もくじ
「専門学校を中退すると就職活動は不利になるのかな……?」と不安を感じる方も多いでしょう。
専門学校中退ということはつまり、最終学歴は高卒になります。専門学校を中退した高卒の方でも、希望する企業へ就職するチャンスがあるのか、気になるところですよね!
そこで今回はUZUZの就職サービスを利用した方の中から、専門学校を中退して就職活動を決意した20歳の女性・Mさんへのインタビューを行いました。
- 専門学校を中退した理由
- 中退して大変だったこと
- 就職活動を成功させるためのコツ
- よくある就活失敗事例
不利な面も多い中、彼女は一体どんな就職活動を行ったのでしょうか?
Mさんと同じように専門学校を中退して就職活動に悩んでいる人にとって、役に立つ情報がたっぷり詰まっています。
ぜひ読んでみてください!
UZUZが徹底サポート!
実体験|専門学校を中退した理由と大変だったこと
Mと申します〜!こちらこそよろしくお願いします。
当時私が通っていたのは看護の専門学校でした。看護の道に進んだのは、東日本大震災の発生がきっかけの一つ。
毎日ニュースが流れてくる中で、凛として対応にあたるお医者さんや看護師さんを見て「私も世の中に広く必要とされる技術を身につけて、人の役に立ちたい」と思ったんです。
課題と実習の生活に忙殺されていましたね……。遊ぶ暇もほぼないくらい忙しかったです。
実家を出て一人暮らしをしていたので、生活のためにアルバイトの時間も捻出しないといけなくて……なんとか学校の勉強と両立していました。
今振り返ると、忙しすぎたのも負担になっていたのかなと思います。
学業とバイトの両立が負担で中退に……
そうなんです。実は単位を1つだけ落として留年が決定してしまいました。さらに追い打ちをかけるかのように奨学金も打ち切られてしまうことに……。
実は私がもらっていた奨学金は、留年が決定した時点で下りなくなってしまう決まりだったんです。
今後どうしていくべきか、悩みに悩みました。だって単位さえ落としていなければ、あと半年で専門学校を卒業できたんですから……。
奨学金の支援なしで学生生活を続けるのは、何度計算しても難しい状況でした。それで、仕方なく専門学校を中退して就職活動をすることに決めたんです。
専門学校を中退して大変だったこと
そうですね……一番大変だったことは、高卒で応募できる求人が少ないということですかね。
大卒からの求人が多かったので、かなり選択肢の幅が狭くなってしまいました。
あとは履歴書審査もなかなか通らなくて、結構な数の応募をしました。
担当のキャリアアドバイザー曰く、中退すると「高卒」という枠になってしまうため、やはり大卒や専門卒に比べて就活が不利になることが大きな理由だったようです。
実際に専門学校在籍中に初回相談した際は、できれば中退せずに在学し続けたほうがいいとアドバイスも受けました。
私も、なんとか学生を続けて「高卒」ではなく「専門卒」の資格を得たほうがいいんじゃないか、と何度も考えましたね……。
担当キャリアドバイザーにも「リスクをとってでも本当に今就職したいのか?」と繰り返し確認されて。
でもやっぱりお金の面もかなり厳しく、働きたい気持ちも強かったので、就職することを選んだんです。
そもそも専門学校を中退する人は多い?就職率はどのくらい?
専門学校を中退する人は、実は少なくありません。中退といっても、経済的事情や留学、病気などさまざまな理由があります。
中退する人が世の中にどのくらいいるのか、就職率はどのくらいなのかをデータとともに説明します。
専門学校中退後の就職傾向
専門学校を中退する人の割合は、文部科学省が公表した「学生の修学状況(中退者・休学者)等に関する調査(令和4年6月3日)」によると、1.95%と言われています。
その中で専門学校を中退した人の就職率は、男性29.7%、女性21.7%と言われていますが、専門学校を卒業した人の就職率は64.0%です。
参考:独立行政法人労働政策研究所・研修機構 「第3章 ハローワークに来所した中途退学者の実態②:中退後の就職活動」
このように専門学校中退後は就職率がかなり低く、正社員への就職は簡単ではないのです。
中退した専門学校生はその後どうしてる?
