もくじ
20代の転職では、転職自体が初めてという人も少なくありません。
中には「こんな理由で転職していいのかな」と悩む人も……。
そこで今回は、20代に多い転職理由をご紹介するとともに、企業が転職理由を聞く理由や、転職理由が与える印象、転職理由を効果的に伝える方法などをご紹介します。
- 転職しようかどうか迷っている人
- 転職理由が就活にどんな影響を与えるのか気になる人
- 転職を成功させたい人
このような方はぜひご一読ください!
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1.よく聞く20代の転職理由
転職したい理由がネガティブなものだと「こんなことを考える自分が良くないのかな……」と自責の念にかられてしまうことも。
しかし、転職を考える人の多くは、これからご紹介するとおり、何らかの不満を持っていることが多いものです。
まずは自分の気持ちにフタをせず、自分の気持ちと正面から向き合ってみましょう。
人間関係が悪い
20代の転職理由として最も多いといえるのが人間関係です。
近年は在宅勤務やリモート会議の増加など、以前より社内・外でのコミュニケーションが減っているとはいえ、人間関係の悩みは尽きないものです。
人間関係は入社してみないとわからないことが多く、また、同じ会社や同じ部署であっても、その時の人員構成によって雰囲気も大きく異なります。
そのため、どれだけ事前に企業研究をしても防ぎようがなく、自分だけの力では対処しきれないことも少なくありません。
退職理由が人間関係の場合は、次の職場でも同じことが起こるかもしれないことをあらかじめ理解しておく必要はあるでしょう。
待遇、労働条件に不満がある
「残業が多い」「休みがとれない」「頑張っても一向に給与に反映されない」など待遇や労働条件を不満に感じる人もいます。
人間関係とは異なり、待遇や労働条件はプライベートにも大きな影響を与えるため「仕事の時だけ」と割り切りにくく、転職へとつながってしまうのです。
一方、待遇や労働条件は入社前にしっかり確認しておくことで、ある程度把握できる面もあります。
また、自分から残業時間を減らすように心掛けたり、会社に働きかけることで改善される可能性があるものです。
待遇や労働条件に不満があるものの、そのほかの部分には不満がない場合は、まずは自分から何らかのアクションを起こしてみるというのも一つの手でしょう。
会社の将来性に期待できない
かつては多くの日本企業で導入されていた終身雇用のシステムも近年では減少傾向にあり、その一方で転職はスタンダードになりつつあります。
そのため、会社に対して次のような不安や違和感を感じた際に転職を考える人も多いのです。
- 赤字が続いている
- 離職率が高い
- 短期間で社内体制が激しく変わる
- 古いやり方に固執している
会社の将来性に期待ができないまま働き続けることは、モチベーション低下につながり、自分の能力を十分に活かせないまま時間だけが過ぎてしまう可能性があります。
「10年先、20年先のなりたい自分が、今の会社で働き続けることで実現できるのか」を考えてみることが一つの判断材料となるでしょう。
2.面接で企業が20代に転職理由を聞く意図
ところで、面接のときに転職理由を聞いてくるのってなんで?聞く必要ある?
転職活動をするうえで必ずといってよいほど聞かれる質問が「なぜ前職を辞めたのか?」といった転職理由です。
質問される側としてはあまり答えたくない質問ですが、採用担当者の多くは次のような理由から転職理由を知りたいと考えているのです。
長期的に働ける人材かを知りたい
社員を募集したり、採用した社員を教育するためには多かれ少なかれコストが発生します。
そのため、会社としては採用するからにはできるだけ長く自社で働いて欲しいと考えるものです。
そこで、採用担当者は転職理由から「退職するリスクがあるか」を見極めようとします。
たとえば「上司と合わなかった」「会社の方針に不満があった」といった理由の場合「自社でも同じ理由で退職するのではないか?」と懸念される可能性があります。
転職したい理由がどの会社にでも当てはまるものならば、理由を誤魔化すのではなく、まずはその原因に対して何らかのアクションを起こすことが大切です。
アクションを起こしても解決や改善がされなかったのであれば、そのことを転職理由の中で伝えることで、相手にも「問題を解決しようとしたのだな」ということが伝わるでしょう。
仕事をする上での価値観や熱意、ストレス要因は何かを知りたい
どれだけ優秀な人材でも、会社や一緒に働く人との価値観や熱意に差があると仕事はうまくいかないものです。
そこで、採用担当者は転職理由を通じてその人の考え方のヒントを得ようとします。
理由が「◯◯ができなかった」であれば、自社であれば◯◯はできるのか、「△△にストレスを感じた」であれば、自社には△△はないのかを確認するのです。
