人事採用担当者への取材(株式会社コンシェルジュ様)|1年で30名採用、秘訣は情報発信の豊富さ
はじめに
経営の中枢となる人材獲得の課題について、大手企業から中小・ベンチャー企業との関わりがあるUZUZが、現役の人事・採用担当者にインタビューをする新企画。今回は、採用未経験ながら「拡大フェーズの組織を創りたい」という目標を持ち、転職した株式会社コンシェルジュの吉岡さんに、スタートアップベンチャーの採用の秘訣や取り組んだことなどをお伺いしました。
吉岡 翼|株式会社コンシェルジュ 社長室 採用担当 |
採用職未経験から1年で30名、その秘策とは
―まず吉岡さんご自身についてと、どのような経緯でコンシェルジュの「採用担当」になられたのかお聞かせください。
吉岡さん:
大学までを地元の広島で過ごしました。東京への憧れもあって、卒業後は東京にあるプログラミング教育事業を行うベンチャー企業へ入社しましたが、もう少し規模の小さいスタートアップベンチャーでチャレンジしたいと考えるようになり、退職しました。
「起業して間もないくらいから組織を創りたい!」と考えるようになり、次の仕事は採用系の職種で探しました。コンシェルジュは、代表の太田の人間性に惹かれたのと、会社を知ってから入社するまでに一週間もかからないスピード感に魅力を感じ、新卒・既卒という形でコンシェルジュの採用担当として入社しました。
―入社されてまず、どんなことに取り組まれましたか?
吉岡さん:
私が入社する前までは、採用担当者がおらず、社内のさまざま部署、人が担当している状況でした。具体的なところでお話すると、代表が直接スカウトメールを打ったり、求職者との日程調整を行うような…。また、採用業務代行サービス(RPO)を活用していて、そのコミュニケーションも代表の太田が取りまとめていました。
採用計画や採用したい温度感、外部とのやり取りを行う専任の担当者がいない状況でしたので、まず採用計画を立て、エージェントの選定を改める業務、それから選定したエージェントとのコミュニケーションを取り直すことから始めました。
現在の主な母集団形成は、エージェントからのご紹介とダイレクトスカウトメールの2つですね。
―単刀直入にお伺いしますが、採用活動は順調ですか?
吉岡さん:
そうですね(笑)採用活動全体でお話すると割と順調です。
入社して間もなく1年になりますが、当初30名くらいの規模だった社員数も、現状は2倍になっています。弊社は、中途採用に注力していて、新卒採用は興味をもっていただけて、良い人材がいれば選考に進むといったような状況です。
採用活動全体では順調ですが、一般的に言われる「エンジニア職の集客」は弊社も苦戦をしております。そのため、集客に向けて試行錯誤しております。
最近は、「開発側の人をどんどん巻き込んでいくこと」を意識して取り組んでいます。プロダクトマネージャー(PdM)や開発の最高責任者(CTO)にスカウト送信や、カジュアル面談にも参加してもらい、求職者に興味をもってもらうフックを増やしています。
―ありがとうございます。早い段階からCTOを面接に参加させることで、求職者の感度はあがっていると実感されますか?
吉岡さん:
はい。CTOが直接スカウトを打って、自分で日程調整などもおこなってもらっているので反応としては良いなと感じています。最近ではSNS系の採用ツールも増えていると思っていて、例えばエージェント系のツールを使って「コンシェルジュCTOの●●です」といってメッセージを送っても、求職者は「本当にCTO?」ってなると思うんですが、Linkedinなどのビジネス特化型のSNSツールだと直接CTOのアカウントからスカウトを送れるので、求職者も見分けがつきます。CTOのバックグラウンドを含めたプロフィールも閲覧できるため、とても有効活用しています。
社内の情報発信は”役職関わらず”おこなう必要がある
―その他に、採用活動において「工夫していること」はありますか?