専門学校を中退後、多くの中退者はなかなか就職せず、正社員として就職するための準備やアルバイトをしている人が多いです。
独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によると、中退者の就職活動を開始した時期は下記の通りです。
中退者が就職活動を開始した時期 | 割合 |
---|---|
中退前から就職活動を開始 | 13.9% |
中退後3か月未満 | 52.1% |
中退後3か月~6か月未満 | 10.4% |
中退後6か月~1年未満 | 12.5% |
1年~3年未満 | 6.9% |
3年以上 | 3.5% |
また、同調査にて中退直後の就業状況は「在学中から行っていたアルバイトを継続」する割合が高くなっています。
さらに、在学中から行っていたアルバイトを継続した人の約4割が「正社員として就職したい」と考えながら、アルバイトをしている結果も報告されています。
つまり、専門学校を中退すると就職が不利になるということです。
専門学校を中退した人の就職が不利になりやすい理由
先ほど説明したように、専門学校を中退後に「正社員として就職したい」と考えながら、実際はアルバイトをしている人は少なくありません。
いくつかポイントがありますが、大きく分けると5つです。
- 最終学歴が高卒になるため
- 中途採用枠での応募になるため
- すぐに辞めてしまうと思われやすいため
- 専門的な知識や技術が身についていないため
- 専門学校からの就職支援がないため
最終学歴が高卒になるため
専門学校を中退すると、最終学歴が高卒になってしまいます。履歴書には「中退」の事実を記載しなければいけないので、履歴書には「専門学校 中退」と記載する必要があります。
そのことから、専門学校に通っていたと伝えることはできますが、高卒の人と同じ扱いになってしまいます。
そうなんです。また、募集要項に「専門学校卒業」または「卒業見込みのある人」と記載がある求人に応募できないため、応募できる数も少なくなってしまいます。
中途採用枠での応募になるため
高卒者も新卒に含まれますが、専門学校を中退すると、新卒採用ではなく中途採用の扱いになってしまうことが多いです。
厚生労働省の「若者の募集・採用等に関する指針」にて、政府は「卒業後3年以内の者も新卒枠での応募受付ができるよう努めてください」と呼びかけていますが、実際に選考の基準を変えた企業はまだ少数派。
「高卒の新卒=卒業後すぐに就職する人」といった考え方が一般的になっています。
新卒採用は採用枠が多く、ポテンシャル採用でチャレンジできます。
一方で中退した人の場合中途採用枠での応募となり、新卒採用よりも採用枠が少なく、さらに即戦力になるかどうかで判断されるケースもあるため、一気に採用されにくくなります。
理想としては中途採用枠でいきなり正社員を目指すのではなく、就きたい職種でアルバイトをするなどして、業務経験を積んだ上で正社員を目指すのが、成功確率が高くなるためおすすめです。
例えば営業職に就きたいのであれば、法人営業や金融系・保険系のテレアポのアルバイトなどに挑戦してみるのがいいでしょう。
実務に近い業務経験を積むことで選考でも有利になります。
すぐに退職してしまうと思われやすいため
専門学校を中退してしまうと、学校を辞めている事実から、すぐに退職してしまうと思われることが多いです。
業務スキルや実務経験がない人を採用する場合、多額の採用コストがかかります。
加えて既存社員の人件費もかかるので、そういった状況ですぐに辞められてしまうと、企業にとっては大きなマイナスとなるのです。
そのため、選考を受ける側はすぐに退職してしまうと思われないよう、選考でしっかりとアピールする必要があります。
専門学校を中退した理由が、家庭の事情などやむを得ない事情やポジティブな理由がある場合は、応募書類や面接でしっかりとそのことを記載するようにしましょう。
専門的な知識や技術が身についていないため
本来専門学校は特定の職に就くための学校であり、その業務に必要な知識や技術の習得を目指す場所です。
しかし専門学校を中退すると、専門的な知識や技術が不十分な状態とみなされるので、学校卒業を前提とした専門職に就くことができなくなってしまいます。
就職後に即戦力となり得る知識や技術を専門学校で学んでいたとしても、中退してしまうと水の泡になってしまうんです。
専門学校からの就職支援がないため
専門学校によっては、卒業後の就職先を紹介してくれる学校も多くあります。しかし中退してしまうと、学校側から就職先の紹介を受けることができません。
そのためアルバイトなどで生活費を稼ぎながら、時間を見つけて自分で就職活動をしなければいけません。
一口に「就職活動」といっても、やらなければならないことがたくさんあります。
- 自己分析
- 企業研究
- 求人探し
- 応募書類の作成
- 面接対策
通常これらの“就活に必要なこと”は、専門学校がサポートしてくれます。しかし中退してしまうと、上記の内容を全て自分一人で行わなければなりません。
