界についてなど、さまざまな悩みに対してアドバイスをしてくれるでしょう。メールでの「ネットカウンセリング」にも対応しています。
さらに求職者と複数の企業が参加する「企業マッチング面談会」を開催しています。募集職種に興味のある企業と面談を行うことが可能です。エンジニア職や技術職などが募集されています。
また、学生と既卒生を対象にした「彦根地区合同企業就職フェア」も開催。人事担当者から企業説明を聞けることに加え、面接を受けることが可能です。
京都ジョブパーク
京都ジョブパークは、求職者への就業支援を行う「総合就業支援拠点」です。府内の労働者団体や経営者団体がともに支援を行い、地域で運営を支えています。
特徴は、働きたい人であれば誰でも利用できることです。来所したら無料でキャリアカウンセラーの個別サポートを受けることができ、京都府独自の求人情報も得ることが可能です。
京都ジョブパークでは、複数のコースによる定期的にセミナーが開催されています。例えば社会人としてのビジネスマナーや発信力を鍛える「ベーシックコース」や、業種、職種について考える「適職コース」などがあります。
「アドバンスコース」になると、ペアまたは複数のグループワークを実施し、実行力や主体性などを身につけることができます。
参考:京都府ホームページ「京都ジョブパークとは はじめての方へ」
OSAKAしごとフィールド
OSAKAしごとフィールドは、年齢や障がいの有無に関係なく、求職者に対しての仕事支援を行う施設です。
「将来やりたいことがわからない」「家事と育児を両立させたい」といった各々の悩みに対応するため、キャリアカウンセリングを行っています。自己分析を通して自己理解を深めたり、職場体験に行ったりなど、仕事を決める際に手厚いサポートを受けることができます。
求職者向けのセミナーは「業種・職種研究」や「女性のための就活準備セミナー」などがあります。また中小企業の採用担当者に向けても、「採用力向上」や「若手社員の魅力を引き出す」ことを目的にしたセミナーが定期的に開催されています。人材紹介は有料ですが、求職者向けの職場体験のコーディネートは無料で行っています。
参考:OSAKAしごとフィールド「OSAKAしごとフィールドとは | 初めての方へ」
若者しごと倶楽部(ジョブカフェひょうご)
若者しごと倶楽部は39歳までの求職者を対象に就業支援を行っている公的機関です。キャリアマネージャーが3つのステップに沿ってカウンセリングをします。
最初に職業適性診断システムや企業見学ツアーを利用し、求職者に適した仕事を探します。その後希望する仕事に就くためのプランを作成し、最後に書類の書き方や面接方法など、企業にアプローチする際のアドバイスを行ってくれます。
また、無料セミナーも定期的に開催。「コミュニケーションUPセミナー」や「模擬面接実践セミナー」など内容は多岐に渡ります。
参考:「若者しごと倶楽部」
ならジョブカフェ
ならジョブカフェとは、正規社員の就業を目指すおおむね35歳未満の求職者の方を対象にした就業支援センターです。
情報収集を行う「パソコンブース」やセミナーを行う「トレーニングルーム」、キャリアコンサルタントと面談を行う「じっくり相談コーナー」など、就活に必要な施設がワンフロアにそろっています。
カウンセリングでは、目標やスケジュールの設定といった就活プランの作成や悩み相談に乗ってくれます。また就活セミナーでは面接練習やビジネスマナー講習に加え、グループディスカッションの対策も行われています。
さらに、面接している自分の姿を撮影し映像で確認できる「ビデオde面接チェック」など、ユニークなサポートも実施中です。キャリアコンサルタントへの相談やセミナーへの参加はすべて無料ですのでご安心ください。
参考:奈良県公式ホームページ「ジョブカフェって何」
ジョブカフェわかやま
ジョブカフェわかやまは、35歳未満の求職者と40代前半までの不安定就業者に向けた就職支援を行っているセンターです。就職相談・職業紹介・セミナーなど、サービスを全て無料で受けられます。
センターでのカウンセリングのほか、メール相談やハローワークへの出張相談も行っています。応募書類の作成や面接の仕方など、就職活動において一人では準備が不十分になってしまう部分をサポートしてくれるでしょう。
センターでは、ビジネスマナーやコミュニケーション力の向上を目指した「スキルアップセミナー」などが定期的に開催されています。また、就職活動を通して必要となるマナーを教える動画解説もHP上にアップされています。
近畿地方の就職/転職活動の体験談まとめ
近畿地方で就職/転職活動を行い、無事に内定を獲得した方の体験談をご紹介します。20代の求職者がどのように活動を進めていったのかを見ていきましょう。
体験談その1(24歳・男性)
大阪で開催された企業説明会等にはほぼすべて参加しました。最終選考以前の選考は、ほとんど大阪で完結しました。選考が東京で行われる場合でも、大手であれば交通費等は負担してもらえることが多いと思います。
面接で志望理由を聞かれたときその会社の業務についての魅力よりも、会社の企業理念、価値観への共感を述べるようにしていました。
業務内容などは就活生が外から知るには限界があり、話したとしても「内容が薄っぺらくなってしまう」と考えたためです。「企業理念に自分の価値観が合致した」という内容のほうが説得力を持たせることができると思います。
体験談その2(23歳・女性)
大阪府と兵庫県を中心に就職活動を行いました。関西に本社があっても実際の本社機能は東京である会社が多いため、総務系の募集は少なかったです。
また、三次面接まで(多くは集団面接)は大阪で、そのあとの面接は東京というのも多かったので、交通費の負担や時間的なやりくりがとても大変でした。
最初から総務系に希望がある場合は、思い切って東京での活動から始めたほうがいいかもしれません。
ただ関西特有のリクルーター制度は、金融以外でもわりと強く残っていたように感じます。「どうしても関西で働きたい」と考える方は、ダメ元でも細いツテを頼ってみるとチャンスにつながるかもしれません。
近畿地方の就職/転職活動の支援サービスまとめ
近畿地方の就職支援を行っている団体をご紹介します。ちゃんとした実績を持ち手厚いサポートを提供しているので、気になった方はお問い合わせください。
株式会社UZUZ
株式会社UZUZでは、大阪で働きたい方に向けて就職サポートを実施しています。求人のご紹介はもちろん、書類作成のアドバイスや面接対策を実施。皆さん一人ひとりが納得して就職できるよう、親身なサポートを心がけています。
すでに東京本社では、多くの既卒・第二新卒・フリーターの方の就職をサポートしてきました。内定後の企業定着率は90%を超えています。「未経験からでも就職したい」「第二新卒として新たなスタートを切りたい」方は是非一度相談にきてください!詳しくは以下を要チェック!
おわりに
その地域で発達している産業によって、募集職種は変わります。「都会で楽しそうだから」「自然がいっぱいあってゆっくり過ごせそうだから」などの理由だけで住む場所を決めると、希望職種に就けないかもしれません。
納得のいく就職活動にするためにも、経済状況や求人情報を確認した上で就業先を探してみてください。記事を読んで「近畿地方で就職したい!」と思った方は、まずは上記で紹介したエージェントに問い合わせてみましょう。
動画で就活ノウハウを学びたい、悩みを解決したい方
第二新卒・既卒・フリーター向けに就活ノウハウをレクチャーする動画『UZUZチャンネル』を配信しています。毎週、現役のキャリアカウンセラーがユーザーから寄せられる就活のお悩みにリアルタイムで答えるライブ配信も実施中!気に入ったらチャンネル登録してみてください!
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