もくじ
たしかに、組み込みエンジニアは辛い面もあります。
ですがその反面、やりがいも大きい仕事です。
本記事では、未経験から組み込みエンジニアを目指す人に向けて、以下の内容を解説しています。
- 組み込みエンジニアの仕事内容
- 組み込みエンジニアの辛いところ、やりがいやメリット
- 組み込みエンジニアに向いている人・向いていない人
- 未経験から組み込みエンジニアに転職する方法
「組み込みエンジニアに興味はあるが、辛い仕事なのか?」と不安な人は、ぜひ本記事を読み進めてみてください。
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【そもそも】組み込みエンジニアの仕事内容
- パソコン
- スマホ
- 家電
- 銀行のATM
- 駅の改札
さらに具体的な仕事内容は以下の6つです。
- 製品企画
- システム設計
- ハードウェア/ソフトウェア設計
- 実装(プログラミング)
- テスト
- アフターサポート
どの工程を担当するかによって仕事内容も異なるので、それぞれの詳細を説明します。
1.製品企画
製品企画は、製品の設計を行います。
デザイナーやマーケターとともに設計を行い「誰のどんな悩みを解決させるのか」を明確にします。
製品企画に携わる組み込みエンジニアは「顧客の願望を理解し、その解決手段を考えること」が必要です。
また、作業工程の全体像を把握する力も求められます。
的確な製品企画をしたかどうかで、その後の工程に関わる人たちの働きやすさに関係する大切な役割です。
2.システム設計
システム設計は、クライアントの要望から「どうやってシステムを組むか」を考える仕事で、「基本設計」と「詳細設計」に分かれています。
基本設計は、以下のことを話し合い、システムの大枠を決めます。
- どんな機能が必要か
- 操作性をどうするか
- どんな電子基板を使うか
詳細設計は、プログラミングを行う人に出す仕様書(具体的な指示書)を作成します。
ここまでの業務は「システムエンジニア」が担当することが多いです。
3.ハードウェア/ソフトウェア設計
ハードウェアとは、機器に組み込まれるマイコンという小さいコンピューターを指し、以下などで構成されています。
- 回路基板
- CPU
- センサー
- スイッチ
ハードウェア設計では、こうした機械の電子回路や部品設計をします。
ソフトウェアとは、ハードウェアとなるコンピューターに指示を出すプログラムを指します。
ソフトウェア設計では、機器の動作を設計していきます。
例えば、電子レンジなら下記のようなイメージです。
- ボタンを押したときの動作
- ディスプレイに表示する文字
- 利用者が操作ミスした場合の動作
- 温めたものを取り出し忘れたときに鳴る音の設計
多くのITエンジニアはソフトウェアの開発がメインですが、ハードウェアとソフトウェアの両方が必要なのが組み込みエンジニアの特徴です。
4.実装(プログラミング)
実装は、1〜3の手順で作られた仕様書を元に、実際にものが動くようプログラミングをすることです。
組み込みエンジニアが使用することの多い言語は、以下のものです。
- C
- C++
- Python
- MicroPython
- Java
- JavaScript
- Rust
5.テスト
テストは「実装されたプログラミング通りに、正しく製品が機能するか」を確認する仕事で、この工程を担当する人は、以下の2種類に分かれます。
- テストエンジニア
- テスター
どちらも「テスト工程を担当する」という点では同じですが、役割が異なります。
テストエンジニアは「テストの計画・設計から実施までを総合的に担当する人」で、経験豊富な人に多いです。
一方で、テスターは「テストの実施部分のみを担当する人」で、新人に多いです。
6.アフターサポート
アフターサポートは、IT製品の納品後、クライアントを技術的にフォローする人で、操作方法についての質問や故障が起きた場合に対応します。
原因を特定し、解決やアドバイスをすることが求められるので、専門的な知識に加えて、コミュニケーション力も求められる役割です。
アフターサポートをする人は「サポートエンジニア」とも呼ばれます。
組み込みエンジニアの辛いところ5選【やめとけと言われる理由】
でも、組み込みエンジニアが辛いと言われるのは、なんで?