膨大な手間と時間がかかり、一人でやる分面接対策の精度も低くなってしまうので、内定の可能性は低くなってしまいます。
専門学校中退者の就職を成功させる4つのポイント
いくつかポイントがありますが、大きく分けると4つです。
- 転職エージェント(キャリアサポート)を利用した
- 自分の軸を明確にした
- 履歴書での伝え方に注意した
- 面接では素直に答えた
1.転職エージェント(キャリアサポート)を利用する
そう捉えられてしまうかもしれない……(笑)。でも正直な感想として、素直に利用してよかったと思ってるんです。
履歴書の書き方から、自己分析、自己PRの書き方、求人紹介、面接対策など、本当にたくさんお世話になりました。
自分一人では、自己分析もよくわからないし「自分の何をPRすればいいの?」と八方塞がりになっていたと思います。
利用が無料だったのも、お金に困っていた私からしたらとてもありがたかったです。
2.自分の軸を明確にする
「仕事で何を大事にしたいのか」を明確化させることです。
わかりやすく説明すると、次の2つです。
- 今後の目標と今の行動に一貫性を持たせる
- 今頑張っていることを伝える
今後の目標と今の行動に一貫性を持たせる
私は就活でITエンジニアになることを選んだのですが、これは「広く必要とされる技術を身につけて人の役に立つ」と言う軸の部分が看護と似ていたからです。
なので面接ではこの軸を説明して、看護からIT業界へ方向転換したことを理解してもらいました。
本当その通りで。面接では「なぜ専門学校を中退してITエンジニアを目指したのか?」を自分の言葉できちんと語れるかが課題でした。
就職活動の面接って、自分が頭の中で納得しているだけでは駄目なんですよね……。
まずは今までのストーリーを相手に伝えてから、その会社で働きたいことをアピールすべきだと、キャリアドバイザーの方にもアドバイスしてもらいました。
さらに、その中で目指す目標に対して一貫して行動してきたことをアピールして、本気度をしっかりと伝えることも心がけました。
今頑張っていることを伝える
今頑張っていることをしっかりと伝えることも意識しました。
今頑張っていることが今後の目標に繋がっていたり、応募先企業の社風や企業理念にフィットしていると、採用担当にとって好印象になります。
私はITエンジニアとして実務をこなしている方々に比べたら、知識もスキルも全然足りなかったので、必要な知識を得るために勉強を頑張っていることを伝えました。
そうすることで、採用側に「今すぐに即戦力になるわけではないけど勉強熱心でやる気もあるし、ゆくゆく活躍してくれそうだ」と思ってもらいやすくなります。
まさにその通りです。自分の今後の目標を語る上で、今何を頑張っているのかをしっかりと伝えて一貫性をアピールすることが重要です。
特に、その頑張っていることが応募先の企業にとってもメリットがある内容であれば、より効果的なアピールになります。
次の記事では、専門学校を中退しても内定が取れる3つのポイントを解説しています。
3.履歴書での伝え方に注意する
「中退」したことは必ず記載しましょう。私も「中退」は選考で不利になるというイメージもあり、書かないでおこうと考えました。
ですが、中退した事実を書かないことは学歴詐称になり、最悪の場合、採用後に解雇や懲戒処分となる可能性があるとキャリアアドバイザーの方にもアドバイスしてもらいました。
中退した事実は変えることができませんが、単に中退した事実だけを伝えてしまうと、採用担当者からネガティブなイメージを持たれてしまいます。
そのため、履歴書の「志望動機・自己PR」欄には、中退した事実をポジティブなイメージになるような書き方を心がけました。
例えば、専門学校を辞めた理由が「もともと専門学校に対して持っていたイメージと違ったから」の場合、次のような流れでまとめます。
- 専門学校はイメージと違ったから辞めた
- 周りの友達が次々に就職しているのを目の当たりにして自分が遅れていることに気付いた
- 中退したことに対して何が悪かったのかを振り返った
- 高校で進路を選ぶ際に、本当に専門学校へ進むべきなのかどうかや、専門学校の詳細を調べもせずイメージだけで専門学校に入ってしまったことが原因だったと考えた
- 結果的に中退してしまった
- 同じような失敗をしないように、今後は後先考えず意思決定するのではなく、情報収集の手間を惜しまずしっかりと調査・検討し、意思決定しようと考えるようになった
上記に加えて「後先考えず意思決定するのではなく、しっかりと情報収集した上で意思決定した」具体的なエピソードを伝えることで、より説得力が増し、ポジティブな印象を与えることができます。
4.面接では素直に答える
自分で言うのも恥ずかしいんですが、一番の成功要因はやっぱり「素直さ」かなと思います。実務経験もないので、それしか私の武器がなくて……。
UZUZのキャリアドバイザーにも、企業は素直な人材を求めているとアドバイスされました。
確かに、仕事を教えてもらうときに反論ばかりしたり、チームに馴染もうとしなかったりする人を雇いたくはないですよね。
面接で特に重要なポイント!
キャリアアドバイザーには「面接では長く働く意思を伝えることが重要」と教わりました。
そうそう、それです!とはいえ私は専門学校を中退したこともあって、長く働きたい気持ちをうまく伝えられるか不安でした。
でも、中退や自分の軸、就職を決めた背景などストーリー性をもって語ることで、なんとか内定をもらえたんです。
いえ、最初は自力で考えたんですが、なかなかうまくいかなかったんです(笑)。なので面接の練習やキャリアカウンセリングを重ね、キャリアアドバイザーにもたっくさんアドバイスをいただきました。
何度も自分の物語を腹落ちさせて、言語化できたからうまくまとめられたんだと思います。
専門学校を中退した人の「よくある就活失敗例」
ここで、就職活動を失敗しないためにも、よくある失敗事例をご紹介していきます。
- フリーター期間が長くなってしまった
- 履歴書や面接で伝える「中退理由」でマイナス評価に
それぞれについて詳しく説明していきます。
1.フリーター期間が長くなってしまった
フリーターの期間はなるべく短い方が良いです。フリーターの期間が長ければ長いほど、就職は不利になってしまいます。
なぜなら、企業から「その長いフリーター期間で、一体何をしていたの?遊んでいたのでは……?」と思われてしまうから。
その期間中に「目的を持って何かの活動していた」と回答できるのなら良いと思います。とはいえ、きちんと回答できる人の方が少ないのが現実ですよね。
就職活動は大変ですが、なるべく早く始めて就職先を決めるようにしましょう。
2.履歴書や面接で伝える「中退理由」でマイナス評価に
中退理由は伝え方がとっても大切です!伝え方次第で、同じ中退理由でも聞こえ方が変わってしまいます。
よくある中退理由に、以下のようなものがあります。
- 「思っていた学業と違った」
- 「自分に合わなかった」
- 「違うことに興味が出た」
- 「人間関係に馴染めず、学校に通わなくなった」
これらを面接でそのまま伝えたらどうでしょうか?
企業からは「飽きっぽい性格なのかな?」「自分で工夫・改善しない性格なのかな?」と思われてしまう可能性が高いです。
……ぶっちゃけ、あまり採用したくありませんよね。
面接理由をうまく伝えるには次の3点を気をつけてみましょう!
中退理由をうまく伝えるためのコツ
- 中退理由“だけ”を“そのまま”伝えない
- だけど嘘もついてはいけない
- プラスαの要素を追加する
先ほど、中退理由をそのまま伝えることはよくないとお伝えしました。ただし、嘘をついても面接官はお見通し。理由は素直に伝えましょう。
「どうしたらいいの…?」と思うかもしれませんが、重要なのは中退理由にプラスαの要素を加えるということ。
「正直な中退理由」に、「反省していること」「今後はどうしたいのか」「今の自分の軸」などを盛り込めば良いんです!
プラス要素が思いつかない場合は、自己分析が足りていない証拠かもしれません。このような場合には、Mさんの成功例のように、まずは「自分の軸」を明確にしましょう。
- 「なぜその専門学校を選んだの?」
- 「なぜ中退することにしたのか?」
- 「なぜその企業に入社して働きたいの?」
自問自答を繰り返せば「自分の軸」だけでなく、プラスαで伝えるべきことも必ずわかるようになりますよ!
まとめ|専門学校を中退しても頑張れば就職成功できる!
高卒という最終学歴で就職活動を成功させるのは、簡単ではないでしょう。しかし、Mさんのように頑張れば希望する企業への就職はできます!
なります!ただし自己流でやみくもに努力を重ねるだけでは、結果が出せないまま時間だけが過ぎてしまうかもしれません。
今の自分に必要な努力を効率よく行うには、「就活のプロ」の力を借りる方法がおすすめ!
実際に調べてみると色々な会社があって迷ってしまうかもしれませんが、“プロの力”を借りる。これが就職成功のカギになります。
もちろんUZUZも20代の就活が得意なので、是非利用していただきたいです!
なぜならUZUZのキャリアドバイザーも、元既卒や元第二新卒など、いわば「20代の時に就活で苦労した人」だから。
当然めちゃくちゃ親身にサポートしますし、「ちょっと訳アリ」な経歴がある人にも「どうすれば内定を獲得できるか」「どんな会社が合っているか」といったアドバイスができるんです。
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