面接では「採用されたい」という気持ちから、自分の考えや希望を強くアピールすることを避けがちですが、転職理由によって自分の考えや希望を伝えることもできます。
「これだけは譲れない」という転職の軸がしっかりしている人ほど、転職理由を通じて自分の考えや希望をアピールすることができるでしょう。
前職での不満は自社で解決できるのかを知りたい
前職あるいは現職に何の不満もない人が転職することはまずありません。
そのことは採用担当者も十分に理解しており、「何かあったのだろうな」ということを前提に転職理由を尋ねています。
採用担当者が気になるのは、退職理由である何らかの不満を、自社では解決できるのかということです。
たとえば「繁忙期の残業が体力的に厳しかった」という転職理由の場合、ある会社では残業は避けられないものだとしても、ある会社ではそもそも残業するほどの繁忙期がないこともあります。
後者の場合、双方にとって無理なく問題が解決されるため、マッチ度は高いといえるでしょう。
面接前、企業分析を行う際には、その会社が前職(現職)での不満を解決できる会社であるのか、あらかじめ調べておくことも大切です。
業務内容や会社の方向性に納得できるかを知りたい
転職理由が筋の通ったものであっても、その企業の求めている人物像に合うと判断されなければ採用に至らないケースもあります。
たとえば人間関係においても、上司から言われた一言に対して「怒られた」と
捉える人もいれば、「アドバイスをくれた」と捉える人もいます。
このように、採用担当者のなかには、転職理由の表面的な内容ではなく、その人が物事に対してどのような受け止め方をするのかという、より深い部分を見ている人もいるのです。
そして、さらにその受け止め方によって自社の業務内容や方向性にマッチするのかを判断しています。
転職理由を聞かれたときに嘘をつく必要はありませんが、その企業の業務内容や方向性に近づけることを意識しましょう。
3.プラスな印象になりがちな20代の転職理由
転職を考えるとき、決定的な理由が一つだけあるというよりも、複合的な理由から「転職したい」と考える人も多いはずです。
そんなときは、いくつかの理由の中でも相手にプラスの印象を与えやすい転職理由を伝えるようにしましょう。
やりたい仕事がある
転職後、前職(現職)とは違う業種や職種の仕事を希望する場合は、新たな仕事に興味を持ったことを転職理由として挙げるとよいでしょう。
ただし、単純に「◯◯の仕事に興味を持ったため」というだけでは、飽きっぽい性格と思われたり、一時的な感情だけで動いてしまう人と判断される可能性もあります。
きちんと将来のことも考えたうえで、今このタイミングでの転職が必要であることを伝えるには、話の内容に具体性を持たせることが必要です。
たとえば、数年単位でのキャリアプランを伝えたり、やりたい仕事に関連する資格の勉強をしていることを伝えるのも一つの手です。
この時「その会社で長く働きたいと考えていること」をセットで伝えるようにしましょう。
キャリアアップしたい
同じ職種での転職を希望する場合は、キャリアアップを転職理由として挙げることができます。
ただし、こちらも単純に「転職してキャリアアップがしたい」と伝えるだけでは、「なんでも会社任せにする人なのでは?」と思われる可能性があります。
そのため、前職(現職)で働き続けてもキャリアアップできないと判断した理由を伝えたうえで、転職先でキャリアアップできると感じた理由も伝えるようにしましょう。
また「キャリアアップできればまた辞めてしまうのでは?」と不安視されないためにも、どのような形で将来会社に貢献したいと考えているのかを伝えられるとよいでしょう。
御社の企業理念に共感した
応募先の企業の理念や事業内容に特色がある場合は、企業理念や事業内容に共感したことを転職理由にすることもできます。
応募先企業としては、自社の理念や取り組みに共感してくれる人に対しては好感を持つものです。
ただし、企業理念や事業内容に共感したというだけでは、上辺だけの発言にとられ「本当の転職理由が他にあるのでは?」と思われかねません。
そのため、企業研究をしっかりと行うことはもちろん、転職理由と志望動機をリンクさせるような伝え方を意識することも大切です。
たとえば「前職では◯◯したいと思って入社したが、結果としてできなかった。そんなとき御社が◯◯に取り組まれていることを知り……」といったように、ストーリ―性を持たせる方法もあります。
4.マイナスな印象になりがちな20代の転職理由
転職理由は意識をしなければ、ついネガティブな内容になってしまいがちです。
とくに次のような内容は、採用担当者に高い確率でマイナスな印象を与えてしまうため、可能な限り避けましょう。
人間関係に不満がある
20代の転職理由にありがちな人間関係の不満ですが、転職理由としてストレートに伝えることは避けましょう。
というのも、人間関係はどこの職場でも存在するうえに、人間関係が誰にとっても100%良好といえる職場はゼロに等しいからです。
とくに「上司が尊敬できない」「きちんと教えてもらえなかった」など、人のせいにするような発言があると「うちでも同じことを言って辞めるのでは?」と思われてしまいます。
人間関係は人によって受け止め方が大きく異なる可能性がある事柄であるため、たとえ「絶対に自分は悪くない」という場合であっても、積極的に話すことはおすすめできません。
仮にパワハラを受けた場合であっても、直接「パワハラ」というキーワードは出さず、客観的な事実のみを簡潔に伝え、感情的にならないようにしましょう。
仕事内容や待遇に不満がある
仕事内容や待遇に不満があったことを転職理由にする場合も、注意が必要です。
たとえば「仕事にやりがいが感じられなかった」といった理由の場合「きちんと調べずに就職したのでは?」「単純にわがままなのでは?」など、一方的に不満を募らせているようにもとられかねません。
また、待遇についても「給料が安かった」「勤務時間が長かった」だけでは、個人的な感覚の問題のようにも思え、話を聞く側としては納得感が得られません。
このような、その人の受け止め方次第で変わる可能性がある内容については、数字など具体的な例を用いて説明することが大切です。
「◯◯を改善しようと△△したが、解決できなかった」「毎日◯時から△時まで残業があり、休日も月□日しかなかった」など、説得力のある内容にできない場合は避けるべきでしょう。
5.20代の転職理由を効果的に伝える方法
なんだか話すのが怖くなってきた……。
転職理由は面接の際にほぼ100%聞かれる質問ですが、現状に何らかの不満があって転職を考えていることは面接官も十分に理解しています。
大切なことは、転職理由そのものよりも「伝え方」です。
転職理由を伝える際は、以下の3つのポイントを意識してみましょう。
ポジティブで前向きな内容を話す
採用担当者は応募者がどれだけ苦労してきたのかを知りたいわけではありません。
ましてや前職(現職)の不満や愚痴を聞かされたところで、どうしようもありません。
採用担当者が知りたいのは、応募者の課題や問題に対する姿勢や考え方です。
たとえ転職理由がネガティブなものであっても、問題解決しようと取り組んだ姿勢や、転職をポジティブに捉えている姿勢が見えれば、採用担当者にはプラスの印象を与えることができます。
「単純な仕事内容だった」は「やりやすい仕事でしたが」に変えるなど、とにかくネガティブな印象のある言葉をポジティブに変換することを意識してみましょう。
「物事を前向きに捉えることができる人」と印象づけることが大切です。
丁寧に企業研究をする
20代の転職では、未経験の業種・職種への転職を希望する人が少なくありません。
しかし、そこで注意したいのは、転職理由だけではなく「どうしてその仕事なのか」「どうしてその会社なのか」までを話す必要があるということです。
転職理由が「やりたい仕事が見つかった」だけでは、説得力に欠けてしまい、「また同じことを繰り返すのでは?」「ほかの会社でも良いのでは?」と思われかねません。
未経験の業種や職種への転職を希望する場合は、その仕事や会社についてきちんと理解したうえで転職を希望していることを伝えることが必要です。
毎回同じ転職理由を使い回しするのではなく、その都度丁寧に企業研究を行い、転職理由に志望動機を結び付けられるようにしましょう。
話に一貫性をもたせる
たとえば「残業が多くプライベートな時間が持てなかった」という転職理由であるにも関わらず、残業の多い企業に転職を希望するのは不自然です。
また「安定した収入を得たい」と考えて居るのに、歩合給の仕事へ転職を希望することも筋が通っていません。
転職理由と志望理由に一貫性がないと、話を聞く側は混乱してしまい、さらにその混乱は「嘘をついているのでは?」という不信感へとつながります。
転職理由は可能な限りポジティブなものにすべきですが、嘘をついてまでポジティブなものにする必要はありません。
転職理由を聞いた人が、「なるほど、そういう理由だったのか」と納得できる内容であることの方が大切です。
話には一貫性を持たせるようにしましょう。
6.この記事のまとめ
20代の転職理由には人間関係や待遇面での不満が多く挙げられますが「転職したい」と考えるポイントは人それぞれ。
周りとは違う部分に違和感を感じたからといって「こんなことを考える自分が間違っているのかな?」など、後ろめたさを感じる必要はありません。
20代の転職は、ポイントをおさえて就活をすれば難しくはなく、むしろチャンスは多いもの。
現状できることをやってみて「やっぱり働き続けられない」と感じたら、前向きな気持ちで転職について考えてみましょう。
また「転職理由がうまくまとまらない」「本当に転職すべきか迷っている」という場合は、就活のプロのサポートが受けられる転職エージェントの活用もおすすめです。
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