吉岡さん:
ちょうど新しく始めようとしていることは”情報発信の強化”です。具体的には、noteやTwitterを使用してどんどんコンシェルジュの情報を発信していこう!という施策です。
1年で社員数は約2倍にはなりましたが、まだまだ60名程度のスタートアップですので、発信していかないと想いは届かないのが現状です。代表だけではなく、事業や部署の責任者にもnoteを書いてほしい!と積極的に依頼をしています。今後もさまざまなコンテンツを増やして行きたいと考えています。
コンシェルジュCEO太田様note記事
コンシェルジュの魅力は”人である”と思っています。若いメンバーが多く、年功序列などもなく部署を超えたコミュニケーションやお互いリスペクトし合いながら働けるとてもフラットな会社です。とは言え、社風は入社後や、面接へ進んでもらえないと体感してもらえず…。どうやったら知ってもらえるかを考えたときに、自ずと社内の情報をどんどん発信して「興味を持ってもらおう!」という流れになりました。
―実際、「noteをみて応募しました」という方もいらっしゃいますか?
吉岡さん:
実際あった話で言うと、スカウトを送るときに「Entrance Book」といってnoteなどのおすすめのページをたくさん貼ってお送りするんですが、これを見て「お話を聞こうと思いました」、「noteに社内の方がたくさん出ていて興味が沸きました」など言ってくれる求職者の方はたくさんいます。
―採用活動において「失敗したこと」や「課題」などについてもお話いただけますか。
吉岡さん:
採用手法も年々多様化するなか、採用活動における課題は正直尽きることはないと思います。採用手法の課題でいうと、弊社はリファラル採用はあまり活用できていません。
会社の規模や体質などにもよると思いますが、若いメンバーが多く、そもそもリファラル採用を知らないメンバーもいます。それについては、私の社内での情報発信が足りていない。という反省すべき点でもあります。
また、労働人口が減少している現代において、人材の獲得もなかなか難しい状況ですので自社だけの施策のみならず、エージェントとの関係構築についても大切だと思っています。入社当初は、「どんな情報が必要なのか」、「どんなタイミングが適切か」などわからないことが多く、手がかかるクライアントだったかもしれません。密にコミュニケーションを重ねていく中で信頼も高まり、今では双方スムーズにやり取りができています。
最後に、採用においては、コロナ禍でオンラインで面接するケースが多く、時代的にもそのスタイルが好まれる傾向だと理解していますが、オンライン上では社内の空気や雰囲気などは伝わりづらく内定辞退になったケースも少なくありません。
―「内定辞退防止」するために行っていることはありますか。
吉岡さん:
思いつく施策は全部やろうと思っていて、連絡をこまめに取るという初歩的なことや、オフィスに来ていただいて、「代表(CEO)や最高執行責任者(COO)と会食をしませんか?」と提案してみたり。
直近ですと、営業責任者候補を探していたので、弊社のVCを招いて第三者的な目線でコンシェルジュの魅力を話してもらうなど。オフラインだからできる直接会って、会社の空気や雰囲気を感じてもらったり、候補者側も企業側も印象を一緒に見極めるというか、確認するような環境を創っていけたらと思っています。
目標は社内外への発信、ひとりでも多くの人に「コンシェルジュ」を知ってもらうこと
―最後に今後に向けた展望や目標などをお伺いしてもよろしいでしょうか。
吉岡さん:
まず私個人の目標は、前職で実感した組織創りの大変さがある一方で、組織を創ることに興味があり、ゼロベースで組織作りをしたいという思いから拡大フェーズであるコンシェルジュへ入社しました。採用担当者として1年経とうとしていますが、社内に活気があり、社員みんな生き生きと働いているので土台となる部分は達成出来たのかなっと思っています。
また、サービスにおいては「KUZEN-LINK(クウゼン・リンク)」というLINEを使った集客マーケティングツールの販売に注力しております。業界を問わず、顧客一人ひとりにマッチした顧客体験を提供できる1to1マーケティングツールになっています。
最後に、会社全体として昨年の12月に「ビジョン・ミッション・バリュー」を刷新しました。コンシェルジュも拡大フェーズなので、代表や経営陣の想いを社内メンバーや社外の人にも浸透させていくこと、既存のものにとらわれることなく、変化に合わせたチャレンジしていくことが目標です。
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