- 残業がきついときがある
- 急な仕様変更がある
- 納品後のトラブルが辛い
- 在宅勤務が難しい
- 勉強することが多い
それぞれ詳しく解説していきます。
残業がきついときがある
組み込みエンジニアは残業がきついときがあり、その理由は以下の2点です。
- 人手不足だから
- 納期があるから
IT業界はどこの職場も人手不足であり、2021年7月に行ったdodaの「転職求人倍率レポート」では、IT・通信の有効求人倍率は6.41倍でした。
全体の2.15倍と比べると、圧倒的な人手不足といえます。
人が足りていないので、1人あたりの業務量が増えて、残業することもあります。
また、組み込みエンジニアの仕事は納期があります。
納期は守らないといけないので、納期近くでまだ完成していないと、残業して作業を進めないといけません。
「作業中にバグが発生する」など仕事がスムーズに進まないと、納期が迫ってきて残業が増える傾向です。
組み込みエンジニアの残業時間をまとめた記事があるので、詳しく知りたい人は以下の記事もチェックしてみてください。
ただし、毎日残業があるわけじゃないので、安心してください。
残業することもあるのは、どの仕事も一緒です。
急な仕様変更がある
組み込みエンジニアは、クライアントから急な仕様変更を頼まれる場合もあります。
そうなると当然、作ってきたシステムの内容を変更しなければいけません。
「仕様は変更だけど納期は変わらない」というケースもあるので、スケジュールがタイトになることも。
クライアントありきの仕事なので仕方ない部分はありますが、少し辛いところです。
ただし、こうした仕様変更などの経験を積むことで、力がついていくイメージです。
納品後のトラブルが辛い
納品後のトラブルも、ちょっと辛いところです。
納品時には気が付かなかったバグやエラーが、後から見つかることもあります。
その場合、クライアントの対応に追われることはもちろん、最悪の場合は責任問題に発展します。
エラーやバグの処理には多くの時間を割かなければいけません。
そうならないためにも、納品前のチェックが重要です。
在宅勤務が難しい
組み込みエンジニアは物理的なハードウェアも扱うため、「在宅勤務が難しい」といわれています。
ハードウェアを家にもちかえって作業するのは、環境面でもセキュリティ面でも難しいところです。
ソフトウェアの設計やプログラミングなどリモートワーク可能な業務もありますが、完全な在宅勤務は難しいのが現実です。
リモートワークを導入している会社でも「週の半分をリモート、もう半分を出社」という働き方が多いです。
できるだけ在宅勤務をしたい人には、デメリットと感じるでしょう。
勉強することが多い
ITエンジニアは日々勉強が必要な職業ですが、組み込みエンジニアはその中でも勉強することが多いです。
ソフトウェアに関するプログラミングスキルはもちろん、ハードウェアの知識も必要だからです。
ただし、コンピューターや機械が好きな人にとっては、勉強はそこまで苦にならないでしょう。
組み込みエンジニアのやりがいやメリット6選
組み込みエンジニアのやりがいやメリットは、大きくわけて以下の6つです。
- 需要が根強い
- 将来性がある
- 手に職がつく
- スキルが身につけば稼げる
- キャリアアップできて長く働ける
- 自分が作った製品がみんなに使われていると嬉しい
それぞれ、詳しく解説していきます。
需要が根強い
組み込みエンジニアは、需要が根強い点が大きなメリットです。
冒頭でもお伝えしましたが、
- パソコン
- スマホ
- 家電
- 銀行ATM
- 駅の改札機
など、さまざまな機械に組み込みエンジニアの技術は必要とされています。
いくら変化の激しい時代とはいえ、こうした技術がなくなることは考えにくいです。
組み込みエンジニアの需要を詳しく解説した記事もあるので、参考にしてください。
将来性がある
近年はIoTやAIが進化しており、それに伴って組み込みエンジニアの需要が高まっています。
※IoTとは「モノがインターネットとつながること」です。
例えば、IoTやAI技術を搭載した冷蔵庫だと、下記のようなことができますよ。
- スマホで冷蔵庫の中身を確認できる
- AIが冷蔵庫内を最適な温度に保ってくれる
- AIが冷蔵庫の中身から夕食のメニューを提案してくれる
他にも、近年注目されているのは以下のような技術です。
- 自動運転技術
- ドローンによる測量技術
- AIを搭載したロボットペット
組み込みエンジニアは、こうした最新技術に関わる仕事なので、将来性があると言えるでしょう。
手に職がつく
手に職がつくことも、組み込みエンジニアの大きなメリットといえます。
前述のとおり、根強い需要と将来性がある仕事なので、スキルを身につければ長く安定して稼ぐことができるでしょう。
終身雇用が崩壊したため、これからの時代は手に職をつけることが重要です。
組み込みエンジニアは十分に「手に職」といえる仕事なので、今から挑戦する価値は大きいです。
スキルが身につけば稼げる
組み込みエンジニアは、スキルアップするほど年収が上がっていきます。
dodaが行った「2020年の平均年収ランキング」では、以下のように「組み込みエンジニアの年収は高め」という結果でした。
– | 組み込みエンジニア | 全体 |
---|---|---|
20代 | 400万円前後 | 346万円 |
30代 | 500万円台 | 444万円 |
40代 | 600万円台 | 510万円 |
しかも、年齢を重ねればスキルも身につき、平均年収との差が大きくなる点も魅力です。
キャリアアップできて長く働ける
組み込みエンジニアは、スキルに応じてキャリアアップできることも魅力です。
プログラマー
システムエンジニア
スペシャリストorプロジェクトマネージャー
という流れで、キャリアアップしていきます。また、キャリアアップすれば年収が上がるのもメリットですね。
年齢が上がってくると、体力・学習能力が落ちたり、プログラミング速度が遅くなるという理由から、一部「エンジニア35歳定年説」をいう人もいます。
しかし実際のところ、組み込みエンジニアは40代や50代で活躍している人も多いです。
経験がものをいう面も強いため、年齢が上がっても長く働けます。
自分が作った製品がみんなに使われていると嬉しい
自分の作った製品が世の中で使われていると、社会の役に立てている気がして嬉しいものです。
- 自分の作った製品が家電量販店で売られている
- 家族友人が自分が作った製品を使ってくれている
このように、「作ったものが形となって残る」ことをモチベーションにしている組み込みエンジニアも多くいます。
組み込みエンジニアに向いている人の特徴5つ
あとは、向いている人や向いていない人の特徴も知りたいな。
- モノづくりに興味がある人
- 論理的思考ができる人
- コミュニケーション能力がある人
- 何度も確認しないと不安な人
- コツコツと仕事に取り組める人
あくまでも目安ですが、上記5つのうち「3つ以上に当てはまっている人」は組み込みエンジニアに向いているといえるでしょう。
1.モノづくりに興味がある人
組み込みエンジニアとして働くなら、モノづくりへの興味はとても重要です。
特に組み込みエンジニアはハードウェアも扱うので、他のエンジニアより「モノづくりっぽい仕事」といえるでしょう。
- 電子回路
- 配線
- プログラミング
など、モノづくりに関する幅広いスキルを扱うため、モノづくりへの興味は必須です。
「モノづくりに関わりたい!」という人にはおすすめの仕事ですね。
2.論理的思考ができる人
論理的思考はできた方が望ましいです。
以下のようなシーンで使うからです。
- クライアントの要望を叶えるために必要な要素をすべて洗い出す
- 納期に間に合わせるために逆算してスケジュールを組む
- バグが起きたときに問題箇所を発見するためにパターンを切り分ける
いきあたりばったりだと、クライアントの要望に応えられないし、納期にも間に合わないし、バグも解消できません。
ちなみに、論理的思考は後から身につけられるので、自信がない人は組み込みエンジニアに転職してから勉強していけばOKです。
3.コミュニケーション能力がある人
組み込みエンジニアは、以下の点でコミュニケーション能力が必要です。
- クライアントの要望を聞き出す必要があるから
- チームでプロジェクトを進めるから
- トラブル発生時は円滑な報連相が必要だから
エンジニアは寡黙に仕事をするシーンが多いですが、コミュニケーションをとるシーンもありますよ。
ちなみに、コミュニケーションスキルも後から身につけられます。
組み込みエンジニアで働きながら、コミュニケーションスキルも高めていけば大丈夫です。
4.何度も確認しないと不安な人
心配性な人も、組み込みエンジニアに向いています。
組み込みエンジニアは、いかにミスを防ぐかも大事だからです。
後からバグやエラーが発生すると、修正に多大な時間がかかります。
そうならないためにも、何度も確認するクセが重要です。
例えば、家を出て3分ほど歩いた後に、家の鍵をかけたか不安になったとします。
このとき、人は大きく以下の2パターンに分かれるでしょう。
- もう1度家に戻って鍵がかかっているかを確認する人
- そのまま目的地に向かう人
ここで、家に戻って鍵をかけたか確認する心配性な人ほど、組み込みエンジニアの適性があるといえるでしょう。
5.コツコツと仕事に取り組める人
コツコツと仕事に取り組める人も、組み込みエンジニアに向いています。
組み込みエンジニアは、コードを黙々と書いたり、テストを淡々とこなす仕事も多いからです。
学生時代に「夏休みの宿題を毎日コツコツと進めていた人」などは適性があるといえます。
【注意】組み込みエンジニアに向いてない人の特徴3つ
- 機械に興味がない人
- 継続的に勉強したくない人
- 派手好きな人
それぞれ詳しく解説していきます!
1.機械に興味がない人
組み込みエンジニアは機械を扱う仕事なので、そもそも機械に興味がないと辛いと感じます。
いくら将来性があってスキルが身につく仕事とはいえ、好きでもない仕事を毎日続けるほど、辛いものはありません。
仕事選びをする際、将来性や条件を考えることも大事ですが、その仕事が好きであることも同じくらい大切です。
2.継続的に勉強したくない人
IT業界は変化が激しく、新しい知識の勉強が必要です。
そのため、継続的に勉強したくない人は、組み込みエンジニアには向いていません。
もちろん、どんな仕事でもスキルアップする努力は必要ですが、IT業界は特に就職後の勉強が大切です。
3.派手好きな人
派手好きな人も、組み込みエンジニアにはあまり向いていません。
例えば「吸引力の変わらない」でおなじみ、ダイソンの掃除機を思い浮かべてください。
数多く売れた商品ですが、開発に携わったエンジニアが誰かは知らないですよね。
そのため「人から注目されたい!」といった、欲求の強い人は向いていないといえるでしょう。
反対に、「縁の下の力持ち」的な仕事をしたい人にはおすすめです。
未経験から組み込みエンジニアに転職する手順【まず勉強】
そこで、まずは勉強した方がいいのか、いきなり就職活動してもいいのかどっちなんだろう?
ただし、勉強してから転職した方がスムーズに組み込みエンジニアの業務に入っていけるので、まずは基礎学習から始めましょう。
以下2ステップで転職するのがおすすめです。
- 基礎知識を勉強する
- 転職活動をする
組み込みエンジニアの基礎知識の勉強方法【独学orスクール】
勉強方法は大きく「独学」と「スクールに通う」の2つに分かれます。
それぞれのメリット、デメリットを以下の表にまとめました。
ー | メリット | デメリット |
---|---|---|
・自分のペースで学べる ・学習にかかるコストが抑えられる | ・モチベーションの維持が難しい場合がある ・分からないことを調べるのが大変 ・転職活動を全て1人で行わなければならない | |
・学習スピードが速い ・疑問点を講師にすぐ聞くことができる ・スクールによっては就活サポートを受けることができる | ・受講費用がかかる ・スクールによっては通学する必要がある |
独学が少しでも不安な人は、スクールに通うことをおすすめします。
分からないことをすぐに聞ける環境はとても貴重ですし、独学よりも早くスキルを習得できる分、早く就職できる可能性が高いです。
早く就職できれば、スクールの受講料も早く回収できるでしょう。
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詳細は、以下を参考にしてください。
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未経験から組み込みエンジニアに転職するコツ【プロの力を借りる】
未経験から組み込みエンジニアになろうと思ったら、転職エージェントに相談することをおすすめします。
なぜなら、求人によって求められるレベル感が大きく異なり、初心者が見極めて応募することは難しいからです。
転職エージェントに相談すれば、あなたのレベル感に合った企業を紹介してもらえます。
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先ほど紹介した「ウズウズカレッジ」で基礎学習したあと、転職サポートもセットで行っているので、学習→転職までを一貫できますよ。
まとめ:組み込みエンジニアは辛いところもあるけど、やりがいのある仕事
未経験だけど、これから頑張っていこう!
組み込みエンジニアは辛いところもありますが、やりがいも大きい仕事なので、ぜひ頑張ってください!
組み込みエンジニアに限らず、どんな仕事でも辛いところはあります。
大変な部分を受け入れられるなら、転職も視野に入れて基礎学習を始めてみましょう。
もしあなたが組み込みエンジニアとしてやっていけるか不安であれば、まずはウズウズカレッジの無料カウンセリングを活用してみてください。
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もし組み込みエンジニアに向いていないと思われる場合でも、他に向いていそうな仕事をいくつか紹介するので、転職活動の情報収集として活用してもらえたら幸いです